くちこは、禅宗(臨済宗)の家に生まれ、50歳で再婚するまで、ずっと禅宗。
が、
再婚先は、浄土真宗。
どうも馴染め・・・ない。
早々にサメ父が他界して、その葬儀に参加。
ほぼ知らない家の、ほぼ知らない仏壇で、知らないお経、知らないお坊さん・・・
再婚したからと言って、此処に入るのは違う。
そう実感して、方針を決めたくちこです。
サメ氏とは、生きている間だけの縁。
ちゃんと、サメ氏にも、その息子達にも、ご近所さん達にも、宣言してあります。
くちこは死んだらくちこ家の墓に入り、くちこ家の菩提寺のお世話になる、と。
両親のいる墓に入り、くちこは死んでもくちこのように過ごす予定です。
サメ氏の次男が亡くなった時に、
サメ家の菩提寺のお坊さんは、用事があるからと、葬儀には行かれない。
ただ、それだけでした。
本当に、ただ、それだけ。
もちろん、寄付だとか、会費だとか、きちんとしてきました。
代替わりして、若い独身のお坊さんが一人でやっておられるのですが・・・
多分、サメ家は、空き家ってイメージ?
役員さんからの集金以外、何の連絡も無い関係なんです。
サメ氏は、次男の時のことを根に持っていて、へそを曲げている。
もう、来なくて良い、と。
通常、お寺から、日時の知らせがあって、お経をあげに、各檀家を周る感じ?
でも、サメ家は、スルー・・・
理由は不明。
まあ、お寺の行事に参加しないから?
サメ氏を何度も説得して、
こちらから電話を入れて、サメ家の仏壇に来ていただく。
報恩講に。
これもね、馴染みの無い言葉なんだなあ・・・くちこには。
それでもね、日頃、空き家になっている家にある仏壇。
お鉢も上がらないし、
お線香も上がらないし、
ほぼ、放置された仏壇なのでね。
せめて、年に一度、この仏壇に向かってお経が唱えられること。
僅かでも、救いになれば、と。
不肖なこと甚だしい嫁ですが、せめてもと、画策。
サメ家は、誰もあまり気にしない感じ?
義妹達も、サメ家の留守宅に入り、毎年餅つきをして帰りますが、
仏壇にも、神棚にも、お餅一つあげていないし。
法事に来ても、仏壇には手を合わさず用事だけ済ます感じで。
時代なのか、
家風なのか、
歴史の浅いくちこには、とても計り知れない世界です。
何事も、見えていることは氷山の一角でしかないのでしょうから。
ただね、
報恩講のお経で、嫁としての罪一等が減じられることを期待しているんです。
日頃空き家なので、準備は大変なのですが・・・
義母が済んでいた頃に比べたらずっと楽です。
コバエ一万匹で視界が一瞬で真っ黒になったことに比べれば、ね。
それよりも・・・
お坊さんが来られるまで、このエリアから離れられないのなら、
やるなら、今だわ
今しなかったら、死ぬまでしないかもだし
この家には、階段が六個あると聞いていますが、
くちこが知っているのは五個。
六個目、どこだか、気にしません。
が、
この仏間の隣の階段、制覇しよう。。。。
サメは一度も上がったことが無いそうで。
何度か、入口の戸だけ開けたことはあるのですが・・・
サメが言うには、電灯は無いだろう、と。
階段途中で、一旦、リタイア
何十年も誰も?
凄い埃、草鞋なんかも、小汚く転がっていました。
そして、塗り箸が三本、さりげなく置いてあるのも、流石、サメ家です。
ラジカセの箱を持って降りて、
「持って帰って捨てておこうか?」
サメ、無言。
「元の場所に置いておこうか?」
「うん!」
遺伝なのか、家風なのか、これは・・・氷山・・・ですから。
再トライ
箒と雑巾片手に、一段ずつ拭きながら上がりました。
みんなが二階と言っていたけれど、
これは・・・小屋裏だわ。
裸電球がありました。
サメ家の汚さには慣れているのでね。
どんなに埃が積もっていても、
ネズミが活躍していても、そんなの「屁」です。
新品らしく袋に入ったままの・・・アルミの洗面器があったので、それだけゲットして脱出しました
制覇
義母やサメが汚くした部屋より、ただ、時間が経過して埃が積もった部屋の方がマシ?
それが、新たに得た実感。
同日の、サメが散らかした一室↓
あの小屋裏も、この一室も、くちこの選択は「放置」
十年も経つとね。
無理、無駄、無意味を厭と言うほど体験済み。
さて、めでたく、読経。
ちなみに、くちこは霊感体質、心眼が若干開いているらしい。
最初は、とにかく、バラバラな空気でした。
先祖、お坊さん、くちサメ、まるで連携していない。
音声として読経があり、そこに、それぞれが居る。
途中で、急に、お経がまっすぐ天に向かった太い円柱になり、
すぐに、くちこの体が固まり、最後まで、一ミリたりとも動かない。
足なんて、全く痺れません。
足の存在も感じないと言うか・・・
よくわからないけれど、
報恩講、上手くいったような気がしました。
ただね、
読経の途中で、声?が降りてきました。
「何一つ、持ち出すな」
ああ・・・
そう。
はい。
もう、小屋裏には上がりません。
変な話ですみません。
読み流して忘れてください。
ついでに思い出した話は、
去年の、くちこ家のお盆勤めの時のこと。
くちこ家の菩提寺の本堂。
くちこ家の位牌全てを並べ、
読経。
居並ぶくちこ家一族全員。
と言っても、いつもの九人。
くちサメ、三人の子、その連れ合い、その子供。
お経が済むと、孫たちの近くに、大きく立派なオニヤンマが一匹。
孫達のされるがままにじっとしている。
死んでいるのか?
弱っているのか?
黙ってお坊さんが、自分の掌に載せました。
みんながじっと見ていると・・・
しばらくして、一気に天に昇っていきました
とても力強く
何か気になって、帰宅後調べたら、先祖は、オニヤンマに身を変えてお盆に戻ってくる・・・
とか、書いてありました。
なるほど。
だからか。
お坊さんは、知っていたのかなあ?
孫姫に羽を撫でて貰って嬉しかったかしら?
見えぬけれどもあるんだよ。
見えぬものでもあるんだよ。
とにかく、報恩講の後、昼食。
相変わらず、能天気なサメ。
その後、超遅れてしまった冬支度をしていたら・・・
どんどん気分不良になったくちこ。
どうにか、炬燵を作り、冬布団を出して、ダウン
温泉に寄って食事をして帰る予定でしたが、すべて中止
毎度感じることですが、
サメ家のマイナスオーラが凄い
散らかった家。
不潔な家。
空気が滞り続けている家。
以前は、どうにか太刀打ちしていましたが、
どんどん、無理になりました
元々、捨てたくない、
片付ける必要を感じない、
換気の習慣が無い、
いつもの家として、何も問題に感じないサメが、くちこの夫な訳です
オニヤンマさーーーーんっ
ヘルプ、くちこ