同級生の男がトラに惚れた。
同級生の男がトラに惚れた。
マスがカゲロウと並んで大好物
パラシュートタイプの目印を
ここは確実にマスがいる。
ここも。
これは渓流の源流部。
ヤマメ。
広島県の特異性。
それは日本海水系と瀬戸内水系
の両方が県内にあるので、ヤマ
メとアマゴの両種が釣れる事だ。
分水嶺を超えて島根鳥取の日本
海側に行くとヤマメになり、南
に流れる水系だとアマゴとなる。
ヤマメとアマゴはほぼ同じ種だ
が、アマゴには赤いドットが散
る。
日本全国でヤマメとアマゴの
両方が少しの移動で釣り分けら
れる県は少ない。
ジャパニーズトラウト。
とても美しい。
食べるために殺して死体を並べ
て写真に撮って悦に入る趣味は
私には無い。
食否定派ではないが、99.9%は
キャッチアンドリリースでマス
族とはつきあう。
手ですくう事はめったに無いが
手に取る時は、手を冷たい流れ
にしばらく浸けて十分に冷やし
てから魚体に触れる。でないと
マスは火傷をして死んでしまう
からだ。基本的にはフッキング
のまま撮影し、器具を使って
フックを外して優しくリリース
する。「〇〇〇と愉快な仲間た
ち 怪しい探検隊」とかいう連
中が釣ったヤマメを川に投げ捨
てていたが、渓流釣り人として
最低だと感じた。
自分で巻いたマーチブラウン
スピナーでヒット。アマゴ。
広島県東部。渓相のとても良
い秘密のエリアだ。この時は
総じて魚体が小さかった。
フライマンは自分でフライを
巻くのが常識だが、自分自身
のオリジナルフライも誰もが
持っている。
モスフライという毛鉤は私が
考案したフライだ。
別考案物としては、四半世紀
以上前、マスが卵喰いをする
ことを知ってエッグ毛鉤を作
ったら、それはフライ管理釣
り場の大きなポンドでは爆釣
毛鉤となった。
スレッカラシで全く食いが悪
いポンドの巨大ニジマスがエ
ッグには食いついた。
あまりに釣れ過ぎて、腕が
上がらなくなる程で、友人
とも早々に「もうきょうは
やめにしよう」という事も
しばしばだった。
他の20人ほどのフライ客は全く
連れていない。
当然、話しかけられる。
「どんなフライ使ってるん
ですか?」と。
真似した人たちが使い出して
大流行した。
そのうち既製品でも売られる
ようになった。
しかし、下手な人は呑ませて
しまうので、ほうぼうの管理
釣り場ではエッグ毛鉤が使用
禁止となった。
フライフィッシングは非常に
マニアックな釣りなのだが、
かなり面白い。
だが、私は人には勧めない。
ハマったら抜けられない泥沼
のような悪魔の釣りだからだ。
食うために釣るのではない。
釣るために釣るというスポーツ
フィッシングのど真ん中を行く
のがフライフィッシングだ。
そして、ありとあらゆる釣り
の中で西洋式毛鉤釣りが一番
難しい。
第一訓練しないとキャスティ
ングさえできないし、シュー
トもできない。
ビリヤードのようにかなり訓
練と研究と努力が必要な釣り
だ。だから日本では人気がな
い。餌釣りのように投げて
誰でも食いつくという釣り
ではないからだ。
餌を使えば海でも川でもバカ
スカ釣れる。
でも、それは釣りではなく漁
だ。
職業でもないのに、漁をして
面白い?というのはある。
やるなら、一番難しい事がいい。
ちなみに釣りの世界では、釣果
は、餌10とするとルアー6、フ
ライ3と云われている。
だが、私はフライで10釣る。
それは事実としてそれができ
るのだから仕方ない。
徹底的にハマり込んで探求すれ
ば、毛鉤職漁師のように釣れる。
毛鉤釣りとて同じ釣りだ。釣り
に違いは無い。
状況判断と即応の対応力として
は餌よりも毛鉤のほうが守備範
