5月3日(金・祝) GWの後半スタート。最高気温は20℃以下の肌寒い日、
池袋の東京芸術劇場コンサートホールで六連(男声合唱)を聴いた。
東京芸術劇場は、昨年(平成24年)9月リニューアルオープンになったが、
コンサートホールで演奏会を聴くのはリニューアル後初めてかしらん。
午後3時6分の急行に乗り、現地には3時50分に到着した。
座席は希望どおり通路側の2階 I-50。のんびりプログラムを読んでいると
隣の席に後輩Bさんがやってきたので、しばらく談笑。このGW、Bさんも遠
出はしないという。会場には吉川会長はじめOBの顔も見える。
この日は4時半開演予定だったが、4時半近くなって「ただいま入場が混み
あっております。開演は4時45分の予定です」というアナウンスがあり、会
場が「え~」とどよめいた。
<プログラム>
エール交歓
1.東京大学音楽部合唱団コールアカデミー(プログラム上のメンバー;18人)
「mass for 3voices(三声のミサ)」 作曲;W. Byrd 指揮;有村祐輔
2.立教グリークラブ(35人)
「わがふるき日のうた」 作詩;三好達治 作曲;多田武彦 指揮;高坂徹
3.早稲田グリークラブ(52人)
「Waseglee Over the World!--早稲グリからWasegleeへ--」
指揮・編曲;広瀬康夫 伴奏;前田勝則
--休憩--
4.法政大学アリオンコール(12人)
「修二會讃抄》 作曲;柴田南雄 指揮;田中信昭
5.慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団(35人)
「男声合唱組曲『雨』」 作詩;大木惇夫他 作曲;多田武彦 指揮;辻博之
6.明治大学グリークラブ(32人)
「三つの時刻」、「路標のうた」 作詩;丸山薫、木島始 作曲三善晃
指揮;田中豊輝 伴奏;村田智佳子
--休憩--
合同演奏
「縄文ラプソディー」 作詩;宗左近 作曲;荻久保和明
指揮;当間修一 伴奏;木下亜子
以下、この日、思いつくままに、つたないコメントを。(--できるだけ「よかっ
た」、「すばらしかった」、「よくなかった」を使わないように。)
*万一の誤字等(if any)はおって訂正します。
エール交歓
・東大 初めて聴く曲かしらん。プログラムに訂正折込がはいっており、「た
だひとつ」という曲だった。
・立教 「栄光の立教」もいい曲だが、「St. Paul's~」はさすがにうまい。
・早稲田 最近、「(われらが母校の 名をば)たたえん」を強調しすぎ。
・法政 指揮者も加え、11人でよく歌っていますね~。昭和5年、新しい時
代の校歌。
・慶應 塾歌は他校にもファンが多い。正統的な演奏。
・明治 大正9年、山田耕筰の作曲。いかにも明治らしいですね~。
上手寄りの山台(2段目)がガタガタと壊れそうで、エールが終わるや二人が
かりで手直しがなされた。(こんなことがあるんですね~。)
1.東京大学音楽部合唱団コールアカデミー
「mass for 3voices(三声のミサ)」 作曲;W. Byrd 指揮;有村祐輔
横一列にベタに並んだ。有村先生は大きな楽譜を自ら抱えて登場。学生
はむろん暗譜。透明感のある発声。アタッカで続けた。ウィーンかザルツ
ブルクの教会にいる気分。ミサ曲が歌える団体は意外と少ないかしらん。
有村先生と東大らしい演奏だった。東京芸術劇場は音響がよくなった、カ
ナ。
2.立教グリークラブ
「わがふるき日のうた」作詩;三好達治 作曲;多田武彦 指揮;高坂徹
高坂先生は暗譜、流れるような、大ぶりの指揮。いつもながら子音、言葉
を大切にした、よくハモる、いわば合唱らしい合唱。堂々としたバリトンソロ。
「Enfance finie(過ぎ去りし幼年時代)」には泣かされた。「木兎(みみず
く)」は、詩人らしい詩で、「沙羅」でいえば「行々子」である。三好達治は、
戦時中をはさみ、ややこしいというか複雑な人生だった。(63歳で亡くなっ
ている。)終わるとブラボーの嵐に、最後は先生も含めた全員がおじぎで
応えた。
3.早稲田グリークラブ
「Waseglee Over the World!--早稲グリからWasegleeへ--」
指揮・編曲;広瀬康夫 伴奏;前田勝則
女性アナウンスの曲目紹介「Over the World」がネイティヴの発音で
会場がどよめいた。広瀬先生らしい、動きのあるステージ。暗譜の指揮。
お上手なピアノだな、と思ったら、前田先生だった。3曲目「帰れソレント
へ」には下手から小貫先生がブレザー姿で登場、ワンフレーズを歌った。
文字どおり、世界一周の、楽しい気分。英語、独語、仏語、伊語等、発音
はどれがよかったかしらん。アンコールもダンス付きで一曲(--何とい
う曲だったのかしらん)。歌い終わる前に盛大な拍手が始まった。全体とし
