MJHA(日本を再び健康な国に)〜東洋医学の実践的理論研究~

MJHA(日本を再び健康な国に)という志で、食・運動(姿勢)・休息(睡眠)に関わる問題等を論理的に説きます。

「集団欲」は本能の一つということ〜狭義の手技療法術、特に「指圧・マッサージ」の優位性について〜

2017-05-06 21:04:28 | 鍼灸術・手技療法術
『目でみる脳 その構造と機能』に目を通した。手技療法術において、道具を使わないこと=素手の長所もあるのだと……。

解剖と生理の総復習、実質的には零からの学び直しを行なっている中で、「脳」というもののイメージがなかなかに描けないので、その一助とすべく、時実利彦の『目でみる脳 その構造と機能』(東京大学出版会)に目を通し『脳の話』(岩波新書)を読み始めている。

その『目でみる脳 その構造と機能』の「大脳辺縁系の機能=1 本能行動」で、「「たくましく」生きていくための本能の欲求には、食欲と性欲と集団欲がある。」「集団欲も、最も基本的な本能であって、ヒトや動物で、完全に集団欲を奪って孤独の環境におくと、精神的、肉体的に異常となる。左図は、ヒトの孤独実験isolation experiment の状況を示したものである。なお、集団欲をみたす、最も基本的、効果的な手段は、皮膚の圧迫(肌のふれあい、スキンシップ)である。」と説かれる。

ここに説かれる、「集団欲が本能の欲求であり、それを満たす、最も基本的、効果的な手段は皮膚の圧迫(肌のふれあい、スキンシップ)である。」ということ、これはまさにマッサージや指圧の施術のことである、と思えた。

これまで自身のアタマの中では「指圧・マッサージ」と「鍼・灸」との関係性は、「空手・拳法」と「居合・刀術」とほぼ同じ、つまり「素手」の武術と「道具を使う」武術との関係性から捉えていた、ので、「鍼・灸」の「指圧・マッサージ」に対する優位性はいくらもあげられても(端的には、剣道三倍段である)、「指圧・マッサージ」の「鍼・灸」に対する優位性というものは、明確な形ではあげることが、ほとんどできなかった。

しかしながら、「集団欲が本能の欲求であり、それを満たす、最も基本的、効果的な手段は皮膚の圧迫(肌のふれあい、スキンシップ)である。」とするならば、それは「指圧・マッサージ」の他の手技療法術には、特に「鍼・灸」には真似のできない素晴らしい長所、優位性である、と思えた。

端的には、「指圧・マッサージ」は、身体を整えるとともに認識(ココロ)をも整えることの可能性があるのであり、それを現実性にすべく、自身の手技療法術を創り上げていかねばならない、と決意される。『目でみる脳 その構造と機能』に掲載される「ヒトの孤独実験」の図。昔々には、こんな無茶な人体実験が可能であったのかと、驚かされる。
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