風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

北海道の優等列車

2018年05月30日 05時05分38秒 | 随想

函館本線・室蘭本線・千歳線キハ281系「スーパー北斗」、宗谷本線キハ261系「宗谷」、石北本線キハ183系「オホーツク」、根室本線・石勝線キハ283「スーパーおおぞら」に乗車した。

自然に逆らわず、川の流れに従う鉄道路線の線形はカーブが多く、分水嶺の上り下りが有り、時間を浪費するので気ぜわしい現代人から敬遠される。

悪路で速度を追求した車両の優等生が特別急行「スーパーおおぞら」のキハ283系「FURICO283」だろう。

JR四国2000系の技術を継承するバイクと同様にカーブで車体を大きく傾け遠心力を吸収し高速で走行する為の人類の叡智が自然振子式の車体傾斜装置、最大で六度傾斜するから284センチ幅の車体は30センチの左右高低差が発生する。

そして曲線鉄路は最大二度の内外勾配が有るから都合八度、40センチ傾く。

電化の進まぬ北の大地は気動車が主流、単機のエンジンではトルクが振り子の邪魔をするが故に、355馬力の双発として解消し迅速で快適な旅を提供する。

霧が大量に発生する道東を走行するから前照灯を九灯も装着する。

数人の乗務員で多くの乗客を目的地に運ぶ鉄道、消滅するのは寂しい。

西欧文明の個人主義はマイカーによる旅を推奨するが、農耕民族なら和して同ぜずの呉越同舟で、過ぎ去る景観を楽しむ鉄道旅が相応で、先人の努力に感謝する義理人情だろう。

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