プラスの遺産は負の遺産 ４１５号

民主主義を無責任な衆愚政治の元凶として退けた独裁者の典型のアドルフ・ヒトラー。正の遺産はアウトバーン建設と国民車・ビートルである。

フォルクスワーゲン・ビートルを設計した技術者、フェルディナント・ポルシェ。
ポルシェ３５６とはドイツの自動車メーカーであるポルシェ社のスポーツカーである。エンジンはフォルクスワーゲン用の空冷水平対向４気筒ＯＨＶ１１３１ｃｃを転用した。

後継のポルシェ９１１は空冷水平対向６気筒２０００ｃｃエンジンのリアエンジン・リアドライブの二人乗りの高性能スポーツカーだった。マイスターハンドベルクの少量生産だった。全ての車は公道で試験走行してユーザーに渡されたから、全てが中古車だった。

ポルシェ一族が経営から引退した後、フォルクスワーゲン社の株式を取得し、経営権を手にしてからポルシェ社は変貌した。水平対向エンジンに決別、大量生産を開始する。ポルシェ・カイエン。ポルシェ・パナメーラはフォルクスワーゲンの組立工場で生産される。夢のシュトゥットガルトの高価格で高性能スポーツカーは消滅した。

おいらが紅顔の美少年の頃の車は贅沢品で物品税が高く極めて高価格だから、台数が少なく、信号も無く、道路は今ほど多くなかった。大衆は、歩いて健康だった。ごみ収集車は無く、パトカーや救急車も無かった。国鉄職員や農業従事者が多かった。

自民党独裁による高速道路と自動車優先の拡大経済の上げ潮政治は敗北した。その護衛艦隊の旗艦だったＴＯＹＯＴＡはクラウンを粗末にして、高価なレクサスの増産を志向した。むしろハイブリット・プリウスを値下げするべきだった。武士道精神を失念している。

モノカネ万能の金融経済のお祭り騒ぎは終了し、自動車産業の不振が臨時工・期間工を大量解雇する。祭りの後の寂寥感を胸に若者が田舎を目指す。農耕民族の本能が棚田を整備し、畑を耕す。長老から伝統の文化を引き継ぎ、大家族が復活する。負けるが勝の諺は生きている。

ヒトラーの正の遺産はアウトバーン建設と国民車・ビートル。民主主義の議院内閣制による無責任な衆愚政治は自動車産業優先と高速道路建設で農業を破壊する負の遺産を作ってしまった。

水平対向ボクサーエンジンのスバル・レガシーがマイカーである。ＴＯＹＯＴＡの系列に組み込まれた。プラス・レガシーとなるか、マイナス・レガシーとなるか、レガシーの意味は遺産である。水平対向エンジンはポルシェ博士の遺産である。