新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が10都府県で1カ月延長されることに なった。 厳しいけれど改めて外出を控える重要性に心するとともに、1月4日付「天風録」を思い出す。
その中に「疱瘡が流行した江戸時代、岩国藩は患者用の生活費も負担して隔離政 策を採ったという」との一節があった。疱瘡とは天然痘のこと。 私はこのことをおよそ10年前に知り書き留 めていた。
岩国藩は疱瘡を恐れ、藩主を守るためさまざまな方策を取った。発病した本人 はもちろん、家族や患者と接した者は、定められた地域に隔離された。隔離後は家族といえども接近すらさせなかった。 また、患者の家に対しては隔離療養の費用を支給したという。 江戸時代、はやり病につ いてどれほどの情報と知識 があったのだろうか。そう した中で、感染症である疱瘡との闘いの基本が隔離で あり患者との非接触であった。現代医学の下でのコロ ナ対策と類似していることに驚いている。
(岩国市) 無職 片山 清勝8歳