く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<ノボタン(野牡丹)> 紅紫のあでやかな花 沖縄や台湾などに分布

2013年08月20日 | 花の四季

【ノボタンとして広く流通するのはブラジル原産のシコンノボタン!】

 「ノボタン(野牡丹)」の名を持つが、ボタンの仲間ではなく花姿もボタンに似ているわけではない。ボタンの花のようにあでやかで美しく、日当たりのいい山野に自生することから、その名が付いた。沖縄から台湾、中国南部、インドシナ、フィリピンなどにかけて分布する。

 半耐寒性の常緑低木で高さは1~2m程度。枝先に直径7~8cmほどの5弁花を付ける。花の色はピンクがかった紅紫色が一般的だが、まれに白花も。紀伊半島以西に分布するヒメノボタン(姫野牡丹)」はやや小型で、花の径も4cmほどと小さい。このヒメノボタンとは別種の「メキシコボタン」が国内で同じ「ヒメノボタン」の名前で流通しているから少々ややこしい。こちらは南米産のつる性植物で、カーペット状に横に広がる特徴を持つ。

 一般にノボタンとして国内で流通しているものはブラジルなど南米原産の「シコンノボタン(紫紺野牡丹)」=写真。花色はノボタンより濃い紫紺色で、雄しべが鉤型に曲がる特徴を持つ。1日花だが夏から晩秋にかけて次々に花を咲かせる。その園芸品種に秋咲きで花の色が変化する「リトルエンジェル」、花びらが鮮やかな紫色で細長い「コートダジュール」などがある。

 ノボタンは沖縄本島の原野や林道沿いなどでよく見られるという。今のところ絶滅の心配はないようだ。だが、ヒメノボタンの方は環境省の絶滅危惧Ⅱ類に分類されている。都道府県別にみると愛媛、佐賀では既に絶滅し、三重、和歌山、高知、熊本、長崎、沖縄では絶滅の危険性が極めて高い絶滅危惧Ⅰ類に指定されている。「野牡丹の一と日の命けさあえか」(富安風生)。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする