ロングロングアゴー、ワンスアポンナタイム、花の都のど真ん中の原宿でサラリーマン生活をエンジョイした。
埼玉の県庁所在地から東京都庁所在地まで通勤した。別に出向した役人ではない。企業の雇われ人だった。
朝食は同じファーストフード店で平日毎日一杯の珈琲を頂くのが習慣だった。
アルバイトの美しい女子学生と顔馴染みとなった。
いらっしゃいませ、ご注文をお伺いします。
何時ものモノ。
ミルクをお付しますか?
何時もの通り。
お砂糖は?
何時もの通り。
二年間、聞かされ耳にタコができた。
紙切れ一枚で田舎に飛ぶ最後の日に親愛なる女子学生に聞いた。
なぜ同じ会話をするのですか?
マニュアルの会話を正確に繰り返すとお給料が上がるのですよ。就職が決まり今日が最後のお勤めだから店長に叱られますがアドリブ会話します。
イングリッシュを多用したインテリが作成したマニュアルに忠実な人間が優秀?
日本は下関と同様に乾いた街に成った。
世間の常識を覆す芥川賞作家の39歳独身の田中慎弥なる小説家の記者会見は多数決論理の常識を覆す革命で混迷日本を救う反骨人間を見た思いがした。なでしこジャパンを超える国民栄誉賞に該当する快挙だ。四回も落伍者の烙印を押され挫けない根性、龍之介の様に発狂して自死はないだろう。
そうそう、東日本大震災の福島原発事故、監督官庁の経産省の原子力安全保安院の西川某なる報道官、権力者の責任回避の政策を説明する困難に直面し女性の癒やしに逃避し更迭される人間的な行動、自殺したら人生は終わる、生きていれば何時かは再び花が咲く。
こんな発想をする人間は世間から落伍者の烙印を押され軽蔑されるが、円高ドル安、デフレスパイラル、政治混迷等々に影響されず、一汁一菜の食を頂き平穏な一日を暮している。