独裁者にはマハトマ・ガンディー ３４９号

独裁者は民族や国家を自分の独占物と錯覚する。そして自分に反対する者を民族、国家の裏切り者として弾圧する傾向にある。国民の不満を逸らすためにも意図的に反対派や少数民族を弾圧することも多い。スターリンやアドルフ・ヒットラーが歴史上の悪党である。

１９４８年１月３０日、午後５時１０分に痩せ細った一人の老人の体に、３発の弾丸が打ち込まれた。マハトマ(偉大なる魂)・ガンディーと呼び親しまれ、イギリスの植民地であったインドを独立に導いた民族的指導者の劇的な死であった。

非暴力主義を貫いたガンディーが、暴力の犠牲になり、暴力によって殺された事を疑問に思わない人間は、人生の怠け者である。銃弾を打ち込んだ異教徒に「青年を許せ、暴力は暴力を生む。非暴力は青年の良心を覚醒させる」。人に助けられないと人間は生きていけない。感謝の心が大切である。人を救うのは大人の態度である。

地球規模の悪党は多くないが、小さな職場には小物の独裁者が星の数程存在するのである。運命の悪戯が無能な人間を指導者に選択する。無能な人間は、同類を呼び、良貨が駆逐され、独裁体制になる。悪代官を駆逐する水戸黄門の存在する江戸幕府は３００年存続した。将軍に真実の情報が届かなければ、組織は崩壊する。

ガンディーは、非暴力運動において一番重要なことは自己の内の臆病や不安を乗り越えることであると主張する。

独裁者を自認する人間が仕切る現在の職場。独裁者はこの職場以外に現在の報酬を維持する職場は他に無い哀れな労働者。地位を守る死に物狂いの悪足掻き。気の毒な哀れな金の亡者の男である。高度の政治判断は、降格や転勤をさせることが集団社会の温情で人間が変わるかもしれない。その事が真の教育である。

非暴力・不服従のガンディーの思想に従い、無難に残りの６ヶ月間の職務を遂行し、寂しく職場を去る事を覚悟した、臆病で卑怯な人間の私である。利害の人間関係は空しい。焼酎を飲んで、寝ることにする。