風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

商売は心の購入 454号

2009年02月01日 06時07分18秒 | 随想
石焼き~~芋、焼き芋、焼き芋。石で焼いた焼きたての熱々。一本200円と300円だよ~~。とっても大きいのが400円だよ~~。早く来ないと行っちゃうよ~~。

拡声器で流しながら、軽トラックが通過する。懐かしい冬の風物詩である。夏は蕨餅を売りに来る。

ラッパを吹いて豆腐屋が来る。チャルメラを鳴らす夜鳴き蕎麦もあった古き善き日本。

フーテンの寅さんの啖呵売は、話術で客を楽しませ、上機嫌にさせ、財布の紐を緩ませ、ガラクタを売り歩く対面販売手法である。

男は度胸で女は愛嬌、坊主は読経で学生は勉強、庭でうぐいすホーホケキョウ。赤穂の殿様じゃないが腹切ったつもりだ。ね~どう、こんな良いものが2000円。はい、ダメか。 1500円だ1500円。誰も持ってかない。 よ~し、1000円。今日は貧乏人の行列だ。よ~し 500円だ。持ってけ 泥棒。

100円ショップで買えるモノを、言葉巧みに5倍の値段で売りつける。客はモノを購入するだけでなく、おまけの車寅二郎の話術、心を手に入れ、楽しい思い出が出来たのである。

現代の啖呵売はテレビの全国ネットのコマーシャル、包装紙のネーミングとデザインとキャッチコピーである。ロボットで製造したモノを、クールに購入させる対物販売は心を荒ませる。

マック・バーガーは対面販売であるが、東京の高層ビルで学士様の考えた言葉を、感情を抑えて声にし、勘定に専念するロボット人間が優等生。アドリブ禁止。麻生太郎は落第生。心の琴線が震えず、無言でモノを事務的に受け取るおいら。安価だから我慢するが、リピーターにはならない。

「早く来ないと行っちゃうよ」

急いで来たが、行っちゃた。いつか購入するから又来てよ。巧みな話術は心を和ませてくれる。

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