電動鐘が鳴る。午後2時46分、東日本旅客鉄道の仙石線野蒜駅を上下2本の電車が発車する。
地震発生、電車は緊急停車、東名駅目前の仙台あおば駅行きは内規に従い乗客を避難場所に誘導、石巻行きは神社近くの小高い丘に停車、地元住民の言葉で車内に留まった。
直後に大津波、小学校に避難した乗客の数人が命を落とし、内規に違反し臨機応変の対応をした乗員・乗客は全員無事だった。避難しなかった事を非難できない。
企業が巨大化し権力者が過酷な現場を離れ、大都会の快適な執務室で管理する安易な手段が規則文書化。
規則で縛られた機械人間の外食産業や終夜営業の利便店の接客は冷たい。臨機応変の会話の出来る人間の復活の必要性を東日本大震災が教えてくれる。