江戸時代の食のありかたの意味を考えると、人間の言動、考え、思想は時代の思想を踏まえてこそ、その意味が分かるのだとその大事性感じさせられる。
日本人の食は、どのような変遷をたどっての現在であるのか、また日本人の食、和食がそれなりの完成をみたと思える江戸時代の食はいかなるものであったのか、との興味から、何冊かの書に目を通している。
その中で、江戸時代には、黒い食べものが夏の暑さを乗り切るために食べられた。との記述があった。筆者は「黒い食べもの」が現代の目から見るとそれなりに意味のあるものとして、様々な栄養的に優れた点をあげた上で、それに加えて「何故これほどに黒い食べものこだわるのか」として、その謎解きをしている。端的には、「玄武という黒い神様の力にすがろうと……」ということであった。
しかしながら、(陰陽)五行論についての基本的な理解があるならば、「ああ、相剋ということか」となると思う。
少し解説するならば、(陰陽)五行論には、五行のそれぞれの間の関係性として、相生と相剋ということを言う。例えば、五行(木、火、土、金、水)で、木が火を生み、火が土を生み、土が金を生み、金は水を生み、水は木を生み……と五行のあるものが他のものを生み、ということを繰り返して世界が循環していくのを相生といい、もう一つ相剋というのは、木が土を剋し、土が水を剋し、水が火を剋し、火が金を剋し、金が木を剋し……と五行のあるものが他のものを剋して代わることで世界が循環する、とするもの。
(陰陽)五行論では、このような相生と相剋を五行のすべてにわたって、つまり「木、火、土 、金、水」にだけでは無しに、「春、夏、土用、秋、冬」「風、暑、湿、燥、寒」「青、赤、黄、白、黒」「肝、心、脾 、肺、腎」「鶏、羊、牛、馬、豚」「生、長、化、収、蔵」……についても考えていくことを行う。
それゆえ、夏=暑=火を抑える(=剋する)ものは、「水」剋「火」であるから、五行の「水」のもの(冬、寒、黒、腎、豚……)を!ということの、「黒い食べもの」を、ということになる。
以上のことが、ある時代のある物事、考え、思想を理解するには、その時代の支配的な思想を知ることが必要である。ということの一つのありかたであるのでは、と思える。
日本人の食は、どのような変遷をたどっての現在であるのか、また日本人の食、和食がそれなりの完成をみたと思える江戸時代の食はいかなるものであったのか、との興味から、何冊かの書に目を通している。
その中で、江戸時代には、黒い食べものが夏の暑さを乗り切るために食べられた。との記述があった。筆者は「黒い食べもの」が現代の目から見るとそれなりに意味のあるものとして、様々な栄養的に優れた点をあげた上で、それに加えて「何故これほどに黒い食べものこだわるのか」として、その謎解きをしている。端的には、「玄武という黒い神様の力にすがろうと……」ということであった。
しかしながら、(陰陽)五行論についての基本的な理解があるならば、「ああ、相剋ということか」となると思う。
少し解説するならば、(陰陽)五行論には、五行のそれぞれの間の関係性として、相生と相剋ということを言う。例えば、五行(木、火、土、金、水)で、木が火を生み、火が土を生み、土が金を生み、金は水を生み、水は木を生み……と五行のあるものが他のものを生み、ということを繰り返して世界が循環していくのを相生といい、もう一つ相剋というのは、木が土を剋し、土が水を剋し、水が火を剋し、火が金を剋し、金が木を剋し……と五行のあるものが他のものを剋して代わることで世界が循環する、とするもの。
(陰陽)五行論では、このような相生と相剋を五行のすべてにわたって、つまり「木、火、土 、金、水」にだけでは無しに、「春、夏、土用、秋、冬」「風、暑、湿、燥、寒」「青、赤、黄、白、黒」「肝、心、脾 、肺、腎」「鶏、羊、牛、馬、豚」「生、長、化、収、蔵」……についても考えていくことを行う。
それゆえ、夏=暑=火を抑える(=剋する)ものは、「水」剋「火」であるから、五行の「水」のもの(冬、寒、黒、腎、豚……)を!ということの、「黒い食べもの」を、ということになる。
以上のことが、ある時代のある物事、考え、思想を理解するには、その時代の支配的な思想を知ることが必要である。ということの一つのありかたであるのでは、と思える。