風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

イチローは野球道の禅師様 359号 

2008年09月06日 13時54分40秒 | 随想
愛知県出身の鈴木一朗はシアトルマリナーズのプロ野球の選手である。非凡な才能を発現した人物として、多くの人が絶賛する。

岐阜県美濃加茂伊深の郷の正眼寺は、打撃の神様・川上哲治が座禅修行した臨済宗妙心寺派の寺院で、講演会にしばしば訪問した。講師は住職の山川宋玄禅師である。

「やはりイチロー選手はそのことに集中している、徹底しているな、と思いますね。今、自分の務め、打者としてのとか、どこを守っているかちょっと知りませんけども、守っているところに、その選手としての役目を毎日毎日精一杯務めれば、果たせばいいんだ、と。結果のことはあんまり考えていません。今できることを精一杯、今に集中している」

梅原猛は東洋思想の仏教を研究する哲学者である。

「精進と禅定、すなわち一生懸命に働くこと、そして集中すること。彼は、仏教の教えを野球という仕事を通して実践し人間を磨きあげていると感じる」

イチロー自身の言葉がある。

「他人の記録を塗り替えるのは7割、8割の力でも可能だが、自分の記録を塗り替えるには10以上の力が必要だ」
「自分を殺して相手に合わせることは、僕の性に合わない。まして上からいろいろ言われて、納得せずにやるなんてナンセンスだと思います」
「どんなに難しいプレーも、当然にやってのける。これがプロであり、僕はそれにともなう努力を人に見せるつもりはありません」

自分の心と戦い、自分の野球道を完成さるイチローは野球哲学を内面に持っている高僧である。自由放任のアメリカ野球はイチローのプレーを無条件で受け入れる寛容さがあり、その心に感動する。モノカネ万能で宗教教育が憲法で否定された公立学校の卒業生には、イチローの心の野球、仏道野球が理解できず、数十億円の報酬ばかりに関心が向く守銭奴である。優等生がモノカネ・シンドロームの病が癒え、心の野球に素直に感動できる人間に生まれ変わると、物心両面の景気が回復し真の繁栄が日本に到来する。

報酬は結果であり、野球が好きな原因があり、練習の精進努力の過程の縁が働き、大輪の花が咲いたのである。野球界にも自然界と同様な因果応報の真理が存在する。

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