ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

60代後半で3人に1人がかかる加齢性難聴

2024-09-14 10:31:48 | 健康・医療
私の年齢になると難聴を自覚する人が増え、60代後半では3人に1人がかかるといわれています。私は特に難聴の気配はないのですが、私の友人の中ではY君が数年前から若干難聴になっているようです。

普段話をする際はやや大きめの声を出す程度で問題はないのですが、麻雀をやっている時ポンという声が聞こえず問題になりそうな時がある程度です。こういった加齢性難聴は75歳以上になると3人に2人がかかるという説もありますが、周りにはそんなにいないような気もします。

この加齢性難聴の原因は、耳の奥の内耳にある音をキャッチして脳に情報を伝える有毛細胞の衰えといわれています。この難聴は認知症の最も危険なリスク因子でもあるようです。難聴になると音の情報自体が入ってこなくなるため、それだけ聴覚のネットワークも使われなくなります。

しかも難聴によって会話が聞き取れなくなって人とのコミュニケーションが減ると、音の他にも様々な脳への刺激や情報量が激減し、色々なネットワーク機能が弱くなったり、使われない細胞が脱落して脳が委縮したりするとしています。

こうして脳の活動が全体的に低下し、認知機能が弱まって認知症の発症につながります。加齢性難聴は年をとれば誰でも起きる可能性はありますが、そのリスクを減らすことは可能です。ひとつは余分な内臓脂肪を減らすことです。

内臓脂肪が多いと動脈硬化になりやすく、血液の循環が悪くなります。そのため耳に十分な血液が行き届かなくなり、その働きは低下していきます。また高血圧症や糖尿病といった生活習慣病も、動脈硬化のリスクを高め結果として耳が悪くなります。

その対策として食生活の改善があり、たとえばマグネシウムを十分に摂ることが挙げられます。マグネシウムは日本人が不足しがちなミネラルです。これが不足するとブドウ糖の代謝が悪くなって、中性脂肪として蓄積されやすくなり、糖尿病などの生活習慣病のリスクも高めます。

そこでそば、バナナ、のり、ひじき、豆といったマグネシウムを多く含む食材を普段の食事に加えます。またマグネシウムとペアになって働く、カルシウムやビタミンD、亜鉛も積極的に摂ることが勧められています。

こう書いていくと加齢性難聴の予防というより生活習慣病予防のようになっていますが、食生活とは別に推奨されているのが有酸素運動です。特に「ヨガ」が特に優秀としていますが、これも生活習慣病予防のような気もします。

私は前述のように難聴の傾向はなさそうですが(左耳に若干耳鳴りがしていますが)、好きなそばを食べる機会を増やす程度で十分なのかもしれません。

キノコの成分「シロシビン」に抗うつ薬の効果

2024-09-13 10:32:46 | 
私もかみさんもキノコ類が好きで、よく食卓にも出ています。色々なキノコの種類が冷蔵庫に保存されているようです。

このキノコは担子菌という分類で、カビに近い菌類です。この菌が滴正な条件下で子実体を作ったものをキノコと呼んでいます。一説によるとキノコ類はヒトが消化できず、赤ちゃんが丸呑みしてしまうと、そのまま便に出てくることが観察されるようです。

さて幻覚キノコとしてして知られるマジックマッシュルームに含まれる成分の「シロシビン」が、うつ病の治療に有効であることを示す新たな研究が発表されました。この研究は、幻覚剤が精神医学に役立つことを裏付ける最新の証拠となります。

この研究論文によると、高用量のシロシビンは、広く用いられている抗うつ薬のエスシタプラムと類似した効果をうつ病患者に与えるとされています。

エスシタロプラムは、うつ病やその他の精神的症状を治療するために広く使用されている薬剤の一種であり、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)に属し、最も処方されている薬のひとつです。

シロシビンのような幻覚剤がうつ病の症状を治療する能力をより正確に理解するために、20回の試験で3000人近くのデータをレビューし分析しています。

研究チームは、幻覚剤の試験ではほとんどの幻覚剤がプラセボより優れていましたが、シロシビンとエスシタロプラムを比較した試験では、高用量のシロシビンのみがプラセボよりも優れた効果を示すことを確認しました。

シロシビンの効果は「抗うつ薬と同程度である」と研究者たちは述べ、高用量のシロシビンがうつ病の症状を改善する可能性があると結論付けています。

幻覚剤はここ数十年の研究者やバイオテクノロジー企業、製薬会社の努力の結果、主流の臨床治療にこれまでになく近づいていますが、臨床試験以外で使用する前に克服しなければいけない重要な課題が存在します。

