風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

社長の通勤 421号

2008年12月17日 10時26分41秒 | 随想
国から融資を受ける為に、議会に専用ジェットで飛んでくるアメリカの自動車会社のCEO。経費節約の為にバス通勤している日本航空の社長さん。

大穴狙いの狩猟民族、銀行レースで堅実に儲けを増やす農耕民族。

自分の地位保全の金策に奔走する単神教のアメリカ人。「社員と痛みを共有するのは当然」と愛社精神旺盛な多神教の日本人。

当面の利益に関心がある歴史の浅い西洋科学主義者の契約社会と地球環境と共生する東洋自然主義者の伝統社会。攻撃は防御の前進の哲学と負けるが勝の謙譲の美徳。

文化の違いが経営に色濃く反映する。ハーレーダビッドソンは日本的な終身雇用である。

しかし国際化の進む現在の日本は危険が一杯である。知名度があり、地位の責任のある人物の公共交通機関通勤は神風特攻隊的である。

「釣りバカ日誌」の鈴木一之助社長の社用車通勤がリベラルで許容範囲の贅沢である。専属の前原運転手との会話で、庶民の感覚・願望を吸収できる。運用をタクシー会社に代行させるのは、モノカネに偏り過ぎの金権体質である。スーさんのハーレーダビッドソン通勤は会社を混乱させた。

懸命な修行の苦しみを通り抜け、世間を熟知した人間の態度として、山川宋玄正眼寺住職の話を思い出した。無門関第十則の清税孤貧の解釈だった。

例えば名古屋栄の地下駐車場にロールスロイスをあずけ、車内でボロに着替え、繁華街の道端で一心不乱に物乞いする。そして夕暮れに僅かな恵みを懐に、ブランド物の洋服に着替え帰宅する毎日を繰り返す。何時か人が集まり、社会が変わる。

「社会は豊かに、個人は質素に、思想は高く、暮らしは低く」を理念とする臨時行政調査会の土光敏夫会長は、「増税なき財政再建」を叫び続けた。西松遥JAL社長と重なるのである。

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