人生ブンダバー

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第25回早慶交歓演奏会

2008-06-22 08:23:05 | 音楽
6月21日(土)昭和女子大学人見記念講堂。

早慶交歓演奏会も25回目だという。2年に一度の開催だから始まって約50年であ
る。演奏会の名前だけでは分からないが、男声合唱の演奏会である。

エール交歓
1.早稲田グリー  荻久保和明 「 IN TERRA PAX 地に平和を」
              指揮:荻久保和明、ピアノ:渡邊純子
2.慶應ワグネル  F.リスト  男声合唱とピアノのための「愛の夢」より 
              指揮:畑中良輔、ピアノ:谷池重紬子

エール交歓でその日の合唱の人数が分かる。早稲田グリーは56人、慶應ワグネルは
26人。

1.は作曲家(55歳)の自作自演ステージ。指揮棒は持っていたが、譜面はなし、暗
譜である。この人の指揮は昔四連の合同演奏だったかしら、見た(聴いた)記憶が
ある。その時はオーバーアクションに過ぎると思ったものだったが、今回聴いた印
象は、情熱的でエネルギッシュな指揮には変わりないが、ベトナム戦争を題材にし
た曲もよく、いい指揮、いい演奏だった。

プログラムの歌詩を見ながら聴いていたが、ホールのせいか発声のせいか、時々言
葉の語尾が聴こえなくなることがあった。日本語の合唱を美しく歌う永年の「ノウ
ハウ」は情報共有化されているのだろうか?


2.はF.リストの歌曲を男声合唱に編曲したもの。畑中先生お得意の19世紀ロマン派
の世界である。リストは19世紀に生まれ、19世紀に亡くなっている、文字通り19世
紀の人である。

4曲のうち最初がフランス語、あと3曲がドイツ語の歌詩。4曲中3曲が「愛の詩」で
あった。最後の「おお愛しておくれ(愛の夢)」はピアノ曲としても有名である
が、終盤に最初の歌詩に戻り、「いつまでもいつまでも 愛しておくれ!愛したい
ならずっと愛しておくれ!」と歌う箇所は大変な集中力を発揮した。

ピアノの谷池さんはリストをこともなげに弾いていたが、一般の合唱団ではこれだ
けのピアニストを探すのは当然難しいだろう。


合同演奏は、関学の広瀬康夫氏による「黒人霊歌集」。黒人霊歌 negro spiritual
はアメリカの奴隷制とキリスト教の出会いから生まれたものである。

歌われた7曲の中では「深い河」や「そこにいたのか?」などアダージオ系が、心
にしみいる演奏(黒人の悲しみ!)だった。中でも「彼らが主キリストを十字架に
つけた時、あなたはそこにいたのか?あなたはそこに?ああ、しばしば私はそれを
思うと震えてくるのだ」と歌う「そこにいたのか?」には感動した。

リズムが細かく、速い曲はやや縦の線に乱れがみられたが、いいステージだった。

なお、聴衆は、2階をクローズした会場に7割程度の入り。もう少し入ってほしかっ
た。

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2 コメント

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学生数 (katsura1125)
2008-06-25 07:27:23
早稲田が約4万5千人に対して、慶應は約2万9千人なんですネ。(大学院学生を除く。)ワグネル、今年の新入部員は18人と聞きました。
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広瀬康夫さん (間瀬 譲)
2008-06-24 21:34:15
関学の広瀬さん、小柄ですが北村先生そっくりのダイナミックな指揮をされます。ダーク先生から声楽も学び声も素晴らしいです。昨年OB四連で同じ曲を振って頂きました。それにしても現役は少ない。早稲田は登録は200人いるというから凄い。学生数が慶応の倍ですから(正確には?)他にも男声合唱団があるのも早稲田らしいです。ワグネルも最低40人は欲しいところです。
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