ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

血液の固まりやすさ正確に測定

2016-06-30 10:35:51 | 健康・医療
東京医科歯科大学の研究グループが、血液の固まりやすさの正確な測定を開発したと発表しました。これは重症になりやすい、心原性の脳梗塞発症と密接な関係があるとされています。

脳梗塞にも色々なタイプがあるようですが、私も初めて聞くのが心原性と言われるものです。これは心臓の中にできた血栓が、移動していき脳血管に詰まって発症すると言われています。血栓が心臓内でできるということ自体不思議な感じがしますが、これが血液凝固能と深い関係があるようです。

実際血液が固まりやすい、つまり血液凝固能が高いと診断された患者さんは、抗血液凝固剤などを服用して、脳梗塞を予防しているようです。しかし現在まではこの固まりやすさを測定する方法がなく、CHADS2スコアと呼ばれるものが使われていたようです。

これは心不全・高血圧・高齢・糖尿病・脳梗塞の既往などを点数化したもので、心房細動に伴う心原性脳梗塞のリスク評価に使われていたようです。このスコアは合併症の有無などから簡単に点数化できるものの、リスク評価としては限界があるとされていたようです。

この研究グループは、血液が凝固する際に赤血球が凝集・変形し誘電率が変化することに着目しました。誘電コアグラメーター(実験用試作機、ソニー製)を用いて、誘電率の測定を行ったわけです。

この誘電コアグラメータ―というのは、電極が付いたカートリッジ中に血液を入れ、交流電場を加え誘電率を計測する装置のようです。詳しいところはよくわかりませんが、微分波形を算出しEATという指標を計算しました。EATは高い再現性を持って計測可能で、血液に凝固因子を加えると短くなり、逆のヘパリンのような抗凝固剤を加えると、濃度依存的に延長したようです。

また実際の患者さんを先のスコアに基づいて3グループに分類し、EATを測定したところ、スコアの高いグループでは、EATが短縮しており、凝固能が亢進していることが分かりました。しかし最もスコアの低いグループでは、EATの値が大きくばらつき、このスコア値では正確な凝固能を評価できていないことが分かったようです。

血液というとさらさらな血液とかいって、顕微鏡写真や顕微鏡の動画などが出ていますが、これはスライドグラスとカバーグラスの力の入れ加減でどうにでもなるものであり、ほとんど意味がないと思っていました。しかし今回のような凝固能の測定ができれば、確かに脳梗塞のリスク評価に使えるような気もします。

イギリスのEU離脱問題

2016-06-29 10:37:32 | 時事
このところイギリスの国民投票で、EU離脱が決定したということで、色々な問題が取り上げられています。

私は実のところこの問題にはあまり興味がない、というよりよくわからないためこのブログでは取り上げないつもりでいました。しかしあまりにも多くの情報番組やメディアで取り上げており、何となく無視できないような感じになっています。そこで少し勉強してみました。

この欧州連合(EU)の話が出たころは、私がよくヨーロッパにも行っていた時期でしたので、国を移動すると通貨の交換が面倒で気をつけないとどこのだかわからなくなるとか、オランダなどはパスポートチェックが厳しくかなり時間がかかる等が統一されればよい程度に思っていました。

実際にこのころには、フランス・ドイツ・イタリアなど6か国が欧州共同体(EC)を形成していましたが、あくまで経済的なものだけであり、統一されているという感じは全くありませんでした。そのあとスペインなども加わり、1985年ぐらいにその基本ができたようです。

その後ベルリンの壁が崩壊し、ドイツが統合されたり旧共産諸国が民主化され、こういった国も参加し現在の28か国という巨大組織が出来上がったようです。これが一つの国家に近づいたのが1998年の通貨統合・ユーロの導入です。しかしこれでもイギリスは自国のポンドを守り、ユーロは導入しませんでした。

この通貨統合で私が若干疑問に思ったのは、統合前にオーストリアのグラーツという町からパリに移動したことがありました。当然シリングとフランという異なる通貨を使用したわけですが、それを日本円で計算して使っていたわけです。そのころでグラーツとパリではほぼ2倍の格差がありました。つまりグラーツでは100円で買えたものがパリでは200円になっていたわけです。

