枯雑草の写真日記2

あの懐かしき日々を想いながら・・つれずれの写真日記です。

仏殿の木組みの存在感、山口、長府 功山寺

2011-04-07 | 古い神社や寺で
          山口県、長府(下関市)の金山功山寺。春浅き日、数年ぶりの再訪です。
          この寺、元々臨済宗で長福寺と呼ばれていましたが、長府毛利氏の菩提寺
          となり、戦国時代、武将として名を残した初代藩主毛利秀元の歿後、曹洞宗
          に改まり秀元の戒名を採り、功山寺と改称されました。
          簡素な総門を入り、鬱蒼とした木陰の参道を進むと壮大な山門が現れます。
          その奥、一段の高みにあるのが、禅宗様の代表的建物といわれる仏殿
          (国宝指定)です。
          曲線の美しい桧皮葺き、入母屋造りの屋根。二重屋根の上層は扇垂木、
          尾垂木、下層は配付垂木による木組み、花頭窓、波形欄間など、東京東村山
          の正福寺観音堂、広島の安国寺不動院金堂、あるいは、鎌倉の円覚寺舎利殿
          (常時は非公開)とともに、色濃い禅宗様の特徴を有すると言われます。
          この仏殿は1320年の建立と伝え、これらの中では最も古い。遠く隔たった
          地にあるこれらのお堂の共通性には驚かされる思いです。
          飛び立つ鳥が羽を拡げたような見事な反りを持つ屋根、屋根を支える木組み、
          就中、尾垂木に込められた力の行方には緊張を覚えるほどです。