東洋医学の実践的理論研究~人間が病むということの過程的構造からの東洋医学的治療論の研究~

人間が病むということの過程的像から、鍼灸等の問題を説いてみたいと思います。よろしくお願いいたします。

「動物占い」〜四柱推命と鍼灸治療〜

2015-05-12 06:00:00 | 哲学(世界観・弁証法・認識論・論理学)
 「動物占い」(ビックコミックスピリッツ編集部・編 小学館)読みました。鍼灸治療にとっての易・占いの意義、古代中国においては認識学の代わりとなるものだったのではと思えました。

 先日、東洋医学概論の先生から、古代中国の治療家にとっては易・占い、例えば「四柱推命」が必須のものであたっと説いていただきました。そう説いていただいたときの自身の思いは「?」「占い?」「それこそ迷信・宗教の類では?」で、説いていただいたことの意義少しも分かりませんでした。
 
 そこで「四柱推命が鍼灸の治療とどう関係するのでしょうか?」「鍼灸治療のために四柱推命を学ぶ必要あるのでしょうか?」と先生に問いました。それに対しての先生の答えは「私は四柱推命を学んでいないけれども、私の父は四柱推命を学んでいた。」「それはおそらく、治療して直そうにも直せない患者さんがある中で、どうしてこの人はこんな病になってしまったのだろうか?を知りたくて、その答えを四柱推命に求めたのではないかと思う。」との答えいただきましたが、その時は「そういうものなのか?」との思いと「占いが必須であったというのは、東洋医学の観念論的、迷信的部分であり、唯物論の立場からは学ぶ必要のないものなのでは?」と、その意義全く分かりませんでした。

 とは言え「東洋医学・鍼灸のすべてを唯物論の立場から実験・検討して行き、科学的鍼灸論を創出したいとの思いでの、その第一歩としての鍼灸学校への入学であったので、占い・四柱推命について少し調べてみました。
 要するに「『四柱推命』とは、生年月日に生まれた時間帯を加えたものからその人の性格や運命を占うというもの」らしいとはわかったものの、ではそれが何の役に立つのかはサッパリ分からないままに「何か分かりやすい参考書は無いのか?」と調べていて、「四柱推命」を現代的にアレンジしたものとして「動物占い」があると知りました。

 そこで「動物占い」(ビックコミックスピリッツ編集部・編 小学館)を入手して読んでみると「まえがき」に「『動物占い』がほかの占いと違うところは、動物キャラたちを通して、自分を知り、人を知って、自分のほうから積極的にすれ違いや誤解を生まない人間関係をつくり出せるようになることです。『動物占い』には人間関係の悩みに向き合い、改善するカウンセリング的な効果があるのです。これからの占いには、人の心の悩みを癒す要素がもっと求められてくるでしょう。」とありました、
 この「まえがき」を読んで、これまで「(鍼灸)治療に占いが何の役に立っていたのか、役に立つのかサッパリわからない。」との思いが大きく変わりました。
 
 どういうことかといえば、これまでの自身の治療経験から「同じ施術・治療をしても、その効果は千差万別であり、その効果の大小を決めてくるものは、その人の食・運動・睡眠のありかたであり、その結果として出来上がってしまった現在のその人のありかたである。そしてその食・運動・睡眠を決めるのは、人間にあっては本能ではなくその人の認識であるから、患者がいかなる性格=認識で行動するかを知ることは、施術・治療を行っていく上での大問題である。」との認識があったので、占いというものがその人の性格を知ることに繋がって行くならば(鍼灸)治療に取って。それを学ぶことは役に立つ面がある、役に立つ面があったのでは無いかと思い至ったということです。

 それに加えて古代中国という時代性を考えれば、当時の人類は現代人の様に個性的では無かっただろうし、もっと自然のありかたと直接性を持って生活していたであろうから、生年月日や生まれた時間帯によって決められてくる面、分かる面が大きかったのではと思えますので、それだけに「四柱推命」が病気の大元であるその人の性格=認識を知る上で大いに役立ったのではと思えます。

 では現代ではどうなのか?が問題とされなければならないのですが、現代において、昔々に中国で占いがその人を知るのに役立ったということを担うのは「認識学」であろうと思えます。いずれ鍼灸と認識学については論じなければと思ってはいますが・・・・・。
 

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