くちこは、一人っ子なので両親を看取りました。
父は15年、母は8年半病人でした。
ほぼ、時を同じくして、最初の結婚での義父母の介護もしました。
此処に書き切れない程のいろんな事があり、いろんな傷も残りました。
人生は、無常。
常など無い。
波乱が多かったな。
43歳で離婚、50歳で再婚。
新たな義父母が発生。
ご挨拶に伺った時は健在だった二人でしたが、
その後すぐ、義父が他界。
義母は、アルツハイマー型認知症に。
親の介護は、これで五人目。
神様から貰った宿題が、なかなか合格できなくて、
くちこの肩には、いつも親の介護が。
義母は、昔、有名な鬼姑だったそうです。
その為もあり、夫は離婚を経験。
嫁を守れなかった夫が一番悪いと、夫には言ってありますが、
夫は、「母は嫁を虐めて追い出したのだから、
誰にも看て貰えないのは自業自得だ」と。
くちこと義母の関係は常に良好で、
世界一の嫁ということです。
注)既に、認知症の義母の言葉です。
59歳で他界した父と同じ昭和三年生まれです。
今度こそ、温かくて良心に溢れた介護をしようと思ったくちこでした。
認知症がある人の介護は大変なのは承知。
仕事柄、沢山看てきたし、
くちこの母も、最後4.5年は認知症でしたから、
今度は上手に頑張る決意をしたくちこでした。
人の情。
これ、平均値ってあるんだろうか?
勉強すれば、知識が身につく。
人の情は、どうしたら身につくのだろう?
元夫の姉弟達、両親に対してあり得ない冷たさでした。
現夫の姉弟達も、くちこから見たら同じです。
子供に対して、
どれほどの罪を重ねたら、
子供から、こんな目に遭わされるのだろう?
一体、どれほどの罪を犯した結果なのだろうか?
くちこには計る術もありません。
くちこは、義母、結構好きなんです。
認知症は面倒なことも多いし、
家の片付け等々、目眩がするほど大変ですが、
それでも、義母に対して情も責任も感じています。
だけど、やはり、先を考えて、線引きしました。
ここまで、と。
昨日、特別養護老人ホームに入所させました。
言っても言っても、1分もしない内に忘れてしまう義母。
それでも、くちこは、欺すような言葉で入所させたく無かった。
義母の中に残っている筈の本来の義母に誠実に向かい合いたかった。
とても眺めの良いホームの庭を母とくちこと二人で歩きました。
嫁なのに同居できなくて、
嫁なのに夫の実家で夫の母の世話をする暮らしをしなくて、
此処まで、と、線引きして、入所することにしたことを詫びました。
「ごめんね。
今日から、此処で寝泊まりするんよ。」
「あんたには、よくして貰って嬉しかったよ。
此処に連れてきてくれただけで、もういいよ。」
海を見下ろしながら、二人だけで話しました。
多分、くちこの話、すぐに忘れてしまうのだけれど、ね・・・
入所前に、義母と夫とランチしました。
重箱に二段、料理がぎっしり入っていて、
別に、刺身の盛り合わせは、あさりのバター焼きも頼みました。
これからは、食べられないかな、と。
デザートは、宇治金時にしました。
美味しい美味しい!
今日は嬉しい!
大喜びで完食する義母が不憫で・・・
姥捨て山に親を捨てに行くような罪悪感が・・・
ああ、くちこは、またも神様から不合格の判定が
でもね、母は上機嫌で楽しそうに過ごしていました。
みんなと仲良くおやつを食べていました。
居室は、海を眺められる窓側で。
それが、くちこの救いです。
此処が終の棲家なのですから
引っ越し早々、重い話でソーリー!
未だ未だ慣れない新居で、あたふたしています。
こんなくちこの成長を長い目で見守って戴けると幸甚です。
P.S
ところで、みなさん、お月見されましたか?
くちこは、ばっちり