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このバリーザンボは約700万
円だ。
「高額な商品」なのだろうが、
もはや試合や日常プレーで使え
るスポーツの道具ではない。
使うとしたらアラブの富豪や
トランプタワーの住人のよう
な人たちだろう。
リチャード・ブラックは私は
1980年代後半に使っていた。
モデルネームはブシュカだ。
バラブシュカのコピーモデル。
それとて、当時の販売価格は
日本国内で57万円だった。
その価格は当時としては大変
高かった。アダムのキューが
5万円前後の時代。
ショーンなども30万円台で高
額キューの部類だった。
だが、アメリカ国内ではリチ
ャード・ブラックの同モデル
は実質18万円台だった。
ガス・ザンボッティは日本国内
では40万円〜80万円程だった
が、それより少し前は米国内で
約20万円だった。
ガス・ザンボッティは今や日本
では1,000万円以上する。
100万円だったバラブシュカが
1,500万円だ。
TADは10万円台から40万円台
だったが、それが今では日本
では180万円程だ。
そうしたキューを誰が使うのか。
最近、カスタムキューを使う人
たちがプロもアマも極端に少な
いのは、現代の現役の若い世代
が使おうとしても現行のカスタ
ムキューが異常な高額になった
ので簡単に使用できない状況に
なったからではなかろうか。
それと歴史的にはソリッドシャ
フトからハイテクシャフトへ
流行が移動した背景もあった
だろう。
バットとの相性があるものの
どのバットでもほぼ同じ性能
を出すハイテクシャフトさえ
あればバットなどどうでもいい
という風潮が21世紀を数年過
ぎた頃から世界を支配した。
その後、カスタムキューは、
トヨタなのにレクサスという
意味不明な高級商品嗜好を満
たす物にシフトした。
ただ持ってると自分が金持ち
でハイソだというステイタス
を満たすだけの物体。
決してキャンプではないのに
キャンプぶりたいグランピン
グのような虚構がビリヤード
の道具の世界にも展開され始
めた。「商売人」たちによっ
て。
エグゼクティブ、ラグジュア
リー、ゴージャス・・・人間
の醜い虚栄心を煽る事で金を
持っている一部の人間の為のみ
存在させようとされたキュー。
もはや、プレーヤーという種族
が使うスポーツの道具ではな
い。
高度なプレーアビリティを持つ
精巧なカスタムキューは、もは
や富裕層の数奇者の所有欲を満
たす為だけの存在に転落した。
実に下世話な存在に貶められた。
くだらない。
それは、「純金製のピースメー
カーを持ってるんだぞ」と自慢
するような中味の無い事だから
だ。
かつて日本のトッププロは殆ど
がTADを使った。
それはTADコハラさんが日系で
あるのとは別に、TADのキュー
が独特な動きを出せるキューで
あったからだが、一つ重要な要
素があった。
それは異常な程の高額ではない、
という現実である。
高くともせいぜい一般月給の
2ヶ月程の金額で購入できた。
今の大卒初任給でいくと2ヶ月
50万円程に相当する。
それが今では180万円の売り値。
ザンボッティに至っては、当時
50万円あたりだった物が今や
1,000万円以上だ。
異常なのだ。
カスタムキューというものが、
単なる富裕層のコレクション
アイテムとなった時、もはや
それはキューではなくなる。
キューではない物を作る者た
ちをキュービルダー、キュー
メーカーとは呼べない。
それは単なる加工工芸師だ。
ビリヤードとは一切関係の無い。
ある有名ファッションブランド
のプールテーブルが販売され始
めた。
1台1,500万円。
それと同じ事がキューの世界で
も展開されている。
虚飾であり、実は無い。
「高額=高級ではない」という
本物の定理があるからだ。
キューは貴金属ではないからだ。
そして、そうした金額さえ高額
であれば「上級」かと思い込む
間違いを人間は犯しがちだ。
さらにひどくなると「上流」か
と誤認盲信し始める。
虚飾の虚栄心とは、真実の姿
を見ずに空っぽな中身を重厚
であるかと信じ込む事だ。
「裸の王様」の寓話のように。
そして、多くの人々が目を曇ら
せる。
目を曇らせるのは、それは心
が曇っているからだ。