川越だより

妻と二人あちこちに出かけであった自然や人々のこと。日々の生活の中で嬉しかったこと・感じたこと。

相原求一朗 北の十名山

2010-01-06 06:20:01 | 映画  音楽 美術など
 1月5日(火)晴れ 風やや強し

 川越市立美術館で「相原求一朗<北の十名山>」の特別公開が始まるというので早速行ってみた。僕が二番目の入場者、か。

 広くもなければ狭くもない部屋に<北の十名山>が並ぶ。ほかの絵はない。


○春の岳稜 トウムラシ山、○雪の平原 十勝幌尻岳、○春宵 斜里岳、○山頂残雪 雄阿寒岳、○水ぬるむ 雌阿寒岳、○錦繍装う 羅臼岳、○早暁 十勝岳、○山峡新緑 羊蹄山、○山麓紅染む 旭岳、○潮騒に屹つ 利尻岳

 一つ一つの絵に言い知れぬ感動がある。十枚の絵に囲まれているといつまでもいつまでも立ち去りがたい。まるで大自然のただなかにいるみたいだ。

 ほとんどの作品が1995年からの一年間で描かれたもののようで、作家の最晩年の作品だ。
 この方は徴兵によって21歳からの5年間を中国東北部やフィリピンで過ごし九死に一生を得て奇跡的に生還したという。画風に迷う時期があったが、1961年狩勝峠からの雄大な景観に感動した時から北の大地に取材した作品を発表するようになったとのことだ。

 大自然に魅了され救われた作家の感動と喜びが伝わって来て涙が出そうになる。

 今も川越にある「埼玉糧穀」という会社の経営をしながら絵を描き続けたという。生まれは元町二丁目というから我が家からも近い。
 

  苦悩の軌跡・晩年結実の半生たどる http://www7b.biglobe.ne.jp/~koedo-shimbunsha/Pages/AiharaKyuichirouten.html

 感動が冷めやらぬまま、伊佐沼のほとりで昼食とする。どういうわけか、伊佐沼には水がない。魚たちはどうしたのだろう。