囲が広いのだ。
ということは、毛鉤のほうが種
類の少ない餌よりも釣れる条件
が整っている。
第一、飛び上がるカゲロウなど
は餌では再現できない。
マスの大好物は水生昆虫だ。
しかも、水に落下したり飛翔
するメイフライを好む。
トビケラやカワゲラも好む。
そしてそれらの幼虫も好む。
今何を食べているのかを見抜き、
それに合わせて事前に作った毛鉤
を投じてマスと勝負する。
それがフライフィッシングだ。
多くの人が思っている程、ハー
ドルは高くない。
だが、環境への配慮、自然との
親しみ等、人的質性は一番問わ
れる釣りのジャンルでもある。
フライマンには山岳環境に対し
て不届きな素行不良者はいない。
エサマンには非常に多い。
食べた弁当のカスや仕掛けの
ゴミを平気で渓流に投げたり
その場に捨てたりしている。
フライマンは絶対にそういう
事はしない。
元々は英国紳士の嗜みとして
マスの毛鉤釣りが始まったの
で、行儀作法はかなり厳格だ。
日本人でも、フライフィッシ
ングをやっているフライマン
は、紳士淑女たちである。
そして彼らは、日常において
もかなり礼儀正しく礼節を
重んじる。
まるでフライマンは武士みた
いだ。
但し、毛鉤釣りをするからと
誰もがフライマンではない。
そこ大切。オートバイと同じ
だ。バイクを転がしていたら
誰もがオートバイ乗りかとい
うとそうではない、というの
と同じ。
本道の真ん中を行く者のみ
がフライマンだといえる。
(フライ専門誌に掲載された
私が巻いたフライ)
私は河川も全てバーブレス。
グースクイルのモスフライ
はヒットさせるのに高度な
本格的テクニックが必要だ
が、ウーリーバッガーモス
フライは案外楽に釣れる。
微細なアクションだけで。
巻くのは1分ほどの時間で
完成する。
広島県のローカルTV番組に
出た時、城みちるさんに巻き
方を教えたのはウーリーモス
だった。
ロッドだけでなく上から下
まで私のフライ衣装も貸し
た。
城さんが私に「〇〇さん、身
長何センチ?」と訊くので
「173.いくつか」と答えたら
「俺のほうがちょっと高いの
か」と言う。城さんは174.
いくつからしい。当時背格好
が同じ位で、私の衣装を着け
てフライキャストするTV放送
を見た幼稚園児の娘が「え?
パパが出てるよ」と間違って
言ってた(笑
城さんは自分で巻いたフライ
でマスを釣って大喜びしてい
た。
撮影が終わっても「もうちょ
っと釣りたい」と釣りをやめ
なかった(笑
城さんとお会いして話すのは
初めてだったが、素顔は森田
健作さん系ナイスガイだとい
うのは初めて知った。
昔、ひまわり娘が「ああ見え
て結構男らしいのよ」と言っ
ていたのに得心が行った。
気が合っていろいろ話し込ん
でいたら、偶然というのはあ
るもので、私の結婚式の二次
会をやったお店が城さんの
イトコさんがやっている店だ
った(笑
あとで知るよくあるアルアル。
それと、業界裏話をかなり
話したが、そこでもアルアル
があって驚いた。
私が勤めた法律事務所は芸能
人御用達みたいな事務所だっ
たので。
城みちるさんはテレビキャラ
とは違って、「よし、俺に
ついてこい」系の兄貴系キャラ
が素顔の人だ。骨太の逞しい
タイプ。芸能活動のあれは
明らかに作られたキャラクタ
だろう。
プロですね(笑
素顔はめちゃくちゃいい人、
いい男です。好漢。
素はゲゲッとドン引きという
人だらけの芸能界でもああい
う人、たまにいるんだよなぁ。
芸能界って悪魔に魂売らない
とやっていけないような世界
だからね。
これ、法曹面でもあの世界に
関わると、実によく判る。
伏魔殿のような世界が芸能界
だ。