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斬術 -二代目小林康宏-
① 1992年 Samurai Sword Katana Cutting
まだ東京都剣道連盟二段の頃、自分の差料
の小林康宏作での初めての第一刀目の抜き
打ちの動画。
ヘッドホンをして動画を観ると、師範代の
先生が私に「はい」と切れの号令を掛けた
直後に、「上置くとか切れないよ」と誰かが
言っている。
多分、切りのベテランの方が、私がまだ
剣道連盟の低段者で、物切りに不慣れと
思ってか、「置き切りなどはできないよ」
という趣旨で言ったのだろう。
結果は見ての通りだ。
普段やっている空気斬りの抜刀術の形(かた)
の稽古であっても、ちゃんと正しく刀術を
稽古していれば一刀目からでもこのように
抜き打ち片手斬りで切れる。
というか、切れなければ嘘だ。やっている
抜刀術の稽古がすべて嘘になる。
簡単なことだ。きちんと刀術稽古をすれば
よい。我流ではなく、指導者の教えを素直
によく聴いて、それを咀嚼して、自分で
真剣につきつめて錬磨すればよい。
ただそれだけのことだ。
結果として、私は初めからこうであった。
自慢をしているのではない。
凡人の私でさえできるのだから、誰でも
できる。
要は、正しいことをきちんと識別して、
正しい稽古を積んで、その通りに正確に
実行する、ということだ。
さすれば、誰でも抜きながらの片手斬り
などはできる。両手で斬るより簡単だ。
刃筋を立てて、腕ではなく肩の関節を
きちんと使って、刀術で斬れば簡単に
切れる。
納刀は土佐の二の字ではなく、土佐の
「の」の字で行なった。
納刀の際にも刃筋が立っているので、刀身
の棟で風を切る音も収録されている。
鞘向きに逆らわないということは、行きも
帰りも刃筋が立つ、ということになる。
関節の使い方も、刀の使い方も、無理も
無茶もいけない。
片手斬りは左手で切れ、というのはその
側面をも伝える教えだ。
抜刀斬撃は「鞘で斬る」のである。
こうしたことは、私が編み出したのでは
ない。
いにしえの剣の道の先達が究め極めた事を
時空を超えて代々伝えられ、その事を私に
伝授され、その指導を素直に全て受け止め
て、自分で磨いただけのことだ。
私の手柄ではない。先人が貴重な教えを
残し伝えてくれたから、現代人の私などが
その通りにやればできるだけだ。
それだけのことなのだ。
心開いて、全てを大きく抱きとめるように
受けとめないと、その先人たちが残した
かった事には肉迫できない。