鉄道の日記念・JR全線乗り放題切符が発売され、休暇が取れたので気儘な一人旅を企画した。気分は青春時代である。還暦以後、友人・知人が言動・行動を観察して、ボケてるのではないのかと指摘されることが多いのである。個性的といってもらいたい。ボケの言霊が、吉野川の中流にある大歩危・小歩危を連想させ、四国を徘徊することになった。歩く時に大変危険であるから、大歩危なのである。
鉄道の日記念・JR全線乗り放題切符は、全日有効で乗降自由の3枚綴りが9180円であるから、1枚は3060円である。青春切符の限定版である。
岡崎を朝6時30分の列車に乗り、米原・姫路・相生・岡山・坂出・阿波池田で乗り換え大歩危の終着駅に到達したのが午後4時30分である。10時間の長旅であった。その間、木曽川・長良川・揖斐川・淀川・加古川など多くの橋を渡り、明石大橋を左に見て、瀬戸内海に架かる瀬戸大橋を通過して、今夜の宿泊先の旅人の宿「空音遊(くうねるあそぶ)」のある祖谷渓にはかずら橋がある。
かずら橋は源平合戦で敗北した、平清盛の一族が落ち延び、討伐の死に脅えながら、世間と隔絶した集落で助け合い現地調達できるシラクチカズラのみで架けた、生の執着の遺産なのである。カズラは7屯必要で耐用年数は3年である。昔はたくさん自生していたカズラであるが、現在は吉野杉の造林で減少して、橋の為に栽培している貴重品なのである。
山の斜面にへばり付いた家屋からは、逆境に耐えて生き抜く、生への執着や根性が見て取れ、人間の強さが感じられ、凄い事だ。そして逆境に耐え忍んだ人の心は優しいのである。
旅人の宿「空音遊(くうねるあそぶ)」の主人保坂行徳・通称ノリさんは若い青年で、苦労人である。アフリカのボツアナ共和国で青年海外協力隊の一員として活動し、外国から見て感じたことは日本が素晴らしい国であること。帰国後、全国各地をカヌーとともに回り、辿り着いた大歩危の朽ちた古民家の修復と保存を、そして山村の活性化を一生のテーマに定めたと彼は言う。
偶然ホームページを閲覧して、「空音遊」の言霊に引かれ、訪ねたのであるが共感し、嬉しくなり、暇をもてあます老人の相手をして頂いた恩義に報いるささやかな宴をしたのである。地域に溶け込み、歩危マートの女将さんや酒屋のおばさんは、息子のように応対するのである。人脈は広く、豪華湯宿「大歩危峡まんなか」 の露天風呂を時間外であったが案内してくれた。
「雑談は人生の最高の営業会議」とは先客がノートに残した言葉であるが、ビールを飲みながらの雑談から多くを学び、ノリさんは禅僧であると感じた。自然と格闘することで、もっともっと優しくなるだろう。また会いに行くよ、ノリさん。
先客の外国人の文章を転記する。
Dear NORI-san
I think maybe we have different ways of thinking,but the spirit is the same behind our ideas.Thank you for sharing all of these amazing things with us.It is perfect.
Japanese spirit. Non Japanese spirit.
Bushido spirit. Human spirit.
I would love to see this place in the winter and warm my feet by the stove.
see you again.
鉄道の日記念・JR全線乗り放題切符は、全日有効で乗降自由の3枚綴りが9180円であるから、1枚は3060円である。青春切符の限定版である。
岡崎を朝6時30分の列車に乗り、米原・姫路・相生・岡山・坂出・阿波池田で乗り換え大歩危の終着駅に到達したのが午後4時30分である。10時間の長旅であった。その間、木曽川・長良川・揖斐川・淀川・加古川など多くの橋を渡り、明石大橋を左に見て、瀬戸内海に架かる瀬戸大橋を通過して、今夜の宿泊先の旅人の宿「空音遊(くうねるあそぶ)」のある祖谷渓にはかずら橋がある。
かずら橋は源平合戦で敗北した、平清盛の一族が落ち延び、討伐の死に脅えながら、世間と隔絶した集落で助け合い現地調達できるシラクチカズラのみで架けた、生の執着の遺産なのである。カズラは7屯必要で耐用年数は3年である。昔はたくさん自生していたカズラであるが、現在は吉野杉の造林で減少して、橋の為に栽培している貴重品なのである。
山の斜面にへばり付いた家屋からは、逆境に耐えて生き抜く、生への執着や根性が見て取れ、人間の強さが感じられ、凄い事だ。そして逆境に耐え忍んだ人の心は優しいのである。
旅人の宿「空音遊(くうねるあそぶ)」の主人保坂行徳・通称ノリさんは若い青年で、苦労人である。アフリカのボツアナ共和国で青年海外協力隊の一員として活動し、外国から見て感じたことは日本が素晴らしい国であること。帰国後、全国各地をカヌーとともに回り、辿り着いた大歩危の朽ちた古民家の修復と保存を、そして山村の活性化を一生のテーマに定めたと彼は言う。
偶然ホームページを閲覧して、「空音遊」の言霊に引かれ、訪ねたのであるが共感し、嬉しくなり、暇をもてあます老人の相手をして頂いた恩義に報いるささやかな宴をしたのである。地域に溶け込み、歩危マートの女将さんや酒屋のおばさんは、息子のように応対するのである。人脈は広く、豪華湯宿「大歩危峡まんなか」 の露天風呂を時間外であったが案内してくれた。
「雑談は人生の最高の営業会議」とは先客がノートに残した言葉であるが、ビールを飲みながらの雑談から多くを学び、ノリさんは禅僧であると感じた。自然と格闘することで、もっともっと優しくなるだろう。また会いに行くよ、ノリさん。
先客の外国人の文章を転記する。
Dear NORI-san
I think maybe we have different ways of thinking,but the spirit is the same behind our ideas.Thank you for sharing all of these amazing things with us.It is perfect.
Japanese spirit. Non Japanese spirit.
Bushido spirit. Human spirit.
I would love to see this place in the winter and warm my feet by the stove.
see you again.