昨年末の12月25日、NHK BSベスト・オブ・ベストの一つとしてでフルトヴェ
ングラーの「ドン・ジョヴァンニ」が放送された。1954(昭和29)年ザルツブルグ
(*)音楽祭ライブのリマスター版である。(モノラル録音)
(*)現地では濁らないで「サルツブルグ」というようである。サルツとはソルツ
(塩)のことである。
<出演>
ドン・ジョヴァンニ;チェーザレ・シエピ
騎士長;デジェー・エルンシュテル
ドンナ・アンナ;エリーザベト・グリュンマー
ドンナ・エルヴィラ;リーザ・デラ・カーサ
ドン・オッタヴィオ;アントン・デルモタ
レポレッロ;オットー・エーデルマン
ツェルリーナ;エルナ・ベルガー
マゼット;ワルター・ベリー
(合唱)ウィーン国立歌劇場合唱団
(管弦楽)ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
(指揮)ウィルヘルム・フルトヴェングラー
1954年といえばフルトヴェングラー最後の年である。11月30日肺炎で亡くなった。
まだ68歳という若さだった。
*畑中先生は昭和27(1952)年30歳、G.ヒュッシュの相手役としてレポレッロを演
じておられる。同じ頃のフィガロの写真を拝見すると「嵐」のようなイケメンだ
った。当時の指揮はグルリットだった。
よくぞこの映像を残してくれた。まずフルトヴェングラーの指揮ぶり。序曲の一拍
目。近衛秀麿がフルトヴェングラーに指揮を教えてほしいといったら、だまって右
手を縦に振り下ろしたらしい。(私の)憶測だが、一拍目だけは必ず縦に振り下ろ
すということがいいたかったのではないかしらん。そんなことを思い出した。
主役のドン・ジョヴァンニ--イタリアから招かれた長身チェーザレ・シエピ
(Bass)がすばらしい!これを超えるドン・ジョヴァンニなんてあるかしらん、と
思えてくる。シエピは昨年7月訃報(87歳)が出ていた。
シエピの「シャンパンの歌」などは何回みてもひきつけられる。演技は歌唱に勝る
とも劣らない。(日本人がやると歌唱そのものを感じてしまうが・・・・・・。)
その他の配役もむろん当時のトップクラス。同じフルトヴェングラーの指揮でもレ
コード(CD)ではリーザ・デラ・カーサがシュワルツコップに替わっている。
レポレッロのエーデルマンは、あのフルヴェンの「第九」でもソロをつとめている
が、当時37歳、演技ともに声は絶好調!である。
ツェルリーナのベルガーは50歳を超えていたらしいが、ツェルリーナらしいみずみ
ずしい声だ。
マゼットのワルター・ベリー(--この人はルートヴィッヒと結婚&離婚したので
はなかったかしらん。)はまだ25歳!若かった。
フルトヴェングラーが振ると、オペラ・ブッファ(喜劇)というよりロマン的な
「人間ドラマ」性が一層増すようだ。
* * * *
トスカニーニ
番組の後半「トスカニーニのワーグナー」も貴重な映像(ええぞ~ッ!)だった。
トスカニーニの指揮ぶりは大変ハッキリしている。まさしくアイン・ザッツであ
る。
非常にテンポのいい、メリハリのきいた、ひきつけられる「完璧な演奏」である。
その分、どうしても情緒がなく、「トスカニーニ大嫌い!」といわれる人も生まれ
るのもしかたない。(ちなみにカラヤンは、昔「ドイツのトスカニーニ」といわれ
たらしい。)
*トスカニーニ嫌いにいわせれば、「完璧な演奏?、それがどうした」ということ
だろう。
トスカニーニは、ヴェルディ、プッチーニもさることながら、ワーグナーも得意と
しており、戦前はバイロイトにも出演したくらいだった。(ちょっとそれるが、ト
スカニーニはベートーヴェンの「フィデリオ」から「囚人の合唱」などもすばらし
い。)
「歌劇“タンホイザー”序曲」
「歌劇“ローエングリン”序奏」
「楽劇“トリスタンとイゾルデ”から“前奏曲と愛の死”」
「楽劇“ワルキューレ”から“ワルキューレの騎行」
ワーグナー作曲
「諸国民の賛歌」
ヴェルディ作曲
(テノール)ジャン・ピアース
(合唱)ウェストミンスター大学合唱団
(管弦楽)NBC交響楽団
(指揮)アルトゥーロ・トスカニーニ
* * * *
竜王戦
1月22日(土)NHK衛星第2 午後8:00~9:30
ドキュメント「死闘 将棋竜王戦 渡辺明対羽生善治」はおもしろかった!
