5月5日(木)曇り
今にも降り出しそうな肌寒い天候だったので躊躇したが11時半頃、丸木美術館に向かって出発。川島町の落合橋から越辺川・都幾川の左岸上の自転車路をどこまでも走る。先年まで歩くのがやっとだった所もキレイに整備されて東松山・南中学校の付近まで快適な路になった。土手の菜の花も、農村の風景もいつもの春と変わらない。
土手の路が終わったところで、下に遊歩道らしきものを見つけたので自転車をおろして行ってみた。笹藪を切り開いた路が続いており、野鳥の声がしきりにする。出たのは美術館近くの沈下橋だった。到着は1時過ぎ。川越~丸木美術館に新航路を発見したような満足感があった。
開館記念日の記念講演はすでにはじまって、超満員だったので、ゆっくりと貝原さんの絵を見た。『風しもの村 チェルノブイリスケッチ』。
放射能に汚染された村に住む人々の姿が表情豊かに描かれている。住むな、出て行けとお上に言われても、この大地に生き死んでいくしかない人々の日常とハレの日。あたたかそうで逞しい生。
チェルノブイリは遠い世界の話ではなくなった。無数の「風下の村」がこの列島にも出現した。私たちはどう生きていくのか。こんな風にしたたかに、逞しく生きていけるのか…。
5月7日のデモのニュースが珍しく新聞に出た。5月4日、「東京新聞」。これからの人生をこの列島でやっていくほかはない若い人々が知恵を寄せ集めて行動するのか。
東電やその取り巻きたちのいいなりになってたまるか。若い人たちの声が聞こえてくるような気がする。100万人くらいの大デモになるといいなあ。ぼくも一番後ろを歩かせてもらうつもりだ。
●松本哉さんhttp://www.magazine9.jp/matsumoto/110427/