気分や思考、知覚を変えることができる薬物である幻覚剤には、LSDやシロシビン、ケタミン、MDMAなどが含まれます。

幻覚剤は世界の多くの地域で違法薬物に指定されており、科学者たちがそれらの効果を調査するための努力を複雑にし、企業がそれらを市場に導入しようとする際にクリアしなければならないハードルを高めています。

うつ病やPTSD、消極性障害を含む多くの精神的症状は、治療が困難で専門家は新薬の開発が進まないとしていますが、新たな治療法の切実なニーズがあります。幻覚剤はこの症状の改善に役立つ可能性がありますが、通常の論証試験では評価が難しい場合が多くなっているようです。

この様に幻覚剤の使用は難しい点が多いようですが、キノコなどは天然物として使用する方法があるような気がしています。


認知症の進行を抑える2例目の新薬

2024-09-12 10:37:24 | 
認知症はアミロイドβの蓄積によって、脳細胞が死滅する病気ですので、どんな薬を使っても死滅した細胞を復活させることはできませんので、進行を抑えることしかできないのが宿命のようなものです。

昔からの友人のS君は数年前から認知症を発症してしまいましたが、奥さんによると最近は昔すんでいた家に行ってしまい(もう20年ぐらい前に引っ越しています)、そこで保護されることが増えたと嘆いていました。やはりかなり進行しているようです。

今回厚生労働省の専門家部会が認知症の新しい薬「ドナネマブ」の製造販売承認を了承しました。これも抗体医薬のようですが、クスリの研究をしていたものとしては、年間の薬代が数百万円になるようなものは薬ではないと思っています。

日本には健康保険をはじめとして色々な補助制度がありますので、患者の負担はそれほど大きくないかもしれませんが、それでも数千円に抑えるべきだと思っています。昨年9月にはエーザイなどが開発したレカネマブが承認されましたが、ドナネマブは2例目の治療薬となります。

レカネマブは、アルツハイマー病の原因物質アミロイドβを除去する働きがあり、認知症の進行を抑制する初のクスリとなります。ドナネマブもアミロイドβを除去する薬で、イーライリリーが開発したクスリです。

レカネマブもドナネマブもアミロイドβを除去する薬ですが、作用する対象が異なります。認知症はアミロイドβが蓄積することで認知機能が低下します。レカネマブの場合、アミロイドβが蓄積して大きな塊になる前、特に神経毒性が強いとされるプロトフィブリルに作用すると考えられています。

一方ドナネマブはアミロイドβが凝集した大きな塊に作用するとされています。臨床試験では、レカネマブは薬を投与して1年半後、認知機能低下を27%抑制するとの結果が出ています。ドナネマブは1年半後で29%抑制との結果でした。

副作用に関しては、ドナネマブはレカネマブよりも脳の出血や腫れが高い頻度で出ていたようです。効果、副作用どちらに関しても、同じ患者で比較したわけではありませんので、どちらが良い悪いは言えないとしています。

私の感覚としてはどちらも30%程度の抑制ですので、あまり良く効く薬とは言えないような気がします。費用はアメリカでドナネマブが年間500万円台で、日本では保険適用で処方されるわけですが、レカネマブより少し高くなるとされています。

処方としてはレカネマブは月2回、2週間に1回の点滴で、ドナネマブは月1回となります。これだけ高価でやや面倒なクスリをどんな人が使うのか分かりませんが、多分私は認知症になってもこんな治療は受けないと感じています。

大腸ガンに関する驚くべき事実とは

2024-09-11 10:34:51 | 健康・医療
少し前に大学時代の友人に会っとき、大腸の内視鏡検査をしてポリープをいくつかとったという話しをしていました。

実は私はこの歳になるまで胃カメラや内視鏡検査というものを一度も受けたことがありません。若い時はその必要性を感じていたのですが、面倒くさいなどの理由で実施せず、この歳になるともう必要性はないような気がしています。

かみさんはよく受診していますが、その準備などを見ているととても受ける気がしないというのが実情です。大腸ガンについては食物繊維が少なく、脂肪とタンパク質が多い食事が悪いとされています。

食物繊維の摂取不足は、大腸ガンの発生を促すと考えられており、日本でも約10万人を対象にした大規模な調査が行われました。この調査では、食物繊維の摂取量を基に参加者を5つのグループに分けたうえで、その後の10年間に大腸ガンを発症した人の割合を比較しました。