これだけ経済格差があるのに、同一の通貨をうまく使えるのかというのが私の疑問でしたが、EU国内での経済格差という問題が今回のイギリス離脱の原因のひとつの様でもあります。多分ドイツ統合でも、東と西の格差はかなり大きく、富んでいる西ドイツはかなりの負担を強いられたはずですが、もともと同じ国であり同じ民族ですので、不満が出ることは無かったのかもしれません。

しかしEUのように多民族の集まりであると、先進国という富める国が、貧しい国を援助するために負担が増えるのは不満が出ても当然のような気がします。イギリスの国民投票では移民問題などが大きく取り上げられていましたが、基本的にはこのような経済問題の一つの表れという気がします。

日本への影響について続けるかもしれません。

6月度定例麻雀

2016-06-28 10:45:26 | ギャンブル
昨日定例の麻雀に行ってきました。先月がいわゆる半付きで大きく負けてしまったので、今回はそのリベンジということで臨みました。

1時集合ということでしたが、やはり歳をとると気が早くなるのか、15分前には全員そろい例によってビールを飲みながら始めました。

ところが今回はとにかく手が悪いのです。流せるほど1.9字牌が多くなく、国士を狙うほどではないといった感じに、全く配牌がバラバラが多く、自摸も悪く手が進まないとうことがほとんどでした。この傾向が最後まで続き、1度もトップは取れず、それでもこういったときは大きく沈むことがないのですが、最終的に最下位になってしまいました。

このツキのなさを示す例は、タンヤオでドラ1という形で、3面待ちと普通の両面のイーシャンテンになりました。まだ序盤の段階ですので3面待ちになれば、リーチでマンガンを狙おうなどと考えていました。ところがこの5種類の牌が全く入らないのです。他の人の様子も見ていましたが、それほど危険な牌を持ってくることもないのですが、全く入りません。

残り3回くらいなり上家が3面待ちの牌を切ったので、ついに鳴いてしまい一応の聴牌としました。ところが最後の自摸が何とドラでした。この段階で切るわけにはいかず結局崩してしまい、流れましたが一人が聴牌しているだけでした。

本当にこんな感じで流れが悪く、あまり面白い麻雀とはなりませんでした。麻雀は1翻下げても上がれといいますが、その例が出ました。

これは私が親マンを振り込んだ時でしたが、親が竹に寄っているのはわかっていました。その中盤前ぐらいに一枚出ている南を自摸切りしたところ、親の南単騎に当たってしまいました。

ところがその手を見ると、南以外はすべて竹のメンツで一通やイーペイコウが微妙にずれていましたが、ドラも入っているという形でした。つまり竹を何か持って来れば、必ず清一色の聴牌となる形でした。まだ早いので、ここでは上がらず竹を待つべきだという意見が多かったのですが、それでも親マンですので結果は良かったような気がします。

私も役牌ともう一種がアンコで33445という形で聴牌しました。これは頭か3,4を持って来れば四暗刻ですし、ポンしてもよいという形ですので、そのまま回していました。ところがこれも全く変わらず、終盤近くに上家から5が出ました。

ここで一旦止まってしまったのですが、上がらず見送ることにしました。ところが私が自摸切りをして下家がまた5を出したのです。結局これがこの手の運命ということで、これで上がってしまいました。結局昨日の麻雀は我慢の連続でしたが、それでもまあ面白い一日でした。

ペットからうつる頭の水虫

2016-06-27 10:24:03 | 健康・医療
最近ペットから「水虫菌」がうつって、頭の毛が抜けるという症例が増えているという記事を読みました。

確かに犬や猫というのは、微生物の巣窟のようなものですので、水虫菌がいても不思議ではないのですが、あまり聞かない話でした。水虫というと足の指にできるものという感じがありますが、実際は手足の爪などかなり全身に感染するもののようです。

特に頭の水虫は昔からあり、「シラクモ」などという呼び名があったようですが、これはずいぶん昔の話で、衛生状態が良くなってからは消えてしまった病気だと思っていました。こういった疾病には抗真菌剤という薬で治療するのですが、現在はかなり薬が良くなってきたので、比較的早く治りそれほど心配するようなものではなくなっています。

