言葉のチカラこぶ——『いい言葉塾』

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コピーライターになりたいか <20>

2011-07-25 10:09:00 | コピーライターになりたいか
こんにちは。
販促経営コンサルタント、藤田です。
本日2回目の投稿です。

この<コピーライターになりたいか>というカテゴリーでは、50回連載限定で、コピーライターになりたい人や、キャッチコピーを作りたい経営者の方向けにコピーとは何だということを解説しています。
かつてメルマガで配信していたものの再録ですが、貴重なアドバイスが含まれていますので、読んで損はありません。
(なお配信は原則毎週1回月曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です)

それでは、もう20回目ですね。
どうぞ。

20.手作り感覚を大切にしよう

コンピュータさえあれば、何でもできてしまう世の中だから、何となく味気なくなってきたのか、最近では、また手作り感のあるものが見直されてきたように思いませんか。
代表的なものとして、映画「三丁目の夕日」や「パッチギ」などの、昭和時代を描いた作品が評価されていることや、昭和レトロをテーマにした飲食店や商店街が注目されていることです。

人間の手で生み出すということ。バーチャルではなく、たとえそれが少しぐらい稚拙であっても、人間味が感じられるものに、人はどうしても魅かれます。

完璧なもの、そしていかにもきれいなもの、きれいすぎるもの、一点の傷もないもの。そういったものに触れたり、見たりすると、それらにはどこか偽物臭いところがあって、どうしても信用できない、と、心のどこかで呟いている声がしてきます。

わたしが長年携わってきた広告の世界でも、手作り感のある広告が見直されてきています。こちらの代表は、スーパーマーケットにあるPOP広告

POP=Point of Purchase=購買時点と訳される、売場にあって、物言わぬセールスマンとでも呼べる広告

最近ではコンピュータで組まれ、プリンターで打ち出されるので、どこで見ても、同じものでしかない。
当然以前努めていた会社でも、すべてコンピュータで入力し、専用のプリンターで出力して、さらには佐川急便で届けるようなシステムになっていました。

そのどこにも手作り感はなく、人と人のふれあいもありません。触れるところはキーボードと指の先だけ。
原稿さえ、クライアントから送られてくるのはファックスであったり、メールであったり、その原稿のほとんどは、ワードやエクセルで入力されたものです。

確かにきれいです。そして読みやすく、整然としています。でも、人はそれを読むだけ。
「ふ~ん、そうなの」
あまりインパクトを与えないんですね。文字ももちろんですが、そのコピーさえも、組みこまれた味気ない、当たりさわりのないもので、見る人にあまり訴えるところのない、ただきれいな文字が並んでいるだけのような気がします。

しかし、そんな中に、たまに手書きの、あまり上手でない文字のものがあると、不思議となんだか親近感が湧いてくるんですね。いったいなんなのでしょうね、この感覚。
それは、あまりにも機能的すぎる社会に対しての、ある種の自然的存在である人間の反発ではないでしょうか。

人間らしいといえば、ほんとに人間らしい。
街なかにある八百屋さんの店先に無造作に掲げられている、段ボールを破ってマジックで書き込んだPOP。
あれは相当にインパクトがあります。
あ、この値段はきっと、あのおやじさんが市場でがんばって仕入れてきた野菜なんだ、だから、彼ががんばった値段がこれなんだ。そんな気魄が感じられるPOPです。
使い所でインパクトのある手書きのPOP

それに対して、あんなところに、プリンターから打ち出したきれいなPOPがあったとすれば、ちょっと興醒めですよね。
逆に、きれいな店内で、そのようなPOPがあればあったで、興醒めです。
なんだか街の八百屋さんを気取って、こんなPOP置いているけど、どうせスーパーの権威を笠にきて、やすく買い叩いたんだろう、って。
こんなに極端でもないけれど、ただ単純に汚いな、って感じさせてしまう。

