無償仕事はぼらんてぃあ ９５１号

永六輔のボランティアの講演旅行の話。

駅に女性が迎えに来ている。送迎がボランティアと言う。感謝して乗るが、運転は下手糞、道を間違えるなど悪戦苦闘の末、ようやく会場に到着。電車に乗り遅れる不安があるから、帰りはタクシーの手配をお願いする。

行事が終わり外に出ると、あの女性が笑顔で乗用車のドアを開け手招き、送迎が本日の私のボランティアと虚栄心。

鞭で出血する程叩かなければ走り出さない馬、僅かに叩くと走る馬、触れると走る馬、鞭影を見て走り出す馬、馬もいろいろである。

無償(ただ)の仕事は自主的な滅私奉公を喜んで遂行する鞭影で走る馬。貨幣経済社会の非日常的活動で、体制社会の落ちこぼれに似合うのである。