枯雑草の写真日記2

あの懐かしき日々を想いながら・・つれずれの写真日記です。

当尾の里にある浄土・・浄瑠璃寺に参る

2011-08-12 | 古い神社や寺で
          ここは古くから当尾(とうの)の里と呼ばれた山里。
          今は京都府木津川市加茂町に属しますが、行くには京都より奈良からの方が
          ずっと近いのです。
          浄瑠璃寺、この美しい名を持つ寺。日本全国の多くの寺の中で、その佇まいを
          第一に推す人は多いようです。それは、境内に再現された浄土式庭園に依る
          ところが大きいと思われますが、寺に参る道、野の石仏が点在する当尾の里
          の道行もそれに加勢しているでしょう。
          随分以前、訪ねた時の荒れた細い道は、舗装道に変わっていました。それは
          喜ぶべきことではないかもしれませんが・・

          山門をくぐると、目の前に池(宝池)。池の左手(東岸)に薬師如来を祀る三重塔、
          (浄瑠璃浄土、寺の名の由来とも・・)右手(西岸)に九体の阿弥陀仏を祀る
          阿弥陀堂。東岸を此岸(しがん:現世)、西岸を彼岸(来世)のなぞらえ。
          この寺では、東の薬師如来に参り、振りかえって池越しに彼岸の阿弥陀仏を
          拝するのが習わしといいます。

          三重塔は1178年京都の一条大宮より移建したと伝えます。古い形式を残した
          細身の塔、和様の落ち着いた美しさを表します。(国宝)
          阿弥陀堂は1107年の建立。九体の阿弥陀仏を横一列に安置する九体阿弥陀堂
          として現存する唯一のもの。(阿弥陀仏、お堂ともに国宝)
          猫の寝る表の回廊を避け、裏を回って堂内に入れば、そこは限りない厳粛の場。
          自然に膝は折れ、手は合わさる・・安らかな時が流れていました。