く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<ヒゴタイ> 美しい瑠璃色の球形 原生種は絶滅危惧種に指定

2013年08月04日 | 花の四季

【日本が陸続きだった時代の生き残り!】

 キク科の多年草。日当たり・水はけのいい高原などに自生する。草丈は1m前後で、葉はアザミに似て切れ込みが深い。8~9月頃、茎の先端に直径4~5cmほどの瑠璃色の花を付ける。無数の小花が集まったきれいな球形。日本がユーラシア大陸と陸続きだった氷河期時代の生き残りの〝大陸系遺存植物〟といわれる。花姿が似た植物に地中海沿岸地方原産のルリタマアザミ(瑠璃玉薊)がある。

 ヒゴタイはかつて九州を中心に西日本に広く分布し、各地で盆花としても用いられてきた。だが、盗掘や環境の変化で生息域が次第に狭まって野生種は急減、今では環境省のレッドデータブックで「絶滅危惧Ⅱ類」に指定されている。県別の指定状況をみると、愛知、宮崎ではすでに「絶滅」、広島、山口、福岡、長崎、熊本などでは絶滅の危険性が極めて高い「絶滅危惧Ⅰ類」に分類されている。

 ヒゴタイとは何とも変わった名前だが、貝原益軒は大和本草(1709年)の中で「平江帯」の漢字を当てて、「花ルリ色ナリ葉ハ敗醤(オミナエシ)ニ似タリ」と簡単に紹介している。一方、肥後熊本藩6代藩主・細川重賢が江戸時代中期に編纂した植物写生帖には「肥後躰」として掲載されている。

 ヒゴタイは広島県神石高原町の町の花、熊本県産山村の村の花でもある。神石高原町では有志でつくる「ヒゴタイを増やそう会」が苗の配布など保存・増殖活動を展開。8月15日の町の成人式には毎年ヒゴタイの生花が会場を飾る。阿蘇くじゅう国立公園内にある産山村は開花に合わせ毎年、うぶやま牧場で「ヒゴタイ祭り」を開いてきた。ただ昨年は豪雨災害の影響で残念ながら中止に。今年は8月10日に開催の予定で、産山ヒゴタイ太鼓や産山ひょっとこ踊り、花火大会など多彩な催しを企画している。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする