各地で彼岸花が満開の様だ。岡崎城下の乙川の岸に人工群生地がある。近所の女性が植え、今は賛同者が集い数十万本になり壮観、春の彼岸には同じ女性が植えた河津桜が満開になる。
彼岸とは春分と秋分の昼夜平分時の前後一週間の間、此岸の俗界から彼岸の浄土に旅だった先祖を思い出し懐かしむ仏教行事が執り行われる。
美濃加茂正眼寺の山川宋玄禅師の話を思い出す。
貧乏な昔の村人は春分と秋分の日に御握りと酒の肴を携えて、日の出と共に東方の太陽に向かって歩き出す、太陽が真上に来た場所で宴会を始める。今度は西方の太陽を追いかける。日没とともに村に到着する。そんな行事が唯一の娯楽だった。宴の場所は毎回同じ、目印に祠を建て、太陽神をお祀りしたのが氏神様。神社発祥の説明として面白いと思った。
一休さんなら、有漏路より無漏路へ帰る一休み 雨ふらば降れ 風ふかば吹け、そんな心境が彼岸会だろうか。