渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

大地震の前ぶれ

2023年05月28日 | open



絶対になんかおかしいってば。


斬鉄剣の秘密

2023年05月28日 | open



実は鍛打の方位性で内部の組織
の質性が変わる事をどれだけの
鍛治職が知っているのだろうか。

炭素鋼かステンレスか

2023年05月28日 | open
 

自作炭素鋼ナイフ。
折り返し鍛錬刀工二代目小林康宏、
火造り、成形、焼入れ、研ぎ私。
斬鉄剣ナイフ。
 
ステンレスナイフ。




私がきちんと研ぎ上げたなら、
炭素鋼もステンレス鋼も切れ
は変わらない。
切れ味ではなく、その先の切り
味の獲得の実現も研ぎの技術
範疇に入る。
炭素鋼もステンレス鋼も、切れ
と切りに関する成果は研ぎ次第。
 
炭素鋼だろうとステンレス鋼だ
ろうと、素材の質として鋼の切
れ味を決定づけるのは「高硬度
である」という事だ。
だが、よく切れる現象として、
「あま切れ」という刃味も切り
の世界には存在する。
切れ味に関して炭素鋼かステン
レスかで分けて思考しようとす
る事は、それは素人のやりたが
る事であり、鋼の何たるかをま
るで解っていない。
 
現在のステンレスは半世紀前の
鋼材とは全くの別物で、極めて
よく切れる素材も多くある。
粘りと高硬度を得ている刃物用
特殊合金=ステンレス鋼は多く
存在する時代となった。
「炭素鋼かステンレス鋼か」と
いう発想や議論自体が時代遅れ
なのだ。
 
ステンレス鋼の良いところは
錆に強いというところだ。
これは実用刃物であるナイフや
包丁では如何無く素材としての
威力を発揮する。
ステンレス鋼は圧延鍛造してあ
るので再鍛造の必要は無いが、
実は再鍛造した場合、靭性付与
が助長される現象を見せる材料
も多い。
但し、メチャクチャ硬い。
純炭素鋼である日立の白紙など
がまるで飴のように思える程に
ステンレス鋼は焼入れ前の鍛造
段階で硬い。
 
そして、ステンレス鋼は一つだけ
ネックがある。
それは炭素鋼は鍛治仕事で焼入
れができるが、特殊合金のステ
ンレス鋼は科学的に適正な熱処理
が必要な為、鍛治炉では焼入れが
できない。
焼きに1050℃で何時間保持し、
焼戻しには560℃で何十分、な
どという温度管理は鍛治炉では
不可能だ。
それゆえ、特殊合金は熱処理工
場でのソルトバスや特殊合金鋼
専用大型炉での熱処理となる。
つまり、個人ビルダーのナイフ
メーカーは自分ではステンレス
鋼の焼入れと焼戻しは不可能で
あるという事。
これがステンレス鋼の最大の
ネックとなっている。
当然、私が過去に作ったステ
ンレス鋼の洋式ナイフも、全
て熱処理専門業者に焼入れと
焼戻しを依頼した。
 
炭素鋼とステンレス鋼で切れ
味に大差は無い。
これは断言できる。
切れ味に関して炭素鋼かステ
ンレス鋼か、炭素鋼のほうが
切れる、とかいう思考や議論
は、刃物に関して非常に低
レベルな思惟と見識であると
断言できる。
炭素鋼とステンレス鋼の違い
はもっと別なところ、もっと
先のところにある。
 
ちゃんと研ぎ上げたなら、巷間
「切れない」と人口に膾炙され
てきた440材であろうと、背筋
が寒くなる程の切れ味を見せる。
また、切り手の好みに寄り添う
「切り味」も実現できる。
全ては研ぎにかかっている。
刃物は生かすも殺すも研ぎ次第。





コルト・ダブルアクションM1877

2023年05月28日 | open



コルトM1877はダブルアクション
だ。
だが、正確な射撃の際にはシン
グルアクションも可能。便利だ。

シングルアクション。

映画『ヤングガン2』(1990)から。

ダブルアクション。


外見はパッと見はM1873 SAA
に似ている。


実用ナイフ

2023年05月28日 | open
 


実用一点張りならばこのナイフ
だ。
問題点は一切存在しない。
軍用ナイフ。航空兵の緊急不時
やパラシュート降下した際の
サバ
イバルナイフである。
ウルトラ頑丈。フルタングで
ハン
ドル尻にはぶっ叩き用の
鋼材も
露出させている。
完全なる「道具」だ。
 
