昨日(24日)は定期検査のため午後、癌研有明病院へ往復。CT検査は正味10分ほどです。片道2時間ほどはいつも寝ていますが昨日は珍しく、往きは「東京新聞」、帰りは「週刊朝日」を買って読みました。
「東京新聞」(2月24日)に面白い記事がありました。全文を記録しておきます。
この記事はリビアという国のあり方を正しく記述しているのだろうか。正しいとしたら語弊はあるが「面白い」。こういう国を何というのだろうか。「部族連合国家」?「大和朝廷」が覇権を確立して「律令国家」を作る前のこの列島の様子を想像すればいいのだろうか。
「辞任しようにもそもそもポストがない」。僕にはちょっと「カルチャーショック」だった。「辞任」はあり得ないから「殺害」か「逃亡」以外にないという。なるほど、そうか。「近代国民国家」観にとらわれてしまって世界が見えなくなっているなあ。
「私人統治の疑似国家リビア」「省庁機能せず、軍も私兵」「高まる内戦の恐れ」
【カイロ 内田康】リビアの最高指導者カダフィ大佐が22日夜の演説で「デモ参加者を根こそぎ掃討する」と断言したことで、内戦に陥る危険性が高まっている。リビアではもともと各地の部族長の力が強い。さらに各省庁は未整備で、政府の統治能力も低いのが実情だ。軍はカダフィ氏個人に忠誠を尽くす「私兵」に近く、エジプト政変で国軍が果たしたように、事態沈静化の仲介役を期待することは出来ない。
●カダフィ氏は演説で「私は大統領でも首相でもない。辞任しようにも、そもそもポストがない」と話した。
同氏は軍籍を抜けて久しく、元軍人に敬意を表すリビアの習慣から、無血クーデター(1969年)を成功させた際の階級だった「大佐」と呼ばれているに過ぎない。本人が語った通り、国家を代表する肩書きはなく、外交筋は「法的に言えば民間人」と説明する。
●「人民の直接統治」という独自の革命思想を掲げるカダフィ氏は政府の存在を「本来は必要ない」と見なしており、実際に各省庁は機能していない。
●何ら法的な裏付けがないまま最高権力者として君臨するカダフィ氏は、家族や側近らと国家の原油利権を独占。この利権を有力な部族長に配分し、リビア全体を統治してきた。
●国会に相当する全人民会議は同氏の政策の追認機関であり、リビア軍も事実上、民間人のカダフィ氏が指揮する「私兵集団」だ。
●エジプト政変では国軍が当時のムバラク大統領に無言の圧力をかけ、辞任を迫ったとされる。軍の最高指揮官である大統領には法律で定められた権限があり、その地位は交代可能だからこそ、軍はムバラク氏との間に距離を置いた。指揮官の交代が想定されれば、国民に銃を向けることは出来なかった。
●リビア騒乱の背景には、各部族間の貧富の差があると言われる。カダフィ氏による利益配分が機能不全になり、発言力のある部族長が「反カダフィ」に回ったことで、リビア軍兵士の一部も、カダフィ氏側に銃口を突きつけ始めている。
●カダフィ氏は「最後の血の一滴まで戦う」とも語った。一方、反政府勢力はカダフィ氏に「退陣」を求めるが、同氏に辞任する法的な地位がない以上、退陣とは、殺害か、力による国外追放を意味する。外交筋は「リビアでは今後、おびただしい量の血が流れるだろう」と天を仰いだ。