ところが食物繊維を多くとっても、大腸ガンの発症率が下がる傾向は認められませんでした。ただし食物繊維の摂取量が最も少ないグループを、さらに3段階に分けて分析し直したところ、摂取量の本当に少ないグループは、最も多いグループと比べて大腸ガンに2倍なりやすいことが分りました。

もうひとつ大腸ガン発症との関連が疑われているのが、脂肪とタンパク質を多く含む食品、具体的には肉の摂取です。脂肪を摂取すると、肝臓から胆汁という消化液が分泌されて脂肪を分解しやすくします。

胆汁は大部分が小腸から吸収されますが、小腸で吸収しきれなかった一部は大腸まで流れ込みます。この時大腸に悪玉菌がいると、入ってきた胆汁が分解されて、発ガンと関連する物質ができてしまいます。

発がん性物質まで行きませんが、脂肪を多く摂取して胆汁の分泌が増えれば、大腸ガンが発生しやすくなるという事です。各国の食肉摂取量と大腸ガンの発症率を調べると、ニュージーランド、米国、カナダなどが多くなっていて、1人当たりの食肉摂取量が多い国ほど、大腸ガンの発症率がが高い傾向がみられます。

その後日本人8万人を対象に2006年まで実施された調査からは、男性は鶏肉を含むすべての肉、女性は鶏肉を除くウシ、ブタ、ヒツジなどの肉を多く食べると、どちらも結腸ガンの発症率が1.5倍上がるというデータが得られました。

肉を食べる量が増えると大腸ガンの発症率が上がるのは確かなものの、ここまでなら大丈夫という線を引くことはできていません。また鶏肉については研究が不十分で、安全かどうかもはっきりしていないのが実情です。

以上のように疫学調査はあくまで確率の問題ですので、こんな結果は気にせず好きなだけ食べて、健康でいる方が長生きできるような気がします。

日本の高齢者の定義を75歳以上に

2024-09-10 10:31:48 | 時事
人生100年という言葉が出ていますが、それほど長生きはしたくない気がしています。実際平均寿命は2022年で男性は81.5歳、女性87.09歳と40年前に比べて10歳近く伸びています。

現在は65歳が前期高齢者で75歳以上が後期高齢者となっていますが、自分を振り返っても65歳ではまだ元気に働いていました。私の子供頃は65歳というとじいさんという感じがしたかもしれませんが、現在の65歳はまだまだ元気なおじさんという感じです。

運動機能や認知機能、病期の発症率、死亡率などの変化を調べた日本老年医学会などのデータによれば、現在の75歳は、「高齢者」の定義を定めた1982年ころの65歳程度に匹敵することが分っています。

この若返り現象の理由として、国民の栄養状態の改善、公衆衛生の普及、医学の進歩などを挙げています。ここまで若返りが歴然としているなら、高齢者の定義年齢を引上げることを検討したほうが良いのではという意見も出ています。

これができれば年金問題と医療費問題などの社会問題に光明が見えてくるかもしれません。日本の年金制度は、現役世代が納めた保険料を高齢者に受け渡す「賦課方式」です。

しかし急速に進む少子高齢化によって、支える側である現役世代と支えられる側である高齢者の人口バランスがあるべき姿から逆転してしまっています。2008年にピークを迎えた日本の人口は、2011年以降減り続けてきました。

すでに現役世代2人で高齢者1人を支えなければならない時代が到来しています。そこで仮に高齢者を75歳以上とした場合を考えてみます。内閣府の2023年版高齢社会白書によれば、65歳から74歳までの前期高齢者の数は1687万人で、総人口に占める割合は13.5%となっています。

つまり高齢者の定義を75歳以上とするだけで、この1600万人が現役に組み込まれることになり、年金問題はかなり改善されることになります。次に医療問題ですが、これも少子高齢化が進行するほど財政を圧迫し続け、ついには破たんに追い込みかねない問題です。

高齢者の定義を変えれば、改善される可能性があるとしています。これは専門家によると、65歳以上の人の寿命は社会的責任の有無によって、7〜8歳も違ってくるようです。

現役として何かしらの役割を担うことによる適度の忙しさ、張り合い、責任感などが心身の活性化につながり、健康に寄与するようです。現役として生きることで元気な65〜74歳が増えたら、それだけ医療費の財政負担は軽減されるという訳です。

この辺りはあまり納得できない部分もありますが、現在の65歳高齢者を70歳に変更しても問題は出ないような気もしています。それより年金支給年齢を遅らせることは、かなり抵抗があるような気がします。