実用的には世界の全ナイフの中
トップクラスで優れてい
るナ
フ。
道具としては素晴らしい。
だが、ネジまわし本体の個体を
愛せる人はいるのだろうか。
鍛造鎚などは愛着あるが、ネジ
まわしにそれはあるか。
このナイフは素晴らしい。
欠点は一つもない。
だが、愛せない。
完全なる軍用品の「道具」で
しかないのが伝わるからだ。
同じ軍用品でも、フィンラン
ド軍制式のプーコ・ペルトネ
ンとはかなり印象が異なる。
あちらは個人的にも思い入れ
もある。
このF1はスウェーデン軍制式
採用品。
 
だが、ものは考えようだ。
生存の為には、道具は殊更に
大切にはするが、必要以上の
思い入れや愛着を持ってはな
らない。
これ、生還の第一条件だ。
「使うためだけ」に存在する
とはそういうものだ。
モデルガンを全く作動させる
のを嫌がったり、白手袋を着
用しないと触らなかったりと
かの世界観で死地での生存で
の生還はまず不可能だ。
これ、日本刀でもそうで、現
美術刀感覚で昔の武士は刀
をイクサには持っていかな
かっ
た。重代の家宝だろうが
戦場
拵に仕込んで出陣した。
それは、戦地がリアルな現実
であり、平時の生死にかかわら
ない安全地帯ではないからだ。
時には国宝の茶碗で頭を殴り
割る事も必要になるのが現実
だった。
 
このファルクニーベンF1は
「不必要な愛着を抱かせない」
という点で、完全なる軍用品の
道具としてパーフェクトに確立
している。
愛だ想いがどうだとかは、生存
可否の状況下では桎梏でしか
ないのだ。サバイバルとはそれ。
このナイフはそうした状況下で
使う為に作られたナイフであ
う。
人をして愛着は持たせせしむら
ない。
だが、それが正しい。
 

西部劇に出てくるナイフ

2023年05月28日 | open
映画『ヤングガン2』(1990)から。
メキシコとの国境付近の田舎町
の酒場で顔を洗い髭を剃り、食
事しているビリー・ザ・キッド
が使用していたナイフ。中型だ。

酒場のカウンターの奥では大型
キャンピングナイフをカウンター
の上の物体に刺している。


西部劇に登場するナイフはボウイ
ナイフとスローイングナイフを
除けば、殆どがこれ系である。




これはアメリカの銃器メーカー
のブローニングのナイフ。


 

バック バンガード 〜ナイフ〜

2023年05月28日 | open
 

バック社のバンガード。
非常に良いナイフである。
但し、ネガ部分も僅かに2点
のみある。
それは、ブレードがホローグラ
インドである事とソング
ール
が無い事だ。
前者はバックとラブレスが40年
程前から始めた新造形だ。
それがあたかもアメリカンナイ
フのスタンダードかのようにな
ってしまった。
これは時代的流れだったので
致し方無い。
そのホロー一辺倒の固着観念が
ナイフの世界で見直され始めた
のはほんここ数年の事であ
る。
ソングホールが無いのは、この
ナイフのブレードがオールド・
デザインスタイルなので、これ
も仕方ない。
西部開拓時代のデザインを
踏襲しているトラディショ
ナル
モデルだから、むしろ
穴があっ
たらおかしい。最
新ブッシュクラフ
ト製品で
はない。そこは解って
割り
切るしかない。この伝統的

ナイフは実用性のみを追求し
た最新のファルクニーベンF1で
はない。識別して区別する事が
必要だ。
このバンガードは、これはこれ
でスタイルとスタンスが完成貫
徹完結されているのだ。
 
ハンドルはウッドマイカルタ。


とてつもなく美しい。
ソリッド単板を積層させて
樹脂で固めた素材だ。
無垢木そのものよりも比較に
ならない耐久性がある。
それでいて杢目も楽しめる。
木が好きな人間には最高の素
材だ。

 
特筆すべきはハンドルで、私が
持っている全ナイフの中で一番
ハンドリングが良い。
この造形設計には心底脱帽する。
 
「良いナイフ」だ。

 
このナイフのセットポジション
は、私はサイドセットにしてい
る。


バックのバンガードはフランス語
ならばアバンギャルド。前衛とい
う意味だ。
だが、戦闘ナイフでもサバイバル
ナイフでもない。ハンティング
ナイフである。
誤射防止のハンタージャケット
ともマッチする。

 
家のベンチシートに置いてみる。


非常に美しいナイフである。


美しいだけでなく、実用性は
極めて高い。


そこはかとなく、持つ者に信頼
と安心感と希望を与える存在だ。


聖剣十字剣のように。