て、やりたい放題(?)の例年の六連ステージよりステージらしいステージ
だったのではないかしらん。
--休憩--
同期のMさんが私と会うやいなや
「その(長いクルクルの)髪(笑)、どうしたん~?会社には行っているの?」
4.法政大学アリオンコール
「修二會讃抄」 作曲;柴田南雄 指揮;田中信昭
私が学生時代、柴田南雄さんと田中先生が「新しい曲」を作っておられた。
当時はボーっとしていてなんとも思わなかったが、東大寺二月堂「お水と
り」の「合唱」である。田中先生は曲目解説に登場。「・・・・・・では話はあまり
おもしろくないから聴いていただきましょう」と曲の説明を終えると客席へ。
(田中先生のお話はアジがありますね~。)10人がいすに座っての演奏。
よく練習してあった。こちらは東大寺にいる気分。録音が欲しい。
5.慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団
「男声合唱組曲『雨』」 作詩;大木惇夫他 作曲;多田武彦 指揮;辻博之
昨年の「雪明りの路」に続き、声楽ご出身の辻先生を招いての演奏。ワグ
ネルと「雨」の相性ははたして?デュナーミクが大きく、歯切れいいところ
と一転流れるところと、息の長いクレッシェンドと、おおげさにならないアゴ
ーギク、大きな造型というのかしらん、大人の「雨」だった。浮き出してくる
パートが絶妙。5曲目の「(これは、眼をひらいて見る)夢なのか~」の
smorzandoにしびれた。言葉さばきというより、楽譜にないアーティキュ
レーションもいろいろなことをやっていたのではないかしらん。
(どちらかといえば)北村先生より多少福永先生に近いかしらん??Topも
前面一辺倒ではなく、頭の上に響かせてつつ、力まずに「強い声」を出して
いた。(カウフマンというよりもフォークトかな?)
終曲の「雨」--ソロもよく歌っていた。辻先生の手が止まり、10秒ほどし
て、両手が下されると、余韻の後に大きな拍手が来た。pppの終わりには
「下品なブラボー」がなくてよかった(笑)。
これもCDを注文したくなった。辻先生は上手で学生を讃え、再登場後、下
手でも学生に拍手を送った。お隣Bさんも「よかったですね~」。
6.明治大学グリークラブ
「三つの時刻」、「路標のうた」 作詩;丸山薫、木島始 作曲三善晃
指揮;田中豊輝 伴奏;村田智佳子
三善晃ワールドといえばいいかしらん。その昔、福永先生が同志社グリー
(!)で「三つの抒情」を演奏したことを思い出した。「路標のうた」は二群
の合唱。“音の整理”が少し必要な部分があったのではないかしらん。こ
ういう曲カナ?よく練習され、まとまっていたが、メンバーがもう少し、40人
はいるといいのだが・・・・・・。拍手は大きかった。
--休憩--
合同演奏
「縄文ラプソディー」 作詩;宗左近 作曲;荻久保和明
指揮;当間修一 伴奏;木下亜子
当間先生は、大阪にあって「大阪コレギウム・ムジクム」の主宰者、バッハ
の研究で有名で、私は勝手に、ザッハリッヒな、古楽的なイメージを持って
いたが、微温的な演奏と対極の、パトスにあふれた、スケールの大きい合
唱を聴かせてくれた。ピアノは大変お上手だったが、トゥッティの合唱での
フォルテでは伴奏が聴こえなくなった。
合唱は150人以上のオンステメンバーすべてが暗譜だった--暗譜の効
用!濁らなかった。
終演は午後8時。3時間半の演奏会に、私はグッタリ~。
しかし、今年の六連はたいへん粒がそろっており、楽しめた演奏会、さっそ
くCDを注文した。このCD、送料込1500円という安さである。
指揮者は、すべて、「声楽科」ご出身、または合唱経験が長い方々だった。
どの大学でも、発声的な指導をしつつ、(合唱)曲を作っていかれたのでは
ないかしらん。各ステージを聴きながら、そんなことも考えた。
一方、プログラムに目についたミスが何箇所かあり、チョット残念だった。
当日のプログラム
午後3時6分の急行
副都心線渋谷駅 始発駅でなくなって・・・・・・
これより東京芸術劇場への地下通路
「池袋にハワイがやってくる!」東京フラフェスタin池袋2013
祝日も占いに訪れる人々 男性が占ってもらっているのは見たことがない
五黄土星;シビアな展開になりやすいが闘志はあり・・・・・・(株の話?)
東京芸術劇場のポスター 三谷幸喜作・演出
ロシアのテミルカーノフ
GWらしい大道芸
この上がコンサートホール
2階の座席より
2階、3階
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発声は、DFD(ディースカウ)ではないですが、「完璧な発声」というものはなく、一生の課題ですね~。
選曲の応じていろいろな発声ができるといいのですが・・・・・・。