しかしこの抗真菌剤というのは非常に難しい薬剤でした。ついでですので、少し微生物について書いてみます。微生物というのは大きく分けて、細菌(バクテリア)、酵母(イースト)、真菌(糸状菌、カビ)に分類されます。簡単に言えばこの順番で進化してきたわけです。

病原菌といわれるのはほとんどが細菌で、大腸菌や溶連菌、ブドウ球菌など非常に多数が存在しています。私はずっとこの細菌をやっつける薬を探していたのですが、細菌と酵母の間に大きな差がありました。細菌は原核生物という分類で、酵母、真菌は真核生物となり、いわばより人間に近付いているのです。

私がいろいろな抗菌剤をつくると、1次アッセイとして8種類ぐらいの病原菌を培養し、これを殺すかどうかを調べます。この中にキャンジダという酵母を入れていました。キャンジダは酵母でもいろいろな感染症の原因となる菌ですが、これを殺す物質を見つけようというわけではありません。

たとえ細菌の病原菌によく作用する薬剤であっても、このキャンジダまで殺してしまうと、動物実験の段階で副作用が出る可能性が高くなるのです。つまり病原菌だけを殺し、キャンジダには全く作用しない薬剤が好ましい性質といえるわけです。

さて今回の水虫菌は、真菌類いわゆるカビですので、酵母よりもっと高等動物に近くなっているといえます。ですから真菌類だけに作用し、高等動物には無害のものというのはかなり高い壁が存在していたのです。普通に考えると、カビとヒトは全く違った生物のような気がしますが、生命の根源的な部分は類似点が多いのです。

ペットからうつる「頭皮白癬」という頭の水虫の話からそれてしまいましたが、現在の抗真菌薬開発までには、本当に大変な苦労があったようです。その結果今使われている抗真菌薬は、ほとんど副作用のない優れたものになっています。

驚くべきカメレオンの舌

2016-06-26 10:39:40 | 自然
カメレオンというのは、周囲の環境に合わせて体の色が変わるとか、いろいろ面白い特徴がありますが、本物は見たことがある程度であまりよく知りませんでした。

今回この舌の機能についての研究成果が発表されました。カメレオンはその代名詞のような、体の色が変わるだけでなく、やや飛び出した目は左右が独立して動き、360度をほぼカバーしているようです。

また獲物を追って捕食するわけではなく、いわば待ち伏せして取るために、長い舌を飛び出し獲物を捕まえています。この舌の速度は非常に早く、体長の2.5倍まで伸び、獲物を捕まえるまでに僅か0.02秒とされています。この速度は約時速60マイル(約97キロ)にも達するようで、しかも体重の3分の1程度の重さまで取り込むことができる強靭さを備えています。

かなり前ですが、このカメレオンの体の色を変えるメカニズムについて読んだことがあります。通常体色を変える生物は、皮膚に下にある色素細胞を凝集させたり分散させたりして、変化させるのが多いようですが、これでは色の強さを変えることができても、色調自体は似た様な色になるようです。

ところがカメレオンは、オレンジ色から緑になったりと色調自身が変わっています。これを解明するため多くの研究グループが参加したようですが、結論としてはカメレオンの皮膚の下に、ナノ結晶格子のような非常に細かい結晶状の物質があり、これが光の反射を調整して色の変化を出すとされています。

例えば平静時にはこの結晶が密集状態になり、青の光を反射しているものが、興奮時にはこの結晶がやや緩んで黄色の光を反射するといった具合です。

さて今回は舌の話ですが、伸ばした舌の先になぜ獲物が吸着されるかが、疑問として残されていたようです。今回はベルギーとフランスの研究チームが、舌の先の粘液の粘度を測定しました。その結果ひとの唾液の1000倍にも達する高粘度であることが分かりました。

現在のところこの高粘度物質がなんであるかなど分かっていないようですが、これによって獲物が舌先に瞬時に接着するようです。またこのように舌の先に接着した獲物が、口の中に納まるとなぜ簡単に外れるかも未解明であり、おそらく口の中で通常の唾液で溶かされるのだろうとしています。

結局今回の発表では、このカメレオンの驚くべき舌の謎が解明したとは言えませんが、このようないわば天然の瞬間接着剤がどんなものなのかわかれば、こういった分野の新しい発展が生ずるかもしれません。