北海道旅で釧路から南千歳まで乗車した曲線の多い線路を高速で走行する気動車特急「スーパーおおぞら」の「ＦＵＲＩＫＯ２８３」の乗車体験は感動した。
最大６度傾斜するから２８４センチの幅の客室は３０センチ程の高低差になるが、線路のカントとの相乗効果で目視では大きな傾きに感じる。
科学技術の究極の複雑な構造故に保守点検に経費が掛かり、経済一辺倒のアベノミックスは退役を奨励し、程なく簡単な構造の空気ばね車体傾斜「ＨＥＴ２６１」に置き換わる運命。
新幹線に対抗する先人の遺産である在来線の速達性向上の切り札で、遠心力で自然に移動する振り子と同様に、走行台車の円形のコロの上を客室が遠心力で振られて傾斜するから自然振り子傾斜式車両と名付け、国鉄時代の中央西線の特急「しなの」の３８１系電車が最初だった。現在も岡山駅～出雲市駅間を山陽本線・伯備線・山陰本線経由で運行する特別「やくも」で健在であるが、老朽化が故に来年度には引退が噂される。
ＪＲ北海道 キハ２８１系「北斗」・キハ２８３系「おおぞら」
ＪＲ東海 ３８３系「しなの」
ＪＲ四国 ２０００系気動車・８０００系電車、新鋭の２７００系気動車「南風」
智頭急行 ＨＯＴ７０００「スーパーはくと」
ＪＲ西日本 ２８３系「くろしお」スーパーアロー、キハ１８７系「まつかぜ」
ＪＲ九州 ８８３系「ソニック」、８８５系「白いかもめ」
以上が現役の制御付自然振り子式列車であるが、金子みすゞ記念館・関門海峡徒歩横断、恩讐の彼方にの「青の洞門」など西日本の興味のある地探訪を兼ねて、未乗車の車両を乗りつぶそうと思っているが、コロナ禍による東京五輪と同様に、予定は未定で決定ではないのである。
しかし老人には夢と希望が必要不可欠、時刻表片手に緻密な計画作成が老化防止の妙薬となるのだ。
