ケン坊のこんな感じ。
キーボーディスト、川村ケンのブログです。




いやはや、贅沢です。横目でちらちらTVで桜庭の奇跡の戦いを観ながら、真っ白な照明に映える芝の上を走る巻選手達を応援して、合間に何度も流れる俊君の熱い唄と、バックの古いハモンドオルガンの音(笑)を聴きながらの、ぷしゅ。

----追記----

帰ってきました。うーむ。何でうーむ、なのかと言いますと。

メンバー皆で、ニ試合しっかり観た後「お疲れ様」をして、マリオさんと少し近くの駅まで散歩がてら歩いて、電車に乗ったんです。ラッシュとは言わないまでも、座席は全部埋まってて、立ってる人もそれなりに居る、まぁ混み具合で言ったら「中」といったところでしょうか。

すると、同じ駅から乗ってきた、灰色のTシャツに同色のハーフパンツ、白いスニーカー姿の、30歳位の男が車内中ほどに立った僕らのちょうど後ろの、もうきっちり埋まってる座席に、無理やり座ろうとしたんですね。女性と男性の間、というか、もう上に。なので、女性の方がビックリして立ち上がり、ドアの傍へ逃げました。そりゃビックリしますよね、突然自分の上に、知らない男のお尻が下りてきたら。

その男は、当然どいてくれた(どかした)女性にお礼を言うでもなく、かばんと足を床にボンッと投げ出し、今度は突然ポケーっとしはじめました。僕とマリオさんとは、「なんだ、迷惑なヤツだねぇ。もしかして、少し・・・(省略)」と、言っていたんですが、まぁそれからは静かに座っていたんで、どかされた女性には気の毒だとは思ったんですが(窓際でしかめっ面してましたから。そりゃ、当たり前ですよね。)、もうさほど気にしてなかったんです。あとは、土曜の夜の静かな車内でした。マリオさんと仕事の話などをしながら、普通に電車に揺られていたんです。

そして、二駅ほど進んだときにその男が突然、もの凄い大声で「ギェーッ!!!」と奇声を上げて、座席の窓を、拳で後ろ手に「ドーーンッ!!」って力一杯、叩いたんです。もう、「ハッ!?」って、ビックリして。近くの人も皆、一瞬ビクーッって、飛び上がったんじゃないかな。端の方からも、皆さん顔を乗り出して、その男のことを確認しようとしてました。「何だ何だ?」って。僕は、マリオさんと顔を見合わせて「・・・こりゃいけん。」

その後も、ポケーっと、広告でも眺めているようにキョロキョロして、おとなしくしていたかと思うと、突然、「ギェーッ!!!」「ドーーンッ!!」。おいおいー。まじかいなー。かんべんしてくれよー。男の周りに立っていた人達は、一人、また一人と他の車両や、両サイドへ移動していきます。静かにしていたかと思うと、突然、発作のように奇声を上げて、力一杯窓を叩く。数分毎に、この繰り返し。

放送禁止用語は使えませんので、なんといいますか、口幅ったい言い方になってしまうんですけど、まぁ要するにはっきり言えば、少々体のある場所の働きが薄弱といいますか、まぁ、ぶっちゃけ、アブない男でした。

男の左横には、目を瞑って寝てる(寝たふり?)男性、右側には女性の二人連れが座ってましたが、女性達は刺激しないようにあえて動かないのか、怖いので逆に無視しようとしてるのか、一見平然とお喋りを続けていました。僕とマリオさんは、ちょうど男に背を向ける格好で立っていましたが、僕らの目の前には若い女性と、その横には小学生くらいの女の子を膝枕に寝かせたお父さんが座っていました。

もしあの窓が割れたら、男は自業自得でいいとしても、窓を右手で叩いていたので、あの右側の女性達は絶対に怪我をする。もっと考えれば、あの発作が奇声と窓を叩くだけでマックスならまだいいけれど、もし、この上があって、辺りかまわず暴れ始めたらどうする?小さな女の子もいるのに。

マリオさんが「Oh,We can't relaxねー」と、苦々しく言いましたが、本当にそんな感じで。車内は妙な緊張感に包まれてしまいましたが、僕らは、半ば苦笑いしつつも、二人して眉間にシワを寄せて、目の前の暗い窓に映る男をずーっと、監視せざるおえなくなりました。僕らだって、おいそれと怪我をするわけにはいきません。でも、怖いから、とか、気持ち悪いから、と逃げるわけにもいきません。

あー、別に、強い桜庭選手の素晴らしい試合を観た後だったし、というワケでもないんですけど、まぁ成人男子の、社会人としての(ある種向こう見ずな)義務感といいますかね。マリオさんも身長が180cmありますし、トレーニングしてますからね。何かあったら、最低でも二人がかりでなら、この、さほど大きくもない男一人くらいなら、なんとか取り押さえることはできるだろう、という頭は二人ともありました。それは、しなきゃ、と。それにしても、ほんとに、困ったもんです。僕らは全然口を聞かないまま、結局、男を車内に残し、降りる駅に着いてしまったんです。もの凄い気がかり。どうしよ。

結局、降りる前に、車両番号と、男の見た目、服装をきっちり頭に入れ、降りた駅で駅員さんに「杞憂かもしれませんけど、今、乗っていた電車の車内にちょっと不審な男が乗ってたので」、「誰か駅員さんを付き添わせてください。」と、男の特徴を伝えて、駅を出ました。駅員さんも、「え?不審者ですか!?」と、少しビックリした様子でしたが、素早くメモ用紙を取り出し、時刻表を見てその電車を確認するなど、きちんと対応してくれましたので、少し安心しましたが。

車内で、大声で奇声を上げ、窓を力一杯叩く。これは、正直、迷惑な行為です。でも、それだけなら(と言っていいのか解りませんが)、許容範囲ギリギリ許す、見逃す、見て見ぬフリをすればまぁOK、だってちょっとあのヒトは・・・、というのが、よくある実際の対応なんだとしても。でも。もしもあの男が、あの後、本当にガラスを割ってしまって、それで誰かが傷ついても、あるいはもっとパニックを起こしてしまい、万が一誰かが取り返しのつかない犠牲になってしまったとしても。たぶん、彼は、罰せられることはないんでしょう。そんなニュース、あまりにも多いですよね。「犯行時、被告には判断能力が無く・・・、よって無罪を主張します。云々」。あんまりですよね。なので、とういうか、とにかく、なんだか、ただ見過ごすわけにはいかなかったんです。

今の彼は、僕が見るには、まだ残念ながら一人で出歩かせては、いけない人なんだと思いました。でも、プリペイドカードを手に持っていましたから、たまたま今日だけ、電車に乗ったのではないとも推測できました。彼の家族は、あるいは彼を管理する立場にある人は、どう思っているのでしょうか。そんなことを考えていたら、なんだか、妙に切なくなりました。あれ以上、何もできなかった、非力な自分にも。

あー、なんかちょっと重たい話書いちゃいましたが、もし読んで落ちちゃったら、すみません。大丈夫、もう、書いて落ち着きましたから。さて、明日も午前中から仕事です。夏本番ですね。強烈に暑いけど、本格的に大合唱を始めた蝉達に負けないように、張り切って出かけてきます!

ではー。



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