ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
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人間は44歳と60歳で急激に老いるという理論

2024-08-31 10:34:26 | 自然
私は既に77歳となり、色々な場面で老いを感じています。特に今年2月に新型コロナで肺炎となり、10日ほど入院して以来その時に減った体重が半年もたっているのにまだ回復していません。

ところが人は徐々に老いるのではなく、特定の年齢で急激に老化するという研究成果が発表されました。アメリカのスタンフォード大学などの研究チームは8月に「人間は急に老いる時期が2回ある」と発表しました。

研究チームは108人を対象とし、数カ月ごとに血液や皮膚などのサンプルを採取しました。最長で7年間の追跡調査を行ったところ「44歳と60歳前後」で身体機能の低下を始めとする急激な老化が認められたとしています。

この発表により、老化の概念が全く変わってしまったようです。これまで人間は年を重ねるごとに老いていくというのが常識でした。今回の発表によると、例えばコーヒーや紅茶、緑茶に含まれているカフェインを代謝する能力は、40歳前後で一度著しく低下します。

しかしその後は50代後半まで顕著な変化を示しません。そして60歳前後になると、再び代謝は大きく低下するのです。日本には昔から厄年という概念があります。男性の本厄は数えで25歳、42歳、61歳の3つであり、これは医学的に見ても非常に示唆的なようです。

まず生物としての人間は20歳で頂点を迎えます。20代後半の社会人などが高校生を見て、若くていいなと感嘆しますが、医学的には間違っていません。その後いよいよ老化が現実味を帯びる40代となると、研究チームが「44歳で老いる」と発表した通り、この年代の患者が増えてくるようです。

日本人は生死を見つめ続け、40代は健康に注意した方がいい時期だと経験から分かっており、それを厄年という概念で表したとしています。臨床の観点から40代はまだまだ健康だが、精神的なストレスが体調に影響を与えることもある時期だと言えます。

44歳で急激な老化を迎えると、さらにストレスの影響を受けることは当然と言えます。それでもまだまだ40代が元気な年齢であることも事実です。老いを実感するのはやはり60代からで、60歳は老いの入り口だと言えます。

ひとつの特徴として、どんなに節制しても遺伝的な要因で症状が出ることが挙げられます。40代の高血圧は不摂生を疑われますが、両親のどちらかが高血圧の場合、その子供は60代になると高血圧になる確率が上がってしまいます。

このように遺伝的な特質が出てくるのが60代といえるようです。「44歳と60歳前後でヒトは急激に老いる」という研究を実際に当てはめると、色々と適合することが出てくるようです。

私自身は全く実感がありませんので、知らず知らずのうちにこの時期を過ごしたのかもしれません。

人類の夢「不老サプリNMN」が大人気

2024-08-30 10:32:58 | 
私はすでに77歳になっていますので、いまさら老化を防ぐ方法など試す気はないのですが、NMNとういう物質がサプリとして注目されているようです。

昔からあらゆる権力者が「不老」を夢見てきました。例えばロシアのプーチン大統領もその一人とされているそうです。ロシアでは古くから、鹿の角の血が「不老」に効くと信じられてきました。

プーチン大統領もそうした俗説を信じ、鹿の角の血を飲んでいるという説もあるようです。ウクライナのことを考えると、プーチンには早く失脚して欲しいのですが、まだ当分は難しそうです。

さて日本を見ると、不老の夢は「サプリ」として現れています。人生100年を後押しするとか、年齢を感じさせないといった謳い文句で新聞やネットでの広告出稿を増加させ、存在感を増している「エイジングサプリメント」がNMN(ニコチンアミド・モノヌクレオチド)を用いたものです。

科学的なアンチエイジングの代表各として2021年ごろからブームに火が付き、テレビや雑誌でも多く取り上げられてきました。このブログでもNMNの抗老化作用を取りあげたことがあります。

調査会社によると、国内で取引されるNMNの原料は2021年に4.6トンと前年の約7倍に急増しています。その後も毎年NMNの原料の取引量は増加し、2024年には10トン近くまで増える見込みのようです。

このNMNとは何なのかというメカニズムを知るためには、まず老化の仕組みを理解する必要があります。老化というのは、加齢とともにゲノムが徐々に壊れていくことで起こる現象です。ゲノムが壊れてしまうことで、遺伝子が正常な働きをせず老化していくわけです。

