MJHA(日本を再び健康な国に)〜東洋医学の実践的理論研究~

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難経69難による鍼実技試験(増補2)〜その取穴法〜

2017-12-01 07:13:49 | 鍼灸学校での学び・国試勉強・受験勉強
難経69難を用いての選穴による鍼実技の試験が行われる。まずはソクラテス的に、と取り組んでいる。(難経69難による選穴は、形式が独り歩きしたもの?との思いがある。別言すれば、中身が無いだけに形式が一層大仰なものになって行っている、と。それだけに専門外の方にはそれの理解はほとんど意味が無い、と思えるので、難経69難の選穴の事実をあげている部分は、適当に読み飛ばしていただければ、と思う。)

来週、難経69難を用いての鍼実技のテストがある。(本来の形式としては)六部定位脈診をして一番虚している脈=臓を選び、次にその脈=臓と前後の脈=臓(五行配当による)を比較して、より虚している脈を選ぶ。最初に選んだ脈と次に選んだ脈を五行の母子で考えて子の脈=臓の虚証として「虚すればその母を補い」(難経69難)を行う。

例えば、最初に六部定位脈診を行なって、左寸口の脈が虚しているとすると、次に左関上と右関上の脈を比較して、左関上の脈がより虚していれば(肝)心虚証(……右関上の脈がより虚していれば(心)脾虚証)として、五行穴を使って、心(火)の経脈の木穴である少衝と肝(木)の経脈の木穴である大敦が選穴される、というもの。

であるが、試験時には「左寸口と左関上の脈が虚」という形での出題に対しての、そこから選穴された二つの経穴の内の一穴を指定されての、そこへの刺鍼ということであった。

以上の試験内容を考えると、指定された経穴に刺鍼することは何ら難しい事では無く、選穴が(自身では)大変に困難なことであった。

これまで「難経69難での選穴」といった場合、「心(火)の虚証に対しての、その母は肝(木)であるから五行穴を使って、子である心(火)経脈の木穴は「少衝」で、心(火)に対して母である肝(木)経脈の木穴は「大敦」である」とそれほどの困難も無く選穴が出来る様になっていたのであるが、今回の実技試験では、脈診部位による虚している臓(経脈)を選ぶというプロセスが追加されたので、脈診ということを行なって来なかった自身にとっては「鍼を打つのは簡単だけれど……」ということになっていた。

昨日から、実際に脈診から選穴というプロセスを繰り返し行なって、考え続けて見ると、当初は途轍も無い困難と思えたことも、「まあなんとかなるか」と思える様になっている。あれこれ覚えかたを試行錯誤する中で、「十二経脈の流注順では無しに、五行の順へとアタマを切り替える必要がある」と思えてその実践を行い出してからは……。

大困難と思えることも、まずは無茶苦茶にでもやって見ると量質転化的に問題の在り処が見えてくるのだ、とソクラテス的に、の有効性を実感出来たことであった。

「十二経脈流注の順では無くて、五行の順で考える」ということの補足。

まず、脈診の六部定位の部位は、左手首では掌側横紋から順に寸口(心、火)-関上(肝、木)-尺中(腎、水)、右手首では掌側横紋から順に寸口(肺、金)-関上(脾、土)-尺中(心包、火)である。

これを五行の順で考えると、五行の順は木火土金水かつ肝心(心包)脾肺腎であるから、左手の尺中から順に「水、腎」-「木、肝」-「火、心」、右手につながって右手の尺中から順に「心包、火」-「脾、土」-「肺、金」、再度左手につながって「水、腎」-「木、肝」-......と五行で、左右両手首で循環している形である。

その様に五行の順で見ていくと、難経69難での配穴が考えやすいというか覚えやすい。

それに対して、十二経脈流注で考えると肺(-大腸-胃)-脾-心(-小腸-膀胱)-腎-心包(-三焦-胆)-肝の順となるので、六部定位の脈といっしょにすると、肺(右寸口)-脾(右関上)-心(左寸口)-腎(左尺中)-心包(右尺中)-肝(左関上)と、右へ左へと行ったり来たりを繰り返すことになるので、(自身では)難経69難での配穴を考えることも、それを覚えることも、大変に困難であった、であると思える。

にもかかわらず、先生はそういうことを教えてくれずに試験だから覚えろ、出来る様になれであるので、自身の様に記憶力が衰えつつある者は、途方にくれて......の現実がある。まあ、この程度は自努力で!ということかもしれないが......。



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