これは切ないようなしみじみとした読後感の残る小説です。先日図書館に行ったら偶然今日帰った本の棚にあったので借りてきました(図書館では人気のある本はなかなか書棚に並んでいなくて、見つけたときに一期一会だとばかりに気合で借りないといけないのです)。
交通事故により80分の記憶しかない数学者「博士」とその家政婦の私と息子のルートのどことなく奇妙で切ない交流の物語なんですが、熱い恋愛シーンがあるでなく、淡々と日々が進んでいくのに、知性と愛情に満たされた感じが残ります。読後感では、川上弘美の「センセイの鞄」と共通したものがあります。「センセイの鞄」もよかったですよね。
それにしても随所に出てくる数式のなんて効果的なこと。高校の時、理科系進学コースの落ちこぼれで経済学部に行った身としては、数字や数式が出てきて高級そうな解説をされるとそれだけで畏敬の念を持ってしまいます。
28の約数を足すと28になる。28=1+2+4+7+14。完全数といいます。一番小さな完全数は6。28の次は496。
220の約数の和は284。284の約数の和は220。友愛数という。神の計らいを受けた絆で結ばれあった数字。
この他にも数字の不思議といった類の話がどんどん出てきます。巻末の参考文献を読んでみようかとメモをしておきました。
それから1975年で止まった阪神タイガースの記憶。そうその時の阪神タイガースにはあの江夏豊がいたのです。シーズン奪三振401の世界記録を立て、オールスター戦で9連続三振(うち8人が空振り)。ユニフォームには完全数の背番号28。まだ先発完投型だった時の江夏です。
そして博士のルートに対する愛情。悲しくそして美しい。
ところでこの本をちょうど借りて読んでいる時にテレビで映画の「博士の愛した数式」をやりました。後で見てみようと録画してありますがまだ見ていません。
たいてい原作を読んでから映画を見るとイメージが違うと違和感を感じるのですがこれはどうでしょうか。近々見てみるつもりですが見た人はコメントください。
交通事故により80分の記憶しかない数学者「博士」とその家政婦の私と息子のルートのどことなく奇妙で切ない交流の物語なんですが、熱い恋愛シーンがあるでなく、淡々と日々が進んでいくのに、知性と愛情に満たされた感じが残ります。読後感では、川上弘美の「センセイの鞄」と共通したものがあります。「センセイの鞄」もよかったですよね。
それにしても随所に出てくる数式のなんて効果的なこと。高校の時、理科系進学コースの落ちこぼれで経済学部に行った身としては、数字や数式が出てきて高級そうな解説をされるとそれだけで畏敬の念を持ってしまいます。
28の約数を足すと28になる。28=1+2+4+7+14。完全数といいます。一番小さな完全数は6。28の次は496。
220の約数の和は284。284の約数の和は220。友愛数という。神の計らいを受けた絆で結ばれあった数字。
この他にも数字の不思議といった類の話がどんどん出てきます。巻末の参考文献を読んでみようかとメモをしておきました。
それから1975年で止まった阪神タイガースの記憶。そうその時の阪神タイガースにはあの江夏豊がいたのです。シーズン奪三振401の世界記録を立て、オールスター戦で9連続三振(うち8人が空振り)。ユニフォームには完全数の背番号28。まだ先発完投型だった時の江夏です。
そして博士のルートに対する愛情。悲しくそして美しい。
ところでこの本をちょうど借りて読んでいる時にテレビで映画の「博士の愛した数式」をやりました。後で見てみようと録画してありますがまだ見ていません。
たいてい原作を読んでから映画を見るとイメージが違うと違和感を感じるのですがこれはどうでしょうか。近々見てみるつもりですが見た人はコメントください。