これは、二年半前、入院中に読んだ本です。
「ワイルド・スワン」
淡々と、猛烈に重い、残酷な内容が書かれていました。
なので、今回、この本を読むには勇気と気力が必要なことは解っていました。
読むこと、知ることを避けて通って、極楽とんぼチックに生きる方を選びたいと思いつつも、
事、内容が産婦人科であることが、くちこの背中を辛うじて押したという感じです。
8年間の産婦人科時代、くちこなりに、見てきたこと、感じてきたことがあるのでね。
中国の裏側、その非道さを知る一人になるべき責務のようなものも、うっすら心にあったりして。
ある程度予想していたので、
もちろん、その残酷さ、極悪非道さは凄まじいものでしたが、
案外、サクサク読めました。
先ず、自分が56歳であると、
この過去の話が、自分の生きていた時代と重なることに衝撃を受けました。
くちこは、1958年生まれ。
文化大革命は、1966年→1976年。
毛沢東は、1893年に生まれ、1976年に死亡。
くちこは、その気になれば?この目で見ることができた訳です。
思い返すと・・・
中学時代の体育の先生が、思いっきり共産党だった気がします。
保健体育の授業は、いつも政治的な話ばかりでしたから。
そして、いつも手には、毛沢東語録がありました。
ちょうど、神父さんが、聖書を片手に持っているように・・・
毛沢東を崇拝していたんだと思います。
くちこ達は、日本政府に対する批判を常に聞かされていました。
まっさらで、真っ白な頭に織り込まれる感じだったかも。
こういう教育が昂じると、「洗脳」されるんだろうな・・・
と言うことで、くちこは、なんとなく、毛沢東は偉大な人とすり込まれていた訳で、
後に、その本場中国で突然、「毛沢東批判」が採択された時には、
あれ?と、突然、白を黒と言われたような驚きでした。
別に、崇拝していた訳では無いけれど、少なくとも中国人にとっては神様のような人だと思っていたので。
1989年、天安門事件の報道を見て、やっと、薄々!理解した次第です。
事件に対する報道規制の凄さに、やっと、抑え付けられているんだな、と実感しました。
常々、真実って何だろうって思うくちこです。
無限数の隠しカメラの映像でも残っていない限り、
真実は、その立場によって白にも黒にもなる・・・
そこには、思想や洗脳も絡み、記憶だって変化する。
後日談として聞くだけの身としては、その思想や立場からの話しか聞けないのだから。
さて、一人っ子政策。
文化大革命の政策の一つみたいです。
この革命の犠牲者は数千万人で、
その数千万人を迫害した加害者は、一億人とか・・・・
さすが中国?
規模が違うわ。。。
一人っ子政策の残忍さも凄い。
これって、お国柄もあるのかなあ、と。
日本だって、残忍なことは沢山してきたと思うけれど、
その残忍さ、なまじ人口が多いせいか、
人の命の価値が全く無い感じ。
そして、この文化大革命について、
中国の子供達は学校で習わないそうです。
国の方針で、
知らずに大人になる。
そして、別の洗脳を受ける?
ふうむ。。。
産婦人科時代、何人かの中国人の出産に立ち会いました。
一人っ子政策は知っていましたが、
基本的に、中国は儒教思想の強い、
親を敬う、辛抱強い国民って思っていたんです。
が、
まああああ!
皆さん、わがままな産婦さん達でした。
関わったのは数人ですけれどね。
親は子供の使用人という感じでした。
我慢もできない。
お産って、素顔がごまかせないから、ね。
ざっくり、月に50人位のお産がある病院でしたが、
インド人、アメリカ人、フィリピン人、タイ人、
色々とご縁がありましたが、
わがままさは、中国人がピカイチだった気がします。
それが、最初は意外で、
その内、ああ、一人っ子政策の弊害なのかと理解した訳です。
ま、
その、
くちこも、一人っ子なんですけれどね(^_^;)
中国。
あれほどの文化を持っていた国なのに。
美術工芸、文芸・・・秀逸なのに・・・
反面、こんな理不尽なことを延々続けてたんだなあ。
と、
徒然もの思うくちこでした。
注)
くちこは、基本、政治的知識が欠落しているので、
上記が絶対に正しいと言い張るつもりはありません。