要は、やっぱりTPOなんですね。


さて、ひるがえって、それではコピーの場合の手書き感とは、一体なんでしょうね。
それは、ひとことで言うと、
 
『自分の手で、さわったこと』
 
『自分の口で、味わったこと』
 
『自分の鼻で、嗅いだこと』
 
『自分の眼で、見たこと』
 
『自分の耳で、聴いたこと』

 
そうなんです。
自分の五感で、実際に経験すること』なんです。
それが手作り感=手書き感ということではないかな、とわたしは考えています。

もちろん、第六感として、もし自分で実際にその通りにやってみた場合はどうなるだろう、という想像ももちろん、ありです。
もし自分がこれを使ったら。
 
『もし自分が・・・・』
 
想像上のいい経験をコピーにしてみる、ということも必要です。  

だって、すべてのコピーライターがすべて、広告しようとしている商品を実体験できるわけではありませんから。自ずと想像で経験してみるということも必要です。

「手書き感」のあるコピー。
 
それは、もしかしたら、縁の下の力持ちであるはずのコピーライターやデザイナーが、ちょっと表面に出てきて、自分を主張しながら、商品を薦めていることかも知れないですね。
自分の言葉で、デザインで、実際に経験したことを表現していること、ですかね。
(ちょっとむずかしくなってきたかな。)
それは、そう、嘘のないコピーと言えるかも知れません。自分が経験することですから。
 
<21>へつづく。

それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

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勇気の裏付け

2011-07-25 09:25:46 | 販売促進コンサルタントの日記
こんにちは。
前橋の販促経営コンサルタント、藤田です。
今日もよろしくお願いします。

いつも時間が許す限り毎週見ているテレビ番組があります。30分番組ですが、いつも楽しみにしています。
それはTBS系列の日曜夜6時30分からの「夢の扉」です。

以前は新しい技術に挑むパイオニアをおうというドキュメンタリーが多いようでしたが、最近は特にビジネス関連にシフトされてきたようで、新しい技術や素材をいかにしてビジネスに乗せていくかというようなものに変化してきているように思います。

ですから、余計に興味深く見るようになったのですが、昨日は世界一軽い布地を開発した方の話でした。

せっかく開発したのに依頼先が倒産。どうしようかということから社長の戦いが始まるのですが、何とその布地を持っていった先が海外。それのファッションの本場パリです。

世界一薄い布地だからファッションの本場に持ち込むという発想は出ますが、普通ではそこまで勇気が出ませんが、その社長の決断と向こう見ずはたいへんなものです。

それも持っていった先がパリのオペラ座です。偶然にもそこでは次回公演で使う、風をイメージできる生地を探していたというのですから、偶然とは恐ろしいものです。

しかしこの偶然は社長自らが飛びこんでいった勇気から生まれたことで、決して待っていてもやってきません。
もし何らかのつながりでこの会社で世界一薄い生地を開発したということをそのパリのオペラ座の担当者が耳にすることがあっても、それはもっと先の話になっていたでしょう。

チャンスというのはこういう、ある程度向こう見ず的な勇気の先にあるものなんだなあと、痛感しました。

もちろんその公演は大成功で、次回でもこの布地が使われることになり、さらにはパリのファッション業界でも話題になって使われるようになります。


次の挑戦は、地元の文化遺産である加賀友禅との融合でした。

加賀友禅の作家とのコラボでその布地に友禅の手法で描いた素材を東京の百貨店に持ち込み、取引を成功させます。
まあ画面を見る限り、あの仕上がりを見て断るようなバイヤーがいれば、さっさとバイヤーなんかやめた方がいいとは思いますが。

そこで番組が終了したのですが、一点考えさせられたのは、先ほどもあげた向こう見ず的な勇気です。でもその勇気の中には技術の確かさという自信があったからこそではなかったでしょうか。
ただやたらの勇気だけでは、ビジネスはシビアなもので、成立するはずがありません。

勇気の裏付けになる確かな技術が大事なんですね。

勇気を持って事に当たれば扉は開かれるというほど世の中は単純ではありません。
その勇気の裏にどんな技術、企画を持っているか、ですね、肝心なのは。


それでは今日はこれで。


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