風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

混乱の聖火リレー 268号

2008年04月27日 22時33分11秒 | 随想
北京オリンピックの聖火リレーが長野市で行われました。警察の過激な警備は、中国政府のチベット自治区統治問題で騒乱が続いている中国の国内事情で、ダライラマ14世のラマ教のチベット人と中国のエリートが反目している余波なのです。

そもそも聖火リレーの発祥は、ドイツの政権を奪取し、同国の国民からの支持を背景に当時隆盛を誇っていたアドルフ・ヒトラー率いるナチス党が首都・ベルリンでドイツ第三帝国の威信をかけて開催した1936年のベルリンオリンピックで、3000人以上のランナーが聖火をオリンピアからベルリンまで運んだようです。

ナチス党は反ブルジョワ・反ユダヤ・国粋主義で伝統文化の純化を行う傾向が強く、人種差別や排他主義と一体となることが多く、共産主義国の「宗教は麻薬」としてチベット仏教を敵対視するのと似ているように感じるのです。

オリンピック開催を成功させる為に、ドイツはユダヤ人の虐待を一時的に停止したのですが、中国もダライラマと対話する軟化姿勢を見せているのです。大変よく似ています。

ベルリンオリンピックが終了して、数年後には第二次世界大戦が始まりました。

冬季長野オリンピックの開催地で夏季北京オリンピックの聖火リレーが行われるのに違和感があります。夏季オリンピックが開催された東京で聖火リレーが行われたら自然でした。

冬季オリンピックで日本初のメダルを獲得した猪谷千春氏が国際オリンピック委員会の要職にある政治力によるのでしょう。彼は長野県でスキーの技術を磨いたのでした。そして1956年、コルティナダンペッツォ冬季オリンピックで、トニー・ザイラーがアルペンスキー回転・大回転・滑降金メダルの三冠を達成したときの、回転銀メダルが、現IOC副会長である猪谷千春氏でした。

「躾。今の若い人達はまずゼロだね。これはやっぱり、何て言うか、人間社会に生きているんだから我々はね、やっぱり人のことも思わなければいけない。自分だけじゃ駄目だよね。だから、あんまり自己中心になりすぎているよね、今ね。それだとか、人の足を踏んだってごめんなさいも言えない、肩がぶつかってもごめんなさいも無いね。それからおはようも言えない。何かしてあげてもありがとうが言えないね。だから、この辺は何て言うのかな、今、日本の社会の、戦前から比べて一番悪くなった所の1つだね。やっぱりこれは、あのう、そういう子供に対する親の躾ができてないという、これは学校の問題じゃない、親がやる感じの問題だよね」

猪谷氏の言葉です。戦前のオリンピックには世界的な躾が有ったのでしょう。ベルリンで壊れてしまったオリンピックを修正して、北京オリンピックにたどり着いたが、歴史が繰り返さない事を願っています。猪谷千春氏がIOCの幹部なら大丈夫でしょう。

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