「天才の指し手がもう一人の天才を悩ませる」
「勝ったのは渡辺(26歳) 負けたのは羽生(40歳) またしても永世7冠に手が
届かなかった」
国井雅比古さんのナレーションがよかった。国井さん(61歳)はNHKの嘱託。
(定年再雇用かしらん?)
* * * *
三島由紀夫
18日発売の『音楽の友』2月号「ブル先生の日々是好日~荻窪ラプソディー(22)」
に畑中先生が「三島哀悼その1」を書いておられる。
三島由紀夫が自決した昭和45(1970)年11月25日に、畑中先生は大阪で独唱会を開
いておられたが、三島が死んだショックからステージの途中で歌えなくなってしま
ったことなどが語られている。文人の多くが当日どのような状況で三島の自決を知
ったのかについては、既に書物にまとめられているが、畑中先生と三島の「交流」
は知らなかった。「秘話」といえるのではないかしらん。ぜひご一読を。
昨年は三島由紀夫没後40年であった。
ちなみに当日は水曜日、私は天現寺幼稚園におけるワグネルの練習に参加しており、
練習前に友人から教えてもらい驚愕した。大学1年のことである。
その年の12月のワグネル定演;畑中先生のステージは清水脩の「鎮魂歌」だった。
* * * *
今年のカレンダー 1-2月はルノアール
* * * *
今年の福袋(登山ウェア)
* * * *
私の「取材ノート」(メモ/ネタ帳) 門外不出?
* * * *
母が入院している病院近く 梅が咲きだした(1月22日撮影)
同上(1月23日撮影)
「来ましたよ~」という呼び掛けに、母は目をつむったまま「あ~」と声を出して
くれた。
ングラーの「ドン・ジョヴァンニ」が放送された。1954(昭和29)年ザルツブルグ
(*)音楽祭ライブのリマスター版である。(モノラル録音)
(*)現地では濁らないで「サルツブルグ」というようである。サルツとはソルツ
(塩)のことである。
<出演>
ドン・ジョヴァンニ;チェーザレ・シエピ
騎士長;デジェー・エルンシュテル
ドンナ・アンナ;エリーザベト・グリュンマー
ドンナ・エルヴィラ;リーザ・デラ・カーサ
ドン・オッタヴィオ;アントン・デルモタ
レポレッロ;オットー・エーデルマン
ツェルリーナ;エルナ・ベルガー
マゼット;ワルター・ベリー
(合唱)ウィーン国立歌劇場合唱団
(管弦楽)ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
(指揮)ウィルヘルム・フルトヴェングラー
1954年といえばフルトヴェングラー最後の年である。11月30日肺炎で亡くなった。
まだ68歳という若さだった。
*畑中先生は昭和27(1952)年30歳、G.ヒュッシュの相手役としてレポレッロを演
じておられる。同じ頃のフィガロの写真を拝見すると「嵐」のようなイケメンだ
った。当時の指揮はグルリットだった。
よくぞこの映像を残してくれた。まずフルトヴェングラーの指揮ぶり。序曲の一拍
目。近衛秀麿がフルトヴェングラーに指揮を教えてほしいといったら、だまって右
手を縦に振り下ろしたらしい。(私の)憶測だが、一拍目だけは必ず縦に振り下ろ
すということがいいたかったのではないかしらん。そんなことを思い出した。
主役のドン・ジョヴァンニ--イタリアから招かれた長身チェーザレ・シエピ
(Bass)がすばらしい!これを超えるドン・ジョヴァンニなんてあるかしらん、と
思えてくる。シエピは昨年7月訃報(87歳)が出ていた。
シエピの「シャンパンの歌」などは何回みてもひきつけられる。演技は歌唱に勝る
とも劣らない。(日本人がやると歌唱そのものを感じてしまうが・・・・・・。)
その他の配役もむろん当時のトップクラス。同じフルトヴェングラーの指揮でもレ
コード(CD)ではリーザ・デラ・カーサがシュワルツコップに替わっている。
レポレッロのエーデルマンは、あのフルヴェンの「第九」でもソロをつとめている
が、当時37歳、演技ともに声は絶好調!である。
