きのうは港区の三田で午後から夜遅くまで友人たちと議論をしました。在日コリアン問題にこの40年関わり続けてきた6人衆です。このところ川越に引っ込んでばかりの僕には久しぶりの会合で嬉しいひとときでした。移民国家への開国、北朝鮮帰国者・日本人妻問題…。自分に出来ることは何か、珍しく緊張して考えさせられたひとときでもあります。市民としての活動を「病欠」しているような僕ですがそろそろ社会復帰が出来るのでしょうか。
「北朝鮮は第二のリビアになるか」という五味洋治さん(東京新聞記者)の記事を読みました。
「残念ながらその可能性はきわめて低い」というのが五味さんの見立てで次の四つの理由を挙げています。
① まず、ネットが全く普及していないことだ。北朝鮮の教育機関にはネット網があると言われるが、国外とは接続されていない。金正日総書記やごく限られた指導層、朝鮮中央通信、ロシアや中国大使館といった特定機関以外ではネットは使えない。最近は、韓国ドラマが韓国とほぼ同時に北朝鮮に流入すると言われているが、DVDという形で持ち込まれており、外部世界から遮断されている。フェイスブックもツイッターも使えない。携帯は普及し、ショートメッセージも可能だが、プリペイド式でネット接続はできない。
② 2つめは徹底した思想教育だろう。労働者は火曜、水曜、金曜、土曜日が学習の日になっている。毎日2時間みっちり党の機関紙である労働新聞などを読まされ、自己批判などが行われる。毎年正月に労働新聞などが掲載する、その年の方針を定めた長文の「新年社説」は完全暗記させられるという。金総書記と父親の故金日成主席は、神格化されている。その存在を否定する人間は、即、収容所送りだ。収容所には4種類あって、金総書記は「社会の風紀を乱すものには1年間に10年分の労働をさせよ」と指示したとされており、過酷な労働が強いられる。
③ 3つめは徹底した相互監視システムだろう。北朝鮮の住民は労働党、国家安全保衛部、人民保安省、職場、人民班(隣組)の5つの組織から監視を受けている。「人民班」(20~40世帯で構成)の下では5戸が1組になっており、1種の共同体を構成している。反体制運動を起こしたくても、人民は孤立化させられている。同じ志を持っている人を探すのは大変で、民主化要求のためのしっかりした運動体を形成するのは困難だ。
④ 最後は北朝鮮軍の位置付けだ。エジプトやリビアでは、土壇場になって軍が民衆の側に着いたとされ、権力者を追い詰めた。北朝鮮では軍は特権階級で、食糧の配給でも優遇されている。長い間金総書記の権力を支えてきた。兵力は110万人で、全人口の5%を占める。「常に米国との戦争に備えよ」と教育され、緊張させられている軍人たちが、自分たちの特権を放棄して率先して体制崩壊に協力するか。それは今のところあり得ないシナリオだ。
隣国・中国の場合、ネットは一般家庭に普及し、携帯は農村でも使われている。散発的にせよ反政府デモが起きる可能性はあるが、北朝鮮では難しい。
●出典http://gendaikorea.com/20110222_01_gomi.aspx
北朝鮮を脱出してきた友人たちから聞く情報と重なることばかりで「そうだろうな」とおもいます。このような厳しい現実をふまえながらどうやったら盤石に見える独裁体制を崩壊に導けるか、隣国に生きる一市民としても考え行動して行くほかはありません。