さてさて、本日より、6月1日の韓国公演、そして、7日の東京追加、16日の大阪追加各公演に向けての安全リハーサルが始まりました。
思えば丸一か月前の今日、26日は、渋谷公会堂3デイズの初日でした。
もうあれから一か月も経つのかと思うと、驚きです。
これですからね、一年もあっという間のはずですよ。
きっと、一生もあっという・・・
とはいえ、まだまだ色々やりたいこともありますし、短い、短いと言っていると、結構長かったりするのも(笑)、きっと人生の面白いところ。
要は、気持ちひとつ、なんでしょうねえ。
僕が、オルガンに憧れたのは、高校に入って、ディープパープルのコピーなどをしていた時からではありますが、
やっぱり厚見さんのプレイを聴いてから、その気持ちに、圧倒的加速度を増しました。
オルガンの音自体はね、小学生の頃から大好きだったゴダイゴでも沢山使われていたので馴染みはあったのですが、
やっぱり、あの巨大なハモンドに襲いかからんとばかりに、プレイしている姿を観てしまいますて、これはもう。
そこで、ハモンド・オルガン、というものについて色々と調べ始め、
間もなく、捨ててある粗大ごみのタンスが、いちいちレスリーに見えてしばし立ち止まってしまう、という病気(笑)にまでなってしまうのですが(同じ木製ですからね)、
その頃知った、ドローバーのセッティングというのがあります。
ドローバーというのは、
トップの写真のように、オルガンについている、引き出し式の棒(バー)、なのですが、
それぞれ、音の高さが違いましてね、それを自分でミックスして、曲にあった音であったり、好みの音を作る仕組みなんです。
で、高校生の頃、厚見さんはじめ、世界中の(ハード)ロック系のキーボーディストは、皆、ジョン・ロードの音に一度は必ず憧れるわけですが
となれば、そのジョン・ロードがどんなドローバーセッティングをしているか、というのが、注目になるわけです。
皆、こぞって、ビデオ(DVDじゃなくてね)や、雑誌の記事の写真を、それこそ穴のあくまで眺めて、このバーの“形”を探ったわけですが、
その結果、分かったのが、この「下4本」といわれるセッティングなのです。
9本あるドローバーの、低い方から4本だけを、フルに引き出して、他のドローバーの音は一切出さない。ジャズとか、レゲエとか、ファンク、ゴスペルなど、他の音楽のジャンルですと、それぞれにまた違う「典型的なセッティング」というのがありまして、
この「下4本」は、やっぱり、ジョン・ロードのセッティングとして、一番有名なのです。
おそらく、ハードロック系のキーボーディスト、あるいは、どんなキーボーディストでも、ハードロックを演奏するなら、、まずこのセッティングにすると思われる、黄金のセッティングなのです。
勿論、厚見さんも、下4本。
一時は「僕はオルガンはこのセッティングでしか弾かないから」とまでインタビューで、仰ってました。
セッティングというには、あまりにシンプルなこの「下4本」。
しかし、例えば「下3本」だとジャズになってしまう(実際、ジャズオルガンの開祖的存在、ジミー・スミスの定番セッティングが、この「下3本」だった。ちなみに、ジョン・ロードはジミー・スミスに憧れて、ピアノからオルガンに転向したのです)。
この4本以外のドローバーを、一目盛でも引き出すと、音が変わってしまう。
ということで
・・・
・・・あれ?寝てますか(笑)?
なんてね(笑)。
ともあれ、落ち着こう。
ということで、僕も、色々と試してはみたものの、結局、この「下4本」のサウンドが一番好きで、
どんな現場に行っても、
安室奈〇恵ちゃんであっても、清木〇俊介くんであっても、椎名へ〇るちゃんであっても(←ここはハードロックだから、最初からこれでいいのだ)、
そして、なんだかんだ言って、結局、安全地帯さんであっても、
いっつも・・・およそ9割、この「下4本」なんですねえ。
ただ、前回のツアーメニューの中では一曲だけ(ひとまず、本ツアーは終わってますから、大丈夫ですよね)、
「一本の鉛筆」という曲の時のオルガンだけは、別なセッティングを使っていました。だいぶ、軽めのやつね。
さすがに、この曲をハードロックにするわけにはいかないですからね(笑)。
さてさて、こんな、興味の無い方にはまるで面白くない話を書きましたが、
僕がここに書いたことで「そうか、ハードロックは下4本、なんだな」ということが、またどなたかに覚えて頂いて、
どこかでドローバーのあるオルガンを見たときに「ハードロックは下4本なんだよ」と誰かに教えてあげて頂けたりしますと、
昨年、ジョン・ロードは亡くなってしまいましたが、
彼の黄金のセッティングは、この先も、ここ日本でも、生き残っていくのではないかと。
そういえば、今週の月曜の20日、ドアーズのオルガニストレイ・マンザレクが亡くなりました。
・・・僕はハモンド派ですので、VOX系コンボのオルガンの音はあまり自分では使わないのですが(でも、清木場くんの時、一度だけ使ったかな。ギターの圭ちゃんのアレンジの曲で、圭ちゃんが「どうしても」と言うので)、
それでも、レイ・マンザレクの音は、好きでした。R.I.P.。
ドアーズでは、「ハートに火をつけて」が有名ですね。このオルガンのイントロも、不思議で、かっこいい。
音色的にもね、こういうサイケ感は、ハモンドでは出ないんですよ。この淡々としたオルガンソロも、高校生のころはどうしても少し退屈に感じておりましたが、今聴くと、いいですねえ。
やはり「Break On Through」も聴いて頂きたい一曲です。ちなみに、このバンドにはベースがいなくて、レイが左手で、鍵盤で弾いていたんですよ。
あと、個人的には、この「Touch Me」という曲が、思い出深いですねえ。
SHOW-YAさん(日本の誇る女性ハードロックバンド)がデビューアルバムでカバーしてまして、
一度、スキーに行ったおり、このSHOW-YAさんのデビューアルバム「MASQUERADE SHOW」のカセットしか持っていかなかったことがあって、
三日間、滑っている間、ずーっとこのアルバムばかり聴いておりましたので、全曲、完全に覚えてしまいました。
では、久しぶりに聴いてみよう・・・と、今、立ちあがって、
・・・あ、カセットしかない・・・
と気づきました。CDでいつか買い直そう・・・。
なんかね、例えばVOWWOWや、あとBON JOVIなんかもそうなんですが、まだ売れるかどうかわからないデビュー盤って、その後の作品にはない味(バンドの本来の個性みたいなもの)があって、好きなんですよね。
・・・と、ずいぶん話が飛びましたが、
「ドローバーは下4本」、
今日は、これだけは覚えて帰って下さいね。
ハードロックの場合は、ですけどね(笑)。
安全地帯さんは、ロックバンドですが、・・・元ハードロックバンド、という表現なら、これは結構合っているように思いますが、どうなのでしょうか。
当たり前ですが、ハードロック、めちゃめちゃ上手ですしね。
ではー。