テキサスに実在した賭博師の
ウェス・ハーディンの自叙伝
の映画化。牧師の父と仲違い
して家を出た男が、名うての
賭博師を射殺したことで3人の
兄弟に追われ、身に覚えのな
い罪まで着せられる。その後、
彼をかくまった酒場の女と別
場所で牧場を持ち、妻と幸せ
な生活を送っていたのだが、
テキサスからの追手が迫って
いた。
「何だこの邦題は」という映画。
原題通り「無法の種族」がドン
ピシャの映画だ。
相手が先に抜いて正当防衛で
射殺したならば罪に問われな
かった西部において、殺人の
罪で保安官たちから追われる
事になった主人公。
だが、馬の競りに町に出かけた
夫はそこで待ち受ける役人たち
に逮捕される。
子どもも生まれた頃、裁判に
なる。
縛り首は免れたが、刑務所での
重労働25年の実刑判決となった。
生まれたばかりの子どもを残し
て主人公は収監される事になる。
そして、16年が過ぎ、1894年、
早期釈放となった父となった
主人公は牧場に帰ってくる。
妻は牧場を守って子どもも立派
に育てていた。
だが、息子はかつての自分と
同じように、銃を練習し、銃
に頼る考えの若者になっていた。
かつて自分の父がそうであった
ように、男は息子と16年ぶりに
再会したその日にガンアクション
を見せびらかす息子を殴って
しまった。
息子は町に出て酒場で酒を飲む。
そこで、かつての父と同じよう
にクズから難癖をつけられる。
駆けつけた父に止められて店を
出ようとするが、父は昔と同じ
ように後ろからゴロツキのクズ
に撃たれてしまう。
ほろりといい映画。
良作。
妻役のジュリー・アダムスが
めちゃくちゃ美人だ。
60年以上の女優人生を送った
大女優である。
西部劇、必ず美人が出て来る
これ不思議(笑)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/94/5ccc7a2dfebfc7d2390aec3e833e2dc4.jpg?1684495577)
上のナイフも研ぎ減っているが、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/99/b9008cc56a9f3dc991136b9acca87492.jpg?1684495388)
人それぞれで使い易さはある
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/9d/80a188ef9caedf01c3ca13d70d667966.jpg?1684495388)
大体同じ長さ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/0f/9f919c3c9c4792506f2966345e9cceed.jpg?1684495388)
使い勝手のこの長さというもの
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/e6/cb5bb8c10239b9c8266e71a13de360e2.jpg?1684495388)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/ea/5578dbceb6cedb522160e90dae243c69.jpg?1610097393)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/bb/7dc7116c32678292b79a6017a2983ddb.jpg?1610097416)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/b7/905ac169583be46aa5b78d1fa803f04d.jpg?1610097450)
このシルエットをベースにハン
ドル部はもう少し伸ばす予定。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/2e/faba0e370215ff61001c2afe3eac07b0.jpg?1610097474)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/d1/e3d0eb91e224f53ee05aef4051b3bff3.jpg?1599320654)
ブローニング モデル0096。
シルエットがいいナイフ。
乗り屋の盟友も同じモデルを
持っている。
なかなか仕事の休みが重なら
ないのでキャンツーに共に
行けてないが、行くときには
互いに同じこれを持ってって
使おうぜ、と約している。
結構好きだ。両刃は禁止なの
で出荷段階でメーカーで片刃
にしてある。外見が滅法渋い
ナイフで、玄人好み。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/98/a6260549f8e2f65a522b6280fa1d3f71.jpg?1599320654)
コーティングの塗装が剥がれて、
まるで西部劇に出て来るオールド・
ピースメーカーの地肌のような
風合いになって来ている。いい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/6d/39c5feeba531bfc5c6d46299183c03d1.jpg?1599320654)
モデルナンバー0096。
この刃の長さは使い勝手が良い。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/d6/439d2abda1b3e954180194813d909884.jpg?1599320657)
M.ブローニング(1855-1926 米国
ユタ州出身)
江戸期ならば武浪人とでも書か
れそうだが、原音で呼ぶならば
ブラウニング。彼がこの地球の
歴史を変えた。
ブロといえば、私にとっては
ブローバックのことではなく
ブローニングだ。
もっとも、ブローバックもブ
ローニングが完成させたもの
だが。
コルトに売却したM1911系の
ブローニングのシステムは発
表当初からすでに最高峰の領
域に完成されていた。米軍で
はM1911A1は軍用拳銃として
70年以上に亘って長く採用さ
れており、日本でも自衛隊と
警察が公式に制式銃としていた。
ブローニング・ライトニング
モデル上下2連
ブローニング(日本語発音)は、
世界で最高峰に位置した銃器デ
ザイナーのうちの一人であった
といえる。
大手銃器メーカーのほとんどが
自社ブランドでナイフをリリー
スしている。
手元にあるブローニング・ナイフ
のうちフォールディング(折り
たたみ)式のナイフのごく一部
を一部並べてみた。
大きさ順に並べる。
上からM277、M806、M141、DA43。
日常一番使い倒しているのは
一番上のM277だ。
ブローニングDA43はかつて人気
を博したアルマーのシリアタック
に似ているブレード形状で、大き
さもシリアタック同様かなり大。
米軍特殊部隊グリーンベレー
の隊員向けに開発されたと
いう売込みだったアルマー・
シリアタック。
シリアタックという名称が何
とも「そうなの?軍隊って
やっぱりそうなの?」とか
思いたくなる呼び名だ(笑)。
傭兵部隊ではシリアタックは
まずないが、国軍正規軍では
どこの国でも結構聞く話だ。
日本のかつての武士の世界も
シリアタックが横行していた
し、新選組でも「流行ってお
り困ったものだ」という記録
が残されているし、南九州あ
たりではつい最近までその風
習(?)が残っていたと聞く。
私にはよく解らない世界の話
だが、芸能界でも少年性犯罪
被害として横行している芸能
事務所もあるようだ。
ブローニング・ブレードの比較。
それぞれにコンセプトがあって
ブレードデザインが異なる。
軽作業でとても便利であるのが
一番左のM277だ。
ただし、キャンプなどのアウト
ドアでは右から2番目のM141が
軽くしかもブレード形状もとて
も使い易い。ブレードにはチタン
コーティングが施してある。
これまで4丁購入し2丁は友人の
ところに(苦笑
M141も香港OEMだ。
デザインが秀逸なブローニング・
ナイフだが、一番クオリティが
高いのは左から2番目の日本OEM
のM806だ。カスタムナイフの
ような精度が出ている。
M141は CHINA の刻印があるの
が如何ともしがたい。NをBに
彫り直したい。
というか磨って消した(笑
かつてアメリカンナイフの
ほとんどが日本の岐阜県関市
の刃物メーカーにOEM生産を
依頼していたが、現在は人件
費の安さから大陸中華にOEM
がどのメーカーも移行した。
一番使い込んでいるM277は
中華OEMだが、米国本国ナン
バーでは560というタイプと
同種と思われる。
米国ブローニング。マウンテン・
チタン・モデル560
これは私の個体のM277。
これまで8丁購入し3丁手元に
残っている(他は親戚友人に)。
小型ナイフでサムスタッドピン
は私には不要なので取り外し
ている個体もある。この穴あき
デザインも気に入ってる。
ナイフ形状にはベンチメイド
やガーバーにソックリなタイプ
があるが、このブローニング
小型フォールディングはとても
使いやすい。
他には開刃すると全長30センチ
ほどになる超大型フォールディ
ングもある。
製品ナンバーD52。でかすぎ(笑
ブレード厚5ミリ(笑
フィクスド(鞘=シース付ナイフ)
のような刃厚を持っている。
ハードに使える。
でかすぎて使えないかと思った
ら、これが存外結構使えるナイ
フとなっている。
ナイフのデザインは見た目重視
よりも、使い勝手から入って
行っているところが実用刃物
の面目躍如といったところか。
ただし、現代日本刀と同じで、
見てくれのみ重視でまったく
使えないナイフもかなりあるの
で、やはりナイフといっても
見抜く目は必要と思える。
ちなみに包丁のことは英語で
キッチン・ナイフ、クッキン
グ・ナイフと云うので、日本人
はほぼどの家庭にもまずナイフ
があり、日本人全員がナイフを
所持していることになる。
ただ不思議なのは、なぜ日本
の伝統刃物には折りたたみの
フォールディング・ナイフが
登場しなかったのか、という
事が挙げられる。折りたたみ
の登場は文明開化以降となる。
これの謎も興味深い。
元々包丁も日本刀形状だったし。
今全世界がお手本にしている
日本の包丁の完成された形状
は江戸時代中期以降に鉄砲鍛冶
と刀鍛冶が手がけて形状を完成
させた。舟入形は室町からあっ
たものの、現在に繋がる形状は
江戸期中期以降に登場した。
平和となり軍需が激減したので、
技術を新時代の平和産業に活か
したのだろう。
堺の打ち刃物が現代包丁形状の
嚆矢で、江戸期には「堺土産」
として全国に普及した。
それまでは日本国内では日本刀
の短刀のような形の包丁ばかり
だった。
現在のアゴが柄から大きく突き
出した斧のような形状の包丁は
堺の転職した鉄砲鍛冶が作り出
した。
ここでも鉄砲と刃物の関係が出
て来た(笑)。
切っても切り離せない関係は、
やはりそこに鉄があるから。
どちらも武器になり、どちらも
武器ではない使用法での平和利
用もできる。
どう使うかは人間次第。
刃物は人を殺さない。人が人を
殺す。
また、武器は人を助けない。人
が人を助ける。
これが、地球の人類の定理だろう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/2c/109a932678c2c888f3cde226695899ae.jpg?1684474564)
される射手で片手撃ちで
0.1秒台だ。
ドロウシューターが逆手で
抜いてもそんなに遅くない。
で、いわゆる「速い人」
より0.1秒も遅いなどとい
うヘボはまず決闘などし
ない。凡射手に多い0.3秒
台の抜き撃ちなども遅す
ぎる。
から、西部劇のような決闘は、
相手がよほど鈍重な抜きを
やる珍しい者でない限り、
ほぼ全部が相討ちとなる事
が確実だろう。
ガンスリンガー同士の現実
歴史での対決でも、後ろか
らの不意打ちや抜いてから
狙っての集団銃撃戦が多か
った。一対一で向かい合っ
て対峙しての抜き撃ち対決
などは、現実には皆無だっ
たのではなかろうか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/fd/d30514ab8d325e6af72e67307504422b.jpg?1684474647)
これなども危険距離内。0.1秒
以上相手よりも自分が速いと
してさえも。
0.1秒以内の同タイムだと完全
に両方死ぬだろう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/df/dfa4ae8d99f32cad4a291bff78670365.jpg?1684474647)
これもそう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/b2/c74196d2942d0edcfc5c71e75bb8ed10.jpg?1684474647)
これもだ。完全に両者死亡距離。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/f4/5a2e11531afa646a52db284c6c8aa7de.jpg?1684474647)
これなどは、もう絶対的に両者
相討ちで死亡ケースだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/9a/aad553d4a557efc5526eba6754d6f797.jpg?1684474647)
だろう。時代劇でのチャン
バラ決闘みたいなもので。
試合や道場剣術とか以外で
は存在しなかったのではな
かろうか。
傑作『クイック・アンド・デッド』
(1995)は日米合作である。
全編決闘オンリーのガンファイト・
ウエスタン。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/c9/9c7d965c75143d3c944a6053b689a87d.jpg?1684468570)
1980年代にコロラドで開始され
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/2a/47d63e5809b83ac5cb151c06e8b83e2b.jpg?1684468760)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/69/d8905a0dfa23006123366fb898b44701.jpg?1684468570)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/07/026d88de6d37e34b2720d264a6e4ab82.jpg?1684468569)
2005年からは新型バージョン
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/0b/be2096d24c53361d9db69c246e99879d.jpg?1684468569)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/cd/df1cdb2f646dd143b6f7eb71fddb483b.jpg?1684469186)
映画『ザ・ハーダー・ゼイ・
フォール 報復の荒野』(2021)
から。
主人公たちも悪役たちも全員
黒人という西部劇。
幼い頃に両親を殺された少年
が大人になり復讐の旅に出る
という物語。
犯人追跡の途中で仲間が一人
一人増えていく。
しかし、題名は「やつらは
もっと落ち込む」だ。
その主人公の側に「俺よりも
速く抜く奴はいねえ」といき
がっている若いガンマンがいる。
最終局面の町での両派の対峙
の際に、悪党の第一の手下か
ら「5秒数えろ」と言われる。
余裕ぶっこいて、弾を詰め替
えて大口を叩く若いガンマン。
ゆっくり5からカウントダウン
しながらもいちびり(大阪弁
で調子こいていきがってる
という意味)の態度。
ゆっくりとカウントダウン
を続ける。
いきなり顔面撃たれてぶっ
殺される。即死。
「数えるのがおせえんだよ」
と射殺者は言う。
これ、西部劇でよくあるシーン。
悪党は約束事など守らない。
多くの西部劇で、こうしたカウ
ントダウンを無視する射殺シー
ンが出て来る。まっとうな勝負
などはしない。
勝てばいい。悪党のやり口はそれ。
汚いも綺麗も無い。
