東洋医学の実践的理論研究~人間が病むということの過程的構造からの東洋医学的治療論の研究~

人間が病むということの過程的像から、鍼灸等の問題を説いてみたいと思います。よろしくお願いいたします。

『暁闇をついて』〜リハビリとは〜

2016-11-21 23:52:21 | 覚え書
 『暁闇をついて』を読んだ。本当のリハビリとはを実感するとともに自身の精神的弛緩を痛感させられた。

 『暁闇をついて』(日下八洲雄著 五柳書院)は、著者である日下八洲雄氏の頚椎損傷による四肢麻痺からの、リハビリによって松葉杖歩行、タイプライターによる手記の著述等が出来るようになっていくまでの葛藤と奮闘努力の記録である。

 本当ならば全文を紹介したいくらいなのであるが、例えば氏は自身の病院でのリハビリ中の心情を以下のごとく書いておられる。

 「挫折に打ちのめされ、単調な毎日の繰り返しであり、回復の速度といっても、一ヶ月前と比較しても目立たないものであり、放り出したい気持ちになることがあった。
 それは自分自身に負けることであり、完全な敗北を意味する。他人に負けることは、それぞれの力の個人差があり、時には敗北を認めねばならないこともあるが、己れ自身に負けることは救いようがない。完全な敗北であり生きている価値もなく屍同然ではないだろうか・・・・。」


 遅々として進まぬリハビリにくじけそうになる自身を自ら叱咤激励される言葉に、人間にとって本当に大事なものは、魂なのだと改めて痛感される。
 また、氏の生き生きとした文章は年単位の強烈なリハビリの日々の結果としての脳細胞の活性化の結果でもあろうと、出来ないことを出来るように頑張り続けることの大事性を改めて感じさせられた。

 リハビリに関わるかたにはもちろん、そうでないかたにも『暁闇をついて』の一読をおすすめしたい。現在、古書でしか手に入らないようではあるが・・・・・・。

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現在ではリハビリのありかたも随分と変わってきており、『暁闇をついて』で描かれているリハビリのありかた、とは違ったものとなっているのでは?との思いから、「リハビリテーション医学」担当の先生に「『暁闇をついて』で描かれているリハビリのありかたは、現在とは随分と違ったものなのでしょうか?」との質問をしたところ、先生、ポカンとされて……そもそも、『暁闇をついて』をご存知無いと言うことであった……。
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