はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

60歳で始めた妻との共用日記

2017-08-24 21:49:17 | 岩国エッセイサロンより
2017年8月21日 (月)
  岩国市 会 員   山本 一

 60歳を機に、妻と共用の5年日記を始めた。ページの中央に縦線を入れ2人分に分ける。左側を私、右側を妻が使う。お互い、日々あったことや感じたことを自由に記入する。今年は16年目。ちょうど4冊目に入ったところである。
 共用なので、互いに見せ合うことになる。当然、妻の嫌がると思うことは書かない。日記に制約があることに抵抗もあったがが、「結婚して48年。今更妻の嫌がることを日記に残して、何の意味があるのか」と思うようになった。
 お互いの生活記録になっていて、毎日これを書かないと落ち着かない。日記は二人の老化した脳の、記憶の助っ人でもある。時々、過ぎ去った日々を思い起こしながら、残る人生をしっかりと前を向いて過したい。
  (2017.08.20 朝日新聞「声」掲載)

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