軍用パンツは造り込みが非常に
良いので、私は英軍とベルギー
軍の実物空挺軍用パンツを愛用
している。
機能性でいったら、米軍の軍用
パンツが群を抜く。
特に大戦中に開発製造された
タイプP44カーゴ、通称モンキー
パンツは機能性が非常に高い。
これをベースに戦後の軍用戦闘
パンツが開発された。
それはベトナム戦争でも使用さ
れ、さらに現行の米軍の標準軍
用パンツのベース仕様に継承さ
れている。
モンキーパンツは、戦争用に
開発された服だが、平時にお
けるアウトドアやカジュアル
ファッションとしても着こな
せる便利なパンツだ。元々が
軍用なので機能性も高い。
カーゴパンツの原初は港湾労働
者用のパンツだったが、丈夫で
便利な機能なので軍用に転化さ
れた。
さらに、軍物の服は戦争用だけ
ではなく、平時の民間人の被服
としても多く転用されている。
そもそも、革ジャン自体がそう
だ。元は航空機用のジャケット
だったが、モーターサイクルの
乗車用や普段着としても利用さ
れるようになった。
また、海軍のセーラー服は日本
では女子学生の制服として採用
され、詰襟の軍服は男子の制服
として長年採用されて来た。
ブーツ=長靴(ちょうか)にし
ても、軍物から民間用に利用さ
れて来た歴史があり、モーター
サイクル用としても革製ブーツ
は欠かせない物となった。
ただ、平時における民間人着用
のブーツはあくまでカジュアル
な普段着としてあり、フォーマル
ウエアとしては着用ができない。
軍や法執行機関の公務以外では。
それは着装のしきたりというも
のが万国にはあるからだ。
モーターサイクルウエアの場合、
そのままマシンを下りてもアメ
カジやイタカジとして通用する
普段着になるケースが多い。
かつて80年代はレーシングライ
ダーと同じ革ツナギで走るライ
ダーも多く、ファミレスなどに
行っても、ごく普通に革ツナギ
の人たちが外乗りの行き帰りで
革ツナギのまま寛いでいた。
最近はほぼ見ないが。
最近の傾向は、ガッチガチの
ライダーライダーしたような
服装ではなく、カジュアルな
服でモーターサイクルに乗る
人たちが結構多い。
ただ、ネットなどで「おしゃれ
な~」とか銘打って記事にして
いるものなどは、ほぼくそダサ
なので注意が必要だろう。
それは観ていて、「あ~、本当
の二輪乗りではない人間が書い
てるな」というのが見え見えだ
からだ。
大抵は取ってつけたような七五
三のような着方をモデルにさせ
ている。本当に心底ダサい。
革ジャンにしても、ピッチピチ
のパツパツのを着させて、「全
くそれでは前傾姿勢どころか
身動き取れないでしょ?」と
いうようなのが多く観られる。
実用性を無視したバイクファッ
ションなどはダサさの極みだが、
さらにそれは通常ファッション
としてヴィジュアル的にもくそ
ダサなのだ。ミリタリーベレー
でキノコ被りを販売店の広告
モデルにさせているように。
モデルもレベルが低すぎて、
着用する服はどういう系統で
どうだからこうやる、という
意識性がゼロで、いわれるま
まに着ている。スタイリスト
自体がセンスゼロの人なのだ
ろうが、撮るカメラマンにし
てもその服の販売店にしても
ダサすぎて話にならない、と
いう事例はネット上で腐る程
見かける。
さらりと普段からカジュアルを
着こなせない人がバイクの服
だからと着こなせる筈もない。
バイク乗りのうち、ヴィジュア
ルがキマってる人たちは、バイ
クを下りてもキマってる。
なんだかんだいって、バイクの
ファッションといっても、目先
のネットのファッション記事な
どを盲信せずに、自分なりの
自分流の着こなせる服を着れば、
それなりに板についていたなら
ば自然とキマると思う。
ヴィジュアル的な面でバイク服
で迷った時には伝統的なものを
振り返る。
それが間違いない。
結局、自分の好きな物を自分
流で着ればいいのでは。
夏場にTシャツだけでバイク
に乗るのも大ありだ。
最近多いコンプラ警察良市民
ぶっていぶかしげにそれを非
難するのは、お門違いの勘違
い、とんでもトンチキだ。
キモい。
バイク乗りなんてのは全員が
自己責任なのだから、着る服
も自由だ。
ただ、見た目にダセーのは
ダサいのでダサいと言うが。
バイクに乗る服は何でもアリ。
だが、見た目決まってるかど
うかは別問題。
でも、好きなのを着ればいい。
それは自由だ。