こういったゲノムの破壊を食い止めるタンパク質群を「サーチュイン」と呼ぶのですが、サーチュインを活性化することで老化を防ぐことができると考えられています。そこで世界中でサーチュインを活性化させる方法が研究されてきました。

2000年代に入って、NAD+という物質がサーチュインの活性化に機能することが発見され、ここから不老の研究が一気に加速しました。NAD+そのものは、分解されやすく細胞に取り込まれにくい性質があるので、そのまま飲んでも効率が悪いものです。

そこで安定して細胞にも取り込まれやすい物質としてNMNが考えられました。NMNは細胞に取り込まれるとNAD+に変換されます。マウスにNMNを投与すると、確かに細胞の中でNAD+が増えてサーチュインが活性化することが分っています。

若返るとまでは言えませんが、膵臓などの内臓機能や筋力、認知機能が改善したことは確認できているようです。

このNMNがヒトでも老化防止に役立つのかは、私が生きているうちには結果が出そうにありませんが、興味をもって情報を集めたいと思っています。

基礎年金の目減り防止策を本格検討へ

2024-08-29 10:34:51 | 時事
私は年金をもらい始めてからすでに15年以上たっていますし、今後今の金額が減ることはないはずですので、年金問題は無関係といえます。

しかし今の制度が現役の人達の年金で、高齢者に支払っている以上、高齢者が増加し現役世代が減少していますので、将来的に問題となることは確かといえそうです。

厚生労働省は、公的年金の目減りを防ぐために基礎年金(国民年金)の底上げの本格検討に入り、厚生年金の積立金を活用する案が有力のようです。ただし将来的に兆円単位での国の負担が必要となり、財源確保が課題となっています。

7月に公表された公的年金の将来見通しによると、就業する人の数や賃金上昇のペースが鈍いと想定した「過去30年投影ケース」では、給付水準は現在よりも2割ほど減少すると見込まれています。特に基礎年金の減少が目立ち、対応が急務としています。

現役の手取り収入に対する年金の割合を示す「所得代替率」を見ると、基礎年金は2024年度の36.2%から57年度には25.5%に下落するようです。公的年金は、1階が基礎年金で2階が厚生年金でできています。

公的年金には、人口減少や長寿化に応じて給付を抑える「マクロ経済スライド」という仕組みがあります。支え手が減る中でも収支を調整する狙いですが、こうしたことが基礎年金の目減りにもつながっています。

そこで同省は、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が運用する厚生年金の積立金の活用を検討しています。過去30年投影ケースで2057年度まで続く想定の抑制期間を、2036年度までに縮めると、所得代替率全体は5.8ポイント増の56.2%に上がります。

国民共通の基礎年金の底上げは、ほぼすべての厚生年金の加入者の年金額も引き上げることができます。しかし基礎年金の半額は国の支出で賄う仕組みのため、巨額の財源確保が課題となります。

基礎年金が引き上げられれば、その分国の支出も増え、2040年度に5千億円、50年度以降には1.8兆〜2.6兆円になると見込まれています。政治的影響も大きく、同省も慎重に議論を進めるとしています。

全体のイメージとしては理解できますが、細かい部分はよくわからないような文章になってしまいました。まあ簡単にいうと、このままでは基礎年金が減少してしまうため、国のカネを使って補填する制度を作ろうというものです。

来年は年金制度改革をするようですが、この少子高齢化が進んでいると、将来的にも安定な年金制度はかなり難しそうな気がします。

日本の人口が順調に伸びていく前提で作られた年金制度ですので、根本的な見直しが必要なのかもしれません。

プラセボ効果のメカニズムとは

2024-08-28 10:32:46 | 
プラセボ効果は、クスリではないのに効くと思い込んで飲むと治ってしまうという現象で、私が最も興味を持っていることのひとつです。

実際には新薬の臨床試験に出る、ある意味困った現象といえます。つまり本来ならばよくなるはずのないプラセボ(偽薬)群が治ってしまうと、新薬群の有効率が下がり結果の足を引っ張ってしまうからです。

ただ私はこのプラセボ効果で病気を治すことが、究極の医療ではないかと思っています。現在でもなぜプラセボ効果が出るのかは分かっていません。プラセボ効果については、古くは18世紀からその効果が記載されています。

