母校の静岡県立磐田南高校(旧見付中学)の正門を45年ぶりにくぐった。壮年期は仕事に追われ、青春を懐かしむ気などなかったが、老いの兆しが見え始めて気持が変わったのだ。土曜日の午後とあって後輩たちは校庭狭しと、スポーツ練習に励んでいる。女子生徒はまるでモデルのような容姿。「あの土手に整列して応援練習をしたんだよ。『覇気あるか?』『オーッ』てね」と妻に話して聞かせる。バスケ部の女子に思いを告白した体育館もそのままだ。「こんにちはっ!」。男子生徒のすがすがしいあいさつに心を満たされて、母校を後にした。
霧島市 久野茂樹 2012/9/14 毎日新聞鹿児島版掲載
霧島市 久野茂樹 2012/9/14 毎日新聞鹿児島版掲載