ケン坊のこんな感じ。
キーボーディスト、川村ケンのブログです。




目覚ましをかけなかったにもかかわらず、9時前に目が覚めました。・・・ちゃんと、朝の、ですよ(笑)。

せっかく早起きしたことですし・・・、はい、今日は徹底オフに決定。気になっていた映画を観ることにしました。完璧な、映画デーです。そして、これはたまたまだったんですが、今日の映画はどれも「史実に基づいた映画」ばかりになりました。

まず一本目。スティーブン・スピルバーグ監督の「ミュンヘン」。今年は夏に北京オリンピックがありますが、これは1972年のミュンヘン・オリンピックで実際にあった、イスラエル人(=ユダヤ人)選手11人が殺されたテロ事件を元にした映画で、ベースには、パレスチナ問題があります。ユダヤ人であるスピルバーグ監督がこの問題をどう描いているのかずっと興味があったんですが、やっと今日腰を据えて観る事ができました。さすがスピルバーグ監督と言いましょうか、2時間40分超という長さを全然感じさせないサスペンス映画に仕上がっていました。ストーリーも、映像も、視点も、決して期待は裏切らない、硬派ないい映画でしたよ。

ただね、今日はこの後見た映画の印象があまりにも強かった。

 

その二本目、「ルワンダの涙」。ルワンダというアフリカの真ん中にある国で1994年(ほんの十数年前ですね)に起きた、民族間対立から発展した、恐るべきジェノサイド(大量虐殺、民族浄化。ユダヤ人に対するホロコーストも、これです)を描いた映画です。僕達日本人には、見た目ではまったく見分けは付かないような二つの民族、「フツ族」が「ツチ族」を、たった100日間で80万人~100万人(広島、長崎原爆被害者のおよそ3倍)も虐殺した事件です。描写はあくまで映画での表現可能な範囲ですが、それでも、ナタを振り回して追いかけてくるフツ族は、ほんと観てて嫌になるくらい恐ろしいですよ。でも、ついこの間に起きた、現実だったんですよね。・・・いや、現実はもっともっと凄かったんだろうな。

映画は、この黒人民族の対立に巻き込まれてゆく数人の白人達の視点で描かれていくんですが、もうね、主人公達と共に、観ているこちらが感じるのは、ただただ、とてつもない無力感と絶望です。誤解を恐れずに言えば、これはある意味「泣ける映画」なんですが、決して感動して、では無くて、あまりに無力な自分が悔しくて、情けなくて、恥ずかしくて、泣けてくるんです。「なぜ、あの時、逃げたの?」。このセリフは、主人公に向けられたものですが、おそらく、観ている誰もが自分に向けられたように感じることでしょう。あまりにも、痛いです。でもね、この映画は是非沢山の方に観ておいて欲しい一本です。そして、同じ題材を扱った「ホテル・ルワンダ」も、併せて観て欲しいです。僕はこれは昨年観ましたが、やはりお腹にズシッときた見応えのある一本でした。

 

そして三本目。「ラスト・キング・オブ・スコットランド」。先ほどのルワンダの隣、ウガンダの「アフリカで最も血にまみれた」独裁者、「人喰い」アミン大統領と、その主治医に抜擢された若いイギリス人(スコットランド人)医師との物語です。先ほどのルワンダが狂った集団を描いた映画だとすれば、こちらは一人の権力者が狂っていく映画でした(・・・「狂う」、とかを言葉として避ける風潮がありますが、僕は闇雲な自主規制には反対の立場です。実際、「狂った」としか表しようが無い状態って、あると思っています)。人間ドラマですが、題材が題材なだけに、目を覆うような恐ろしいシーンもありますし、これもやはり観るにはそれなりに覚悟が必要な映画です。しかし、そんな残虐なシーンよりも、権力を持つこと、そしてまた、その取り巻きとなることの恐ろしさの方が生々しく残りました。恐い映画です。しかし、自国民を30万人も虐殺したアミンは、やはりついこの間、2003年まで生きていたんですよね。

 

こういう映画を観てね、とっても思うのは、明日が当たり前にくる、来週や来月も当たり前のように迎えられる、ということのありがたさです。そして、映画を観て「うわー、こんなこと、あるんだな・・・」なんて思ってるけど、実は僕達も、いや、僕達こそ、・・・もしかしたら、とっても特殊な世界に生きているんじゃないの?って。

 

さて。今日はもう一本観るとしましょうかね。

ではー。



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