今までの実験では、脳の特定部位の働きが関連していることが立証されていますが、実際どのような働きをしているのかは解明されていませんでした。今回ノースカロライナ大学の研究チームが、マウス実験でプラセボ効果の解明を行いました。

2グループのマウスを、繋がった2つの部屋で1週間飼育し、スタートから数日は両方の部屋の床をぽかぽかに暖めました。その後1つの部屋の床をアツアツにすると、もうひとつの部屋は熱くないので、マウスはそちらの部屋に逃げることができました。

最終日は両方の部屋をアツアツにしたものの、前日は熱くなかった方の部屋に逃げることで、マウスは熱さの痛みから逃げられたと感じたようです。アツアツの床で見られたジャンプや脚を舐めるいった行為はあまり見られず、これはプラセボ効果が発揮されたとみなされました。

この実験でマウスには事前に改造型ウイルスが投与されていました。これによって、脳の前帯状皮質という部分の特定の神経細胞とのつながりをモニタリングすることができました。

3部分のうちのひとつ、橋核という部分は運動スキルの学習に必要不可欠ですが、これまで痛みに関する働きは確認されていませんでした。しかしマウスが部屋を移動した時、前帯状皮質と橋核をつなぐ神経細胞に反応が見られました。

そこで感度テストを行った新たなマウスでこの神経経路を人工的に活性化しました。すると痛みに関連した行動(ジャンプや足舐め)をあまり見せませんでした。これはこの神経回路が、プラセボ効果による痛み緩和において何らかの働きをしていることを示唆しています。

この一連の実験が本当にマウスのプラセボ効果を見ているのか若干疑問はありますが、脳の特定部位の関与があることは確かかもしれません。

これ以上詳しいことはやはりヒトを使った実験が必要なのかもしれません。やはり確実にプラセボ効果を出す方法は、まだまだ闇の中といえそうです。

悪夢に隠された意味と現実との関連

2024-08-27 10:36:50 | 自然
私はどうも夢を覚えていない体質のようで、ある意味全く夢を見たことがないと言っても良いのかもしれません。たぶんレム睡眠中には夢を見ているはずで、朝起きると忘れているのが現実でしょう。

非常に面白い夢を見て目が覚め、これは明日かみさんに話そうと思って寝たところ、かみさんに話そうと思ったことは覚えているのですが、夢の内容は全く思い出せなかったという事がありました。

従って夢の話は私と全く関係がないのですが、夢についての面白い解説がありました。夢の中には、単に日中の出来事を整理しているだけのものもあります。しかし特に悪夢の場合は、現実世界での課題や感情的な葛藤を処理しようとする心の働きの可能性もあるようです。

追いかけられる夢では、正体不明の人物、恐ろしい動物、あるいは得体のしれない力から逃げている状況を経験することがあります。差し迫った危険を感じ、どんなに早く走っても追手が迫ってくるように感じます。

今年7月に発表された研究によると、この様な夢は現実世界での人間関係の悪化と関連していることが分りました。研究者たちは、これは夢の「脅威シミュレーション理論」によって説明できると示唆しています。

この理論によれば、夢は現実世界における脅威の認識と回避のメカニズムを練習し、改善するために驚異的な出来事をシミュレートするという進化的な機能を果たしているとしています。これは安全な環境で潜在的な危険に対する反応をリハーサルするのに役立つようです。

この理論はこのような夢は単なる偶然の出来事ではなく、生存のための祖先の必要性に深く根ざしていることを示唆しています。過去において追いかけられることは、捕食者や敵対的な個人からの現実の物理的な脅威を意味していた可能性があります。

現代社会では、これらの脅威はしばしば社会的または感情的な課題として現れ、脳はそれらを処理するために夢を利用しているとしています。窒息する夢は、しばしば非常に苦痛を伴います。

これらの夢では目に見えない力が胸や喉を圧迫しているかのように、呼吸がどんどん苦しくなる状況に陥ることがあります。

これに関してはイスラエルの研究チームが発表した研究では、窒息する夢は現実世界における心理的苦痛と一般的な睡眠障害を経験することと関連していることが示されています。

生理学的には、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠中の呼吸器系の問題や、覚醒時に呼吸の問題を抱えている人は、窒息する夢をより頻繁に見ると報告されています。

この様に夢の研究は活発に行われていますが、昔からある「夢判断」の延長のような感じがするような気もします。