バクチ打ちもそれだ。
玉撞きでも、有名なフィリピン
の奴などは、人が撞く先の穴の
前にわざと立ったり、チョーク
の削り粉を穴前にわざと落した
りする。フィリピン人はスポー
ツマンではなく、例え大会だろ
うとプライベートだろうとバク
チとしてしか玉撞きを捉えて
いないので、人によっては何で
もやる。
汚いもへったくれも無い。
西部劇に出て来る無法者と同類
だ。
まあ、この映画のこのシーンでは
殺し合いの勝負の時に相手を舐め
切っていきがっていたほうが悪い。
いきなり射殺された。
これは自分が選んだ結末だ。
この作品では酒場の警備をして
いた女ガンマンがカッコいい。
銃の腕もいい。
途中から主人公たちの仲間になる。
今でもアメリカ国内でこのような
ロケができる場所があるのかと
思うが、遠景はすべてCGかも
知れない。
最ラストシーンは意味深な敵側
の女ガンマンの後ろ姿で物語は
終わる。敵はまだ生きていたの
だ。報復に対する報復が始まる
序章であることを示しておしまい。
1887年にダブルアクション・
リボルバーを発表したコルト
社は次なる新機軸を考案して
発表した。
1881年にパテントは取得して
いたが、開発が進まず、完動
設計ではないまま世界初のク
レーン式=シリンダー・スイ
ングアウト方式のリボルバー
を1889年に発売した。
それは陸海軍に採用されたので
M1889のモデルナンバーがつけ
られた。
だが、現在のコルト回転式とは
異なり、シリンダーは左回転
のため、作動させていると回転
不良を起こす欠陥を持っていた。
コルト社はこのモデルを廃番
にするまで、この作動不良問題
を解決できなかった。
それより先に発売されたダブル
アクションも作動性に問題を
抱えており、SAAの成功とは
裏腹に、この時期のコルトは
完成度において迷走していた。
作動性の確実さではS&Wに
大きく水をあけられていたの
だ。
1894年にS&W社は作動不良を全
く起こさないダブルアクション・
スイングアウト・リボルバーの
ハンドエジェクター1st モデルを
発表した。
口径は.32の7連発と.38の6連発。
回転不良を起こすコルトとは
雲泥の差で、完璧な作動だった。
ここにスイングアウト方式は
S&Wによって完成をみる事に
なった。
コルトは作動不良をシリンダー
回転方向をSAAと同じく右回転
にすることでスイングアウト
ノッチへのオープンテンション
による回転不良を解消する事に
した。
それが現代までも続く「コルト
右回転」「S&W左回転」という
定式になった。
だが、S&Wは最初から作動不良
などせずにきちんと回転した。
この事は現代リボルバーでも
S&Wの作動良好性は見られ、
ダブルアクションでトリガー
を引いていくと、途中でハン
マーが起きている最中にシリ
ンダーが定位置でカチッと止ま
るという絶妙設計にS&Wは
成功している。コルトの場合は、
シリンダーが定位置に来ると
同時にハンマーが落ちる造り
なので、工業製品設計としては
S&Wのリボルバーのほうが
遥かに完成度が高く、高度な
設計を実現している。
スイングアウト・ノッチに不
必要なテンションがかかって
ドアを開こうとしてシリンダー
が回転不良を起こす事もS&W
は一切無い。
「リボルバーならばS&W」と
云われるのは、それはS&Wが
本当に完成された素晴らしい
設計の回転式拳銃を実現させて
いるからだ。
ハンドエジェクター1stは素晴ら
しい銃だった。1894年~1903年
製造。造形も非常に洗練された
都会派を思わせる銃だ。
だが売れなかった。
非常に完成度の高い優秀な
リボルバーなのに、売れな
かった。
なぜか。
それは.32口径、.38口径が
当時の黒色火薬弾薬として
はかなりの低パワーだった
からだろう。
.32口径などは豆鉄砲のように
西部の男たちは感じたのでは
なかろうか。
フロンティア消滅で西部開拓
時代が終わるのは1890年だ。
フロンティアは消滅したが、
法整備が為されて治安が良く
なりつつあるも、まだまだ
西部は荒々しい暴力がはびこる
時代だった。
そうした場所で、.32口径という
のはあまりにも非力で実用性
に乏しいものだったのだろう。
S&Wハンドエジェクター1stは
リピートが続かず、わずか
19,000丁台の製造しかされな
かった。これは当時の銃として
はとんでもなく少量製造だ。
しかし、銃の機構としては完成
されていた。
その後のS&Wの基礎を作った
銃だといえる。
S&Wハンドエジェクターの造形
デザインは武骨なコルトに比べ
て洗練された洒脱さを持っている。
グッドデザイン。
歴史的名銃チーフ・スペシャル
の原型がここにある。
21世紀の現代でも回転式拳銃は
スイングアウトだ。
それはコルトが世界初考案して
実用化したが、作動不良でまと
もに動かなかった。
スイングアウトを世界で初めて
完成させたのはS&Wである。
トップブレイク式を考案して
一時代を築いたS&Wは、その
次には現代まで続くスイング
アウト式リボルバーを完成させ
たのだった。
パワーと頑丈さが売りのコルト
vs確実作動のS&Wという永遠の
ライバル関係は現在も続いてい
ている。
S&Wのリボルバーは造形も作動
性もとても美しい。動きも芸術
的ともいえる確実な作動をする。
コルトは野武士のような荒々し
い銃で、S&Wは城勤めの裃を着
た武士のような銃という印象を
与える。
実際のところ、コルトはオート
で実力を出し、S&Wはリボルバー
で本領を発揮した。
それがコルト=軍用拳銃、S&W
=警察用という図式を作って来た
のも確かだ。