
先日、仙台でオフの日、超寝不足のまま(半目で)街をうろついていたときに立ち寄った楽器店で「カワイ楽器の青山ショップが全面改装したので、機会がありましたら、是非寄って見ては。」と教えていただきましたので、
行ってまいりました
。
下のデジタルピアノやアップライト(縦型ピアノ)のフロアーから、序々に上に攻めて(攻めて(笑)?)行きましたが、目標のブツ達は3階にありました。フロアー全てが、30台は越そうかというグランドピアノで埋め尽くされた、「グランドピアノフロア」。
さすが新装されたばかり。俄然明るくなった照明に照らされて、よく手入れされてピカピカに光るピアノ達がズラリ。「おぉ
。」実に壮観でありました。
平日ということもあり、お客さんは誰もいませんでした。年輩の調律師の方が、一台のピアノを調律する音が「ぽーん、ぽーん」と広いフロアに響いているだけ。店員さんも見当たらないので、逆にリラックスしてゆっくりジロジロとピアノを見て廻っていたんです。
一番奥まで行くと、防音扉で隔てられた小部屋があり、中には一際大きなグランドピアノが置いてありました。見ると「EX」と。「あ・・・EXだぁ
。」奥行き276cm、重量500㎏の堂々たるカワイのコンサートグランド(コンサートで使用される一番大きなピアノ)の最高峰。そして、これこそが、僕のMP9000や家に置いてあるMP9500の「音」。
簡単に説明しますと、「サンプリング」と言って、この「EX」の音を専用のスタジオ(無響室)で一音一音録音して、それをデジタル信号化して、MP9000で鳴るようにしてる、というわけなんです。つまり、僕がステージで鳴らしているMPシリーズの音の「実の親」みたいなものでしょうか。ちなみにそのお値段、10、395、000円ナリ(笑)。
勝手に入り込むと、目ざとく発見され(笑)、何処からともなく、年の頃53歳くらいのグレーの背広姿の店員さんが後ろから入ってきました。こちら、フレアのジーパンに柄の入ったシャツに皮ジャケットの男ですからね、監視、監視(笑)。しばらく「ほぅ」とか「なるほど」とか独り言を言いながら見ていましたが、でもやっぱり弾きたくて仕方ないので「あの、ちょっとだけ、弾いてもいいですか?」と言うと、「ええ、どうぞ。」と(一見)快く承諾してくれ、防音扉を静かに閉めました。
超、シーン
。グレーの背広の店員さん、2メートルほど後ろに、じっと立ってるし(笑)。
まぁ、こーゆー場合、ショパンやモーツアルト等を優雅に弾いてチェックする方が多いのかも知れませんけど、生憎僕には、とても(笑)。仕方ないので、何も考えずに最初はDかなんかのキーで、適当に弾き始めました。「うわ、気持ちいいー
」。楽器が、あまりにもよく鳴ってくれるんで、アドリブでブンチャカ弾いているうちに、心地よくなっちゃって(笑)だんだんグレー背広の店員さんの存在なんて忘れてしまって。気が付いたら10分くらい、経っていたと思います。
「ふー、やっぱ、いいですねー
。」「そうでしょう。」「ええ。」
幾つか知ってる限界の構造上の質問なんかをしてみたりして、知ったかぶりを披露してしまったんですけど、上手くバレなかったようで、ひとつひとつ実に丁寧に答えていただきました。ありがとうございました、と丁寧にお礼を言ってバッグを持つと、
「あの、あちらに、このEXの上位モデルがありますが、お弾きになりませんか。」
広いフロアの真ん中に、写真じゃちょっと判りづらいかも知れませんが、50センチほどの高さの、丸いステージの上にドーンと置かれた、これまた綺麗なピアノ。「SK-EX」というモデルだそうです。さっきは下ばっかり見てて、その存在に気づきませんでした(笑)。
「これ、触っても、いいんですか?」
「ええ、どうぞ」と、グレーの店員さん、調律師の方に「ちょっと音、中断して下さい」と、一言。そして、また僕の、今度は広いので5メートルほど後ろに、じっ(笑)。ホント、ゴルゴ13なら「俺の後ろに立つな」と言っていることろですが(笑)、いた仕方なし。
なんかですね、視界には誰もいないし、その分まるで、他の沢山のピアノ達が聴いてくれているようで。聴かれているようで、もあり(笑)。でも、強く弾くと、うっすらとですが他のピアノ達も共鳴するんですよね。独特な雰囲気でした。僕もまた気持ちよくなっちゃって、さっきとは違うフレーズが浮かんできて、またひとしきり遊ばせてもらいました。
「全然違うんですね。でも、素晴らしいですね、これも
。」「でしょう。ショップでも日本に2台しか置いてありません。」「はぁ。ではちなみに・・・これはお幾らくらい」と買えもしないのに、下世話な事が気になりまして、伺ってみたところ。「えー、あえて値段は、付けておりません。ただし、もしお売りするならば、」
はぁー
、さっきのEXの約1、5倍ほどでした(笑)。
「また、是非どうぞ」
と、グレー店員さん、にこやかに送り出してくれましたが、いささか緊張しますよ、後ろにじっと立たれると(笑)。でも、また弾かせてもらいに行こー。今度はもうちょっと上手く弾いてやるっ(笑)。待っててください、グレーさん。
ではー。ポポロポロ。