ツェルリーナのベルガーは50歳を超えていたらしいが、ツェルリーナらしいみずみ
ずしい声だ。
マゼットのワルター・ベリー(--この人はルートヴィッヒと結婚&離婚したので
はなかったかしらん。)はまだ25歳!若かった。
フルトヴェングラーが振ると、オペラ・ブッファ(喜劇)というよりロマン的な
「人間ドラマ」性が一層増すようだ。
* * * *
トスカニーニ
番組の後半「トスカニーニのワーグナー」も貴重な映像(ええぞ~ッ!)だった。
トスカニーニの指揮ぶりは大変ハッキリしている。まさしくアイン・ザッツであ
る。
非常にテンポのいい、メリハリのきいた、ひきつけられる「完璧な演奏」である。
その分、どうしても情緒がなく、「トスカニーニ大嫌い!」といわれる人も生まれ
るのもしかたない。(ちなみにカラヤンは、昔「ドイツのトスカニーニ」といわれ
たらしい。)
*トスカニーニ嫌いにいわせれば、「完璧な演奏?、それがどうした」ということ
だろう。
トスカニーニは、ヴェルディ、プッチーニもさることながら、ワーグナーも得意と
しており、戦前はバイロイトにも出演したくらいだった。(ちょっとそれるが、ト
スカニーニはベートーヴェンの「フィデリオ」から「囚人の合唱」などもすばらし
い。)
「歌劇“タンホイザー”序曲」
「歌劇“ローエングリン”序奏」
「楽劇“トリスタンとイゾルデ”から“前奏曲と愛の死”」
「楽劇“ワルキューレ”から“ワルキューレの騎行」
ワーグナー作曲
「諸国民の賛歌」
ヴェルディ作曲
(テノール)ジャン・ピアース
(合唱)ウェストミンスター大学合唱団
(管弦楽)NBC交響楽団
(指揮)アルトゥーロ・トスカニーニ
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竜王戦
1月22日(土)NHK衛星第2 午後8:00~9:30
ドキュメント「死闘 将棋竜王戦 渡辺明対羽生善治」はおもしろかった!
「天才の指し手がもう一人の天才を悩ませる」
「勝ったのは渡辺(26歳) 負けたのは羽生(40歳) またしても永世7冠に手が
届かなかった」
国井雅比古さんのナレーションがよかった。国井さん(61歳)はNHKの嘱託。
(定年再雇用かしらん?)
* * * *
三島由紀夫
18日発売の『音楽の友』2月号「ブル先生の日々是好日~荻窪ラプソディー(22)」
に畑中先生が「三島哀悼その1」を書いておられる。
三島由紀夫が自決した昭和45(1970)年11月25日に、畑中先生は大阪で独唱会を開
いておられたが、三島が死んだショックからステージの途中で歌えなくなってしま
ったことなどが語られている。文人の多くが当日どのような状況で三島の自決を知
ったのかについては、既に書物にまとめられているが、畑中先生と三島の「交流」
は知らなかった。「秘話」といえるのではないかしらん。ぜひご一読を。
昨年は三島由紀夫没後40年であった。
ちなみに当日は水曜日、私は天現寺幼稚園におけるワグネルの練習に参加しており、
練習前に友人から教えてもらい驚愕した。大学1年のことである。
その年の12月のワグネル定演;畑中先生のステージは清水脩の「鎮魂歌」だった。
* * * *
今年のカレンダー 1-2月はルノアール
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今年の福袋(登山ウェア)
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私の「取材ノート」(メモ/ネタ帳) 門外不出?
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母が入院している病院近く 梅が咲きだした(1月22日撮影)
同上(1月23日撮影)
「来ましたよ~」という呼び掛けに、母は目をつむったまま「あ~」